韓国から見たITFテコンドー

例の如く、ナムウィキの引用。https://namu.wiki/w/%EA%B5%AD%EC%A0%9C%ED%83%9C%EA%B6%8C%EB%8F%84%EC%97%B0%EB%A7%B9

国際テコンドー連盟(International Taekwon-do Federation, ITF )は、1966年 3月22日に大韓民国ソウルで設立された最初の国際テコンドー組織である。大韓民国陸軍出身のチェ・ホンヒによって設立された。

国内ではたまに「北朝鮮テコンドー」という名称でよく呼ばれるが、これは間違った言葉である。チェ・ホンヒの文書だけを見ても、国際テコンドー連盟は名前から分かるように、テコンドーの国際機関であり、チェ・ホンヒと他のテコンドー師範の不和によって分裂し、WTとITFが共存することになっただけだ。


歴史

現在主流テコンドー団体はWTだが、設立自体は大韓テコンドー協会とITFの方が先に設立された。もちろん当然現存する組織である大韓テコンドー協会の事ではない。ここで言う大韓テコンドー協会はチェ・ホンヒが創設して会長職を引き受けた時代の大韓テコンドー協会だ。理由は後述するが、現在の大韓テコンドー協会はチェ・ホンヒ会長時代を黒歴史と考える。大韓跆拳道協会が1959年にチェ・ホンヒの主導で設立され、その後1961年度の大韓テスドー協会に再創設された。結局、海外勤務から帰ってきたチェ・ホンヒ総裁が再就任して3代目の会長になった。チェ・ホンヒ総裁が後に設立したITFは、初期の大韓テコンドー協会を創設したチェ・ホンヒ総裁の目標と精神がそのまま受け継がれた組織だ。

もともと初創期のテコンドーは国内でのテコンドーの普及を引き受けた大韓テコンドー協会と海外でのテコンドーの普及を引き受けた国際テコンドー連盟しかなかった。政治的な理由でチェ・ホンヒを国内から追放した後、テコンドーのオリンピック進入のための新しい国際機構として世界テコンドー連盟(旧WTF、現WT)を大韓テコンドー協会が独立させて新たに作ったが、彼らが知らないうちにチェ・ホンヒの優れた手腕で、国際テコンドー連盟が意外に大きくなりすぎてしまい、とにかくテコンドーの国際機関は両団体が共存するようになった。現代史の複雑な事情とチェ・ホンヒが北朝鮮にITFテコンドーを伝播し、本来の宗主国である韓国ではチェ・ホンヒの足跡が黒歴史として隠されていた事から、 ITFが北朝鮮という誤った認識※1が広がるようになった
※1 これはチェ・ホンヒ総裁の息子であるチェ・ジュンファ系列(カナダ派)から見た視点であり、チャン・ウン系列(北朝鮮派)では北朝鮮がテコンドーの宗主国だと広報している。もちろん、WTとITFの両方が韓国で作られた団体である。

 チャン・ウン系列の影響力が強い日本でもITFを韓国の武術として認識している※2。
※2 実は日本でのチャンウン系列(北朝鮮派)はかなり微妙なポジションをとっているが、道場に太極旗をかけて「北朝鮮」ではなく「韓国」の文化として紹介するなど自ら大韓民国の団体という意識を持ったようでありながら、「主体」などの北朝鮮の思想を躊躇なく使用するなど、妙に親北的な姿を見せたりする曖昧なポジションをとっている。しかし、日本にチャンウン系列だけがあるわけでもなく、反北性向のチェジュンファ系列(カナダ派)も混在しており、日本ではITFを当然のように大韓民国の武術として認識している。当初、日本でのWTの認知度は殆ど皆無だった。

ITFはテコンドーの歴史において、ブラジリアン柔術におけるグレーシー柔術や空手においては松濤館流のようなポジションであり、ニュースクール特有のスポーツ化には反対し実戦性を保つように努力している。

団体の規模でWTがITFを抜くことになったのには内幕があり、テコンドーを創始したチェ・ホンヒが軍人時代の部下だった朴正煕大統領と政治的に対立して、カナダに亡命したことに起因する。チェ・ホンヒは1959年9月3日に大韓テコンドー協会を創設し、名称など他の5大館館長と摩擦から会長職から退き、1966年度に韓国で国際テコンドー協会を創設した。チェ・ホンヒはカナダに亡命する過程で国際テコンドー連盟本部も韓国からカナダ トロントに移し、そこを起点に北米、ヨーロッパ、日本などでITF道場を開館する。これに対応するべく韓国政府が既存のチェ・ホンヒ総裁の痕跡を圧力で潰して新しく作った団体がまさにWTだ。

北朝鮮と日本には1980年代にITFテコンドーが普及されたが、韓国の固有武術という面を掲げ、民族主義性向の強い北朝鮮と日本の在日韓国人(特に朝鮮総連系)を中心に普及されてからしばらくして急速に有能な師範を排出し、広まり始めた。

大山倍達(崔倍達)が創始した極真空手との関係も若干ある。極真空手は一般空手とは異なり、実戦空手を追求する、新たに創始された流派である。チェ・ホンヒと崔倍達は生前、テコンドーと極真空手の交流を議論したり、義兄弟を結ぶほど仲が良かったという。さらには統合まで考慮したという。しかし、大人の事情で統合は水泡になった。ただしテコンドーの日本普及に崔倍達が助けを与えたり、テコンドーの国内普及のために崔倍達の存命中は韓国に極真空手を普及しないことにしたという。

分裂

チェ・ホンヒ総裁死亡以来、現在まで北朝鮮のチャンウン IOC委員とチェ・ホンヒの息子チェ・ジュンファが互いにITFの正統総裁だと主張して分裂が起こった。
短くまとめてみると、チェ・ホンヒ総裁は、臨終まで次期総裁問題で頭を悩ませて指名できなかった。以後、北朝鮮で崔総裁が死亡し、遺言でチャンウンを次期総裁に指名するようになり、臨時総会を開き、総裁に選出される。

チェ・ジュンファ系をはじめとするチャンウン氏の総裁就任に反対する側は、この過程に問題があったと主張し、遺言が操作された可能性を提起している。(元々、北朝鮮のチャンウン氏はバスケ選手であってテコンドー修練者ではなかった為、別派閥の人間からは「師範」などの敬称をもちいられることもない)

日本はチャンウン系列(北朝鮮派)が人数で圧倒的に先んじるが、チャンウン系列とチェジュンファ系列(カナダ派)が混在している。
中国は過去大部分のチャンウン系列(北朝鮮派)だったが、最近オリンピックバブルでWTも多く進出しており、チャンウン系列のうちWTに看板だけを変えた道場も相当数ある。

現在、チャンウン系列(北朝鮮派)、チェ・ジュンファ系列(カナダ派)、トラン・クァン系列(ユーロ派)の勢力の大きさはそれぞれ主張するところが異なる。チャンウン系列が主張するところによると、自分たちとトラン・クァン系が49​​:51で事実上二分しており、チェ・ジュンファ系は勢力がほとんど微微だと主張し、トラン・クァン系が主張するところによると、自分たちとチャンウン系が70:30程度で勢力を持っており、やはりチェ・ジュンファ系は勢力がほとんど微妙だと主張する。しかし、チェ・ジュンファ系は自分たちの勢力が最も大きいと主張し、事実上自分たち中心にITFが統合されるべき状況だと主張する。どちらを信じるかは各自の判断に任せる。
正直言って、チェ・ジュンファ系は一人で飛び出していて、実際のファクトはチェ・ジュンファ系が一番勢力小さいようだ。故に事実上ITFは大きくは三分裂、詳しく見ると四分五列されている状態だ。

チャンウン系列(北朝鮮派)

ここの正確な名称は「国際テコンドー連盟」。北朝鮮を中心にテコンドーを普及しているため、ITFテコンドー=北朝鮮テコンドーという認識を植えている主な原因だ。日本にも朝鮮総連系師範が多いので、ここの系列道場が多い。また、北朝鮮がテコンドーの宗主国だと広報している。
2018年11月、南北朝鮮の和解ムードに支えられ、WTとITF (チャンウン系列)が統合意志を明らかにし、2018年内に共同機構の創立を目指すと明らかにした。2020東京オリンピックを筆頭とした合同デモ出現と各連盟の競技規定で進行する競技大会の共同主催を行う予定だったが、南北の雰囲気が再び悪化した事で雲散霧消されたものと見られる。

ITF分派の中で最もよく知られており、最も規模が大きい。

鉄拳シリーズの花郎のモーションキャプチャを担当したファン・スイル師賢が所属しており、韓国では大邱広域市に本部道場を運営している。

チェ・ジュンファ系列(カナダ派)

チェ・ホンヒの息子であるチェ・ジュンファが率いる所であり、韓国進出に最も積極的な分派だ。韓国支部である国際テコンドー連盟大韓民国協会がソウル九老中央道場を中心に地域道場と同好会を運営して大会も開催するなど着実に活動中だ。

チェ・ジュンファは韓国を訪問し、自分に従うITF勢力とWTを統合する問題を議論した。しかし、WT側ではIOC委員のチャンウン側と接触したことがあり、これは支持不振な議論の末に統合件は中断された状態だ。実際に政治的な考慮を除外する場合、WTとITFの規模の差が膨大であるため、「統合」よりもWT傘下で「吸収」しようとする可能性が大きい。

ITF分派の中で最も実用的な分波として評価されている。この他にもボクシングのパンチ技術とローキック技術を導入するなど新技術導入にも最も積極的な方として知られている。

トラン・クァン系列(ユーロ派)

国際テコンドー連盟北米支部長だったトラン・クァンがチャンウンとチェジュンファの対立によって独立。本部をスペインに移した後はヨーロッパを中心に活発に活動している。

トランクワン系は他の系列とは異なり、四肢の黒い線が太い一行から薄い二行に変わる。アディダスみたい。

トランクワン系はこれ以外にも他の団体と非常に大きく変わったが、その差は日本の古流柔術がブラジル式にローカライズされたブラジリアン柔術になった位の違いだ。技術名称はほとんど韓国語にこだわる日本ITFとは異なり、カナダのトラン・クァン系列は名称もWTのように全部英語で統一し、さらに独自の昇段体系を持っている。試割り用板を固定させる専用ボードホルダーに(組み立ててリサイクルが可能 )プラスチックの試割り板を複数枚立てて撃破させさせる昇段種目があるが、「Powerbreaking」という名称で呼ぶ。YouTubeで閲覧すれば、複数の映像で閲覧できる。

オ・チャンジン系列

長い間、チェジュンファ系列で事務総長を務めてきたオ・チャンジンが資金横領の名目で除名され、自分たちに従う勢力を連れて、もう一つのITFを立てた。オ・チャンジン系ITFはITF HeadQuater(略してHQ)と名乗っており、既存のチェジュンファ系列で運営していたフレームツアープログラムと武神という武術雑誌を持ち出して運営している。オ・チャンジンがITFを独自に立てたが、彼が直接総裁の席に上がらず、総裁代行事務総長職を維持中で、総裁職は空席だったが、2016年4月3日に露モスクワで会議を開き、総裁に上がった。独立した後、チェジュンファ系列とはお互いに楽しく営業妨害で告訴戦を繰り広げる状況だ。

DOA5のリックのモーションキャプチャーを務めた片岡智康師範と彼の師匠でありスーパーコリアンにも登場したことがあり、日本ITF4大天王と呼ばれたイ・ジョンモクがチェ・ジュンファ界で除名され、オ・チャンジン界に移るなどますます勢力を呼んでいる。

その他の群小分派

GTF
蒼軒流

ITF-TAO

他にも韓国をはじめ、世界中にその三つから離れてできた群小分派が存在する。韓国では、チャンウン派からの分派の진엄회관(進儼會館)、チェ・ジュンファ派からの分派の수신회관(ジュシン會館)、トラン・クァン派からの分派の극한회관(極限會館)がある。
この分派によりカナダや日本、北朝鮮式ITFとは異なる韓国化が進行中であるが、ジュシン会館は既存のITFルールにローキックを許容し、顔には強化プラスチック保護区を借用して修練者たちの安全を図っており、極限会館の場合、極限會式ルールを作ってMMAのように組手をしてみたり、最近では6段以上から柔道式紅白帯も導入した。

そして前の二団体より古い「正統国際テコンドー連盟」という分派も存在する。略称は「O-ITF」で、総裁はチェ・ホンヒ総裁の弟子だったチョ・デソン牧師。そして、2006年にチェ・ホンヒ将軍からITFで6段を受けたチョン・スンチョンが新たなITFを発足させたが結局滅び、その後2010年、テコンドー元老が主軸となった団体、世界テコンドー先駆者連合会(WTA)の後援でITF同好会を発足させた。そして、そのITF同好会も滅びた。

詳細

通常、ITF側のテコンドーをWT側のテコンドーと区別するために「ITFテコンドー」と呼ぶ。正式名称は「テコンドー」。英語の表記はTaekwon-doです。
しかし、認知度上テコンドーと呼ぶと、通常WTテコンドーを意味するので、ITFテコンドー修練生も通常ITFテコンドー。あるいは単にITFと呼ぶ。ITFの試合ではWTより自由な手技を推奨し、WTの試合とは違って手で顔を加撃することも許される。(※WTではパンチは胴体のみだ。防具のためダメージがよく入らないうえに点数も低くて淘汰された)
本格的に手を用いるので、WTとは異なり、ボクシングのように手にグローブを着用する。顔面打撃が可能なため公式競技では許されないが一般競技や道場ローカルでは修練生の安全のためにヘッドギアを選択的に着用することもある。
初めて修練を始めると、拳技術の理解を非常に高く要求するのが見られる。

そのような点で技術がWTよりは実戦的であるという評価が多い。WTはスポーツ化に重点を置いて安全で整形化された「プムセ(型)とキョルギ(組手競技)」に焦点を当て、ITFは基本的にテコンドーは開発当時から武道という認識で、格闘技として発展することを強調してきた。※
※ チェ・ ホンヒの記録によると、日本の代表的な武道である空手のように韓国人によく合う格闘技を開発しようとしたという。WTとの違いを見たい場合は、リック(DOA)の動きを見ることをお勧めします。ITFとはこういうことをよく見せてくれる。
 現代ITFは安全のため顔面打撃が制限されている極真空手のようにやはり相手の安全のため公式試合では拳技術も3回を超えて連続で使用できなくなっているが、組手する姿や動きだけ見てもスタイルに確かな違いがあることを感じることができる。
 つまり、両方のテコンドーとも長所と短所があるので、何を修練するかは個々人の好みによるものであり、どのテコンドーでもどの格闘技でも熱心に修練することが重要なのだ。

ITFテコンドーの最大の特徴は運動原理です。サインウェーブというアップダウンシステムを体系化しながら、空手とはまったく異なる原理の武術で体系化・発展した。テッキョン特有のステップとも似ており、太極拳、ハプキドーにも似たこの動きは中心が上に行くときは蹴りをして中心が下に降りてくるときは拳など手技を使いやすくする動きで手技がほとんどで、蹴りはいくつもできない構造の空手スタイルとは違って確実で効率的にテコンドー修練者たちが蹴り技を手技と連続的に混合して使うように作ってくれ、直線攻撃中心の空手とは違い重さを乗せて横から倒れる式の打撃方式で発展した。

韓国にはWTに比べてあまり知られておらず、近年はかなり好転したが、すでにヘゲモニー(覇権)を他の武道に奪われて、事業拡張が容易ではない。

ITF単独での道場は非常に非常に少ないことから、問題は、きちんとした指導を受けにくくなっている。ニッチ市場を狙うことだけを狙い、ITF師範資格証がないのにITF兼任/単独道場を名乗る非良心的な業者も多く、ITFについてよく知らない初心者であるか惨めな人々が多く騙されている。こうした犠牲者が時間とお金をドブに捨てているのが現ITFの実情だ。実際、ITFだけでなくWTテコンドー道場や他の格闘技道場/ジムもこのような場合が往々にしてある。しかし、ITFは全体の道場数がごく少数で、このような詐欺師の割合が高いと見ることができる。韓国にきちんとしたITFを修練することができる方法は、数少ない正常な指導者が運営する道場を探したり、ITF高段者だが資金問題/個人職業問題で道場を行わず一定周期で修練費を集めて特定の場所を借りて熱意を持ってやってきた学生たちをサークル規模で指導する若い師範を見つけることの二つだけだ。
 あえて近くで探そうとしたら、自分がよく知っている年齢が少ない北朝鮮からの脱北住民がいるなら、その人に学ぶのも悪くない。北朝鮮軍出身ならITFの実力は確かに誰かに指導出来るレベルにあるだろう。

 WTに比べて子どもや青少年たちが修練するにはほとんど不可能で、一定以上の予算と時間を投資する余力がある大人でなければ難しい為、韓国のITF修練者の割合は大人が圧倒的に高い状況だ。それでも大人も現実的な状況のため着実に修練するのは大変だが。意図せずして大人の趣味になってしまったわけだ。

型(トゥル)

WTのテコンドーとは異なり、 ITFはプムセ(型)をトゥルと呼ぶ。動作もWTのプムセとは全く異なる。
各枠の名称、動作の数、演武線は、韓国の偉人の名前や号を取ったり、当時の歴史的事実を象徴する。24のトゥルがあります。
チョンジ(天地)、タングン(檀君)、トサン(島山)、ウォニョ(元曉)、ユルゴク(栗谷)、チュングン(重根)、テェゲ(退渓)、ファラン(花郎)、チュンム(忠武)、クワンゲ(廣開)、ポウン(圃隠)、ケベク(階伯)、ウィアム(義菴)、チュンジャン(忠壮)、チュチェ(主体)、サミル(三一)、ユシン(庚信)、チェヨン(崔瑩)、ヨンゲ(淵蓋)、ウルチ(乙支)、ムンム(文武)、ソサン(西山)、セジョン(世宗)、トンイル(統一)

昔、蒼軒流の時代にテコンドーを学んだ長年層・老年層であれば、リストにある型の名前を覚えている場合もあるが、蒼軒流の20の型に義菴、淵蓋
、文武、西山を追加したのが上24の形だからだ。ただし、改良と解析の違いで細かい部分は異なる場合がある。

本来、蒼軒流では主体ではなく、高党がこの順にあったという。それでチェ・ジュンファ系ITFとオ・チャンジン系ITFでは'主体'の代わりに'高堂'を教えた。高党は6.25戦争が勃発するころまで北に残って北朝鮮政権に抵抗する、北朝鮮指導部に殺害された民族主義者であるため、北朝鮮側が「高党」を使うことはできなかっただろう。

他にも李承晩の号を冠した「雩南(ウナム)」(42の動作)があったが、4.19革命が起きた年である1960年に削除された。さらにイ・ギブンの号を取った「晩松(マンソン)」の型もあった。

名前に韓国の色が強いが、ムエタイや柔道でそれぞれタイ色や日本色があまり感じられないように、必ず国家色が感じられなければならないかという意見もある。ITFもWTと同様にテコンドーのグローバル化に多くの努力をしているが、過度に特定国の色が強い場合、むしろグローバル化に支障があるかもしれないからだ。
しかし、テコンドー団体がITF一つだけなのではなく、WTもあるため、これをITFだけの特色とみて、それぞれの特色を持っていくことが多様性の面では肯定的と見られる。

メディア

韓国ではWTが国技に指定されているうえ、受け継がれてきた隣のテッキョンの歴史まで丸ごと飲み込もうとしたほど、その勢いがすごい。
また、上述したように、国家単位でITFを排斥しただけにITFが描写される場合は少なく、たとえ描写をしてもテコンドー歴史で言及すらされない場合が多い。したがって、最低限のレベルを満たすクオリティでITFがメディアで扱われた事例は、外国の場合がはるかに多い。

外国映画で描かれるテコンドーはほとんどITFだ。特に監督/アクション監督の年齢が高いほど、そのような傾向が強い。香港で武術映画ブームが吹いた時代に活躍していた香港のテコンドー俳優たちは韓国でまだチェ・ホンヒが大韓テコンドー協会会長だった時期か、その後ITFを普及していた時期だからだ。この時、まだWTFは外国にテコンドーを普及していない時代だ。例えば「黒拳」に出演したイ・ジュング師範は軍隊で蒼軒流テコンドーを学んだため、黒拳オープニングで倒産、忠武、広開を実演した。
伝説的な韓国系香港俳優の王号とファン・ジョンリともに蒼軒流時代のテコンドーを学んだ人たちだ。イ・ソリョンもイ・ジュング師範にテコンドーの蹴りを学んだので、自分の映画でITF特有の足防具をつけて横蹴りを好んで使用した。また香港映画の悪役界の伝説ノ・ヘグァンも脱北者からITFを学んだ俳優だ。つまり、外国観客が考えるテコンドーの派手ながらも迫力があり、相手を圧倒する致命的なキックコンビネーションのファンタジーはITFをベースにすることが多い。

日本でも上述した朝鮮総連系の修練のおかげで、ITF人口が絶対多数であるうえ、インフラがよく組織されており、ITF関連水準の高い教育資料や話題性の高い娯楽媒体が製作されている。製作会社側で別にWTと明記しなければ'日本で描かれたテコンドー'='ITF'と見てもよいだろう。
[日本でITFテコンドーが題材となった例]
・テコンドー魂(映画)
日本で製作したテコンドー(ITF)を素材にした映画。
・テコンドー(ビデオゲーム、SFC)
ヒューマンが製作したスーパーファミコン対戦格闘ゲーム。韓国語字幕と韓国語ボイスの為、韓国人なら問題なく遊べる。
・鉄拳シリーズ(テレビゲーム)-白頭山、花朗
バンダイナムコが製作した鉄拳シリーズのキャラクター。二人とも亜流ではなく公式道場で正式に修練したテコンドーたちであり、花郎は2段(※WT修練者たちは2段しかないということに疑わしいだろうが、ITFではWTに比べて昇級に多くの時間と努力がかかって遅くなることを勘案したものと推定される)という詳細な設定も持っている。鉄拳シリーズは韓国でも国民格闘ゲームで興行しただけに最も有名な事例だ。
両キャラクターとも初創期にはITF技術だけを使用した。最近作に来るほどWTテコンドー側の派手な技術が1〜2個ずつ追加された。また、花郎の場合、テッキョン技術も持っているので、元ネタが分かる程楽しめる。モーションキャプチャー担当はファン・スイル師賢。
・DOAシリーズ-リック:リック本人がITFテコンドーの本産であるカナダ出身であり、技術表でも英文で表記した鉄拳とは異なり、ITFの公式技術名をハングルで書くなど、コーエーテクモ側で工夫した痕跡が見られる。モーションキャプチャー担当は片岡智康師範。

※SNK(キム・カッファン)、ストリートファイター(ハン・ジュリ)は道着などの設定上はWTだが、基本動作などのモーションは明らかにITFをベースにしている。ただし、該当作品の全体的な雰囲気に合わせて再創作が大きく行われており、断定は困難である。

余談

国内には修練者も少ないだけでしっかり知っている人が少ない。道場は全国に手に挙げるほど少ない。おそらく北朝鮮テコンドーとして誤って知られているようで、すでにWT系列のテコンドー道場が根を下ろしている事から伝播が容易ではないようだ。

前述したように、いくつかの系列に分かれているが、すべてテコンドーの創始者をチェ・ホンヒであることを明らかに明らかにし、これを継承すると主張しており、技術的な違いはない。各系列の違いをあえて話すと、サイン波をど​​のように解釈して適用するかの違い程度だ。それでも表現だけ違うだけで内部を覗いてみるとほとんど違いがない水準だ。組織ごとに体系が全く異なるテッキョンとは違って、どの系列で学んでも、師範の実力が確実であれば、何の問題もない。ただし、このような断絶された体制構造を長期間維持する場合、結局系列間の差異は現れるしかなく、ITFの利益と成長のための活動にも資源と人材を集中できないため、テコンドー修練者の多くはチェ・ホンヒ総裁時代のように一つの統合された組織を願っている。

チャンウン系列の場合、北朝鮮と結びついているので、しばしば政治的議論に巻き込まれている。チェ・ジュンファ総裁インタビューによると、北朝鮮工作員が(チャンウン系列)のITFテコンドー師範に偽装する場合が多く、1980年代に全斗煥暗殺まで試みていた過去がある(ただし、これについてはITFテコンドー内部の葛藤の中に出てきた言葉だからこそ、内容を濾過して捉える必要はある)ファン・スイルの場合、朝鮮総連出身だから親北反米性向の文を韓国コミュニティに上げたこともある。ただ政治的に問題を起こすのは、ほとんど北朝鮮と連携したチャンウン系列である。カナダに根付いたトラン・クァン系列や韓国に根付いたチェジュンファ、オ・チャンジン系列は政治的に問題がないので安心してもいいし、自分が住んでいるところ近くのITF道場を行こうとするなら、そこがチャンウン系列なのかその他系列なのか調べて、そこがチャンウン系列ならば警戒する必要がある。

韓国の有名総合格闘技チームであるチームマッドのヤン・ソンフン館長が運営するYouTubeチャンネルであるヤン監督TVで進行した天下一武術大会コンテンツにITFテコンドーが参加すると、武術や格闘技の愛好家の間で 認知度が 高まりました。

というわけで訳者の感想

 かなりの長文となりましたが、お読みいただきありがとうございました。
歴史を紐解いていくと、チェホンヒ総裁のカナダ亡命と北朝鮮へのテコンドー普及以降、ITFテコンドーと韓国における韓国国技院&WTF&大韓テコンドー協会との対立は激化しました。

 そして、結果的にITFテコンドーが韓国本土から消えてしまいました。元記事を読んでいてもITFテコンドーに対する在日コリアンの影響というのは無視できないほど大きいことがわかります。韓国ではITFの海外普及は同じ朝鮮民族の国である北朝鮮や、在日コリアンの朝鮮総連が中心となっていたと捉えられていることが分かります。

  また、実戦性についてWTテコンドーへの失望が大きい分だけITFテコンドーへの期待が大きく、そのあたりが滲み出る文章でした。