プロダクトマネージャー1年目がインプットしてきた5つの事(振り返り)
はじめまして。別所 (@gb_pdm)です。
今回が初投稿となります。
2019.12月にSIerのシステムエンジニアから自社開発企業のプロダクトマネージャー(以下PM)に転職しました。
未経験でPMとして入社し1年が経とうとし、これまで取り組んできた内容を1度振り返りたいと思い今回noteにまとめました。
ここで話すこと
- 学習時に利用した本や参考サイトを当時の心境に沿って時系列で紹介しています。
ここで話さないこと
- PMとして成長する上での正しいプロセスやベストプラクティスではありません。あくまで振り返りなので実際に自分がやったことをそのまま書き綴っています。
- 具体的な業務内容には触れていません。PM1年目としてどういう学習をしたかが中心になります。
入社のタイミング
社内には2名のPMの方がいて、僕は3人目のPMとして入社しました。
担当プロダクトは決まっていましたが、明確な業務内容は決まっておらず、「プロダクト価値の創出と最大化」というミッションのみがある状態での入社でした。
[インプット1]技術を知る
状況
PMという未経験の業務もそうでしたが、そもそも転職自体が初めてだったこともあり期待されている成果を出せるかとても不安でした。
不安の原因を探っていくと、バックグラウンドであるはずのエンジニアとしてのキャリアにそもそも自信が持てていないことに気付きました。
前職ではPHP/Javaを中心に扱っていましたが、担当のプロダクトはRuby/Vueを利用していました。
また前職は要件定義、顧客折衝、プロジェクトマネジメントの割合が多かったので、「コードを書いていない」ことに対しての劣等感がありましたし実際にスキル不足でした。そこで「エンジニアやり直し」を最初の取組としました。
やったこと: プログラミングスクール
まずプログラミングの勉強としてプログラミングスクールに通うことにしました。いくつか比較・検討し結果として株式会社ポテパンさんの「POTEPAN CAMP」に決めました。
主な選定理由は下記です。
- 完全オンラインだったこと
- ビデオ教材ではなく実装メインであったこと
- 現役エンジニアによるコードレビューがあったこと
- Ruby/Ruby on Rails/Rspec/Docker/CircleCI/Gitが学べるカリキュラムで担当プロダクトの利用技術とマッチしていたこと
やったこと: バックエンド
合わせてRuby関連の技術書として下記も読み進めました。
やったこと: フロントエンド
Vueについてはこちらの本とUdemyの講座で学習しました。
やったこと: インフラ
インフラに関して担当プロダクトはAWSを利用していました。
「SolutionsArchitect - アソシエイト」は既に取得済だったので追加で「SysOps Administrator - アソシエイト」「Developer - アソシエイト」を取得しました。
気付き/学び
プログラミングスクールに通うのに最初少し迷いもあったのですが、結果的に技術書で地道に勉強するより遥かに効率的に学べたと思います。
他のスクールを知らないので何とも言えないのですが、「POTEPAN CAMP」はかなりしっかりコードレビューしていただいた印象があります。もしPMで技術に自信のない方は思い切って通うのをおすすめします。
またアプリケーションレベルの開発知識よりもインフラアーキテクチャ、データ基盤、DevOps、CI/CDといった知識の方がPM業務と関連する機会が多いと感じています。そのため今後はここにフォーカスして引き続き技術の勉強を続けていきたいと思っています。
[インプット2]PMを知る
状況
当然ですが「エンジニアやり直し」をしているだけではPMとしては全く成長していません。「PMとはなにか?」「PMとして自分がやるべきことはなにか」を言語化できていなかったので、「エンジニアやり直し」と並行して自分の中でPMの解像度を上げていく必要がありました。
やったこと: PMの役割を知る
まずPMの教科書・バイブルとして名高く、社内の先輩PMからも激奨された「INSPIRED」を読みました。この本でPMが取り組むべきもの、達成すべきものを理解しました。
最近読んだ本にはなりますが、こちらの2冊もPM業務を理解する上でおすすめなので紹介しておきます。
やったこと: PMに必要な能力を知る
PMの役割に加え、必要なスキルを知る上でこちらの皆さんの記事がとても参考になりました。PMは多種多様なスキルが求められるため、自身のスキルセットと今プロダクトに必要なスキルをしっかり見極め学習していく必要があると感じています。
やったこと: N=1のPMを知る
役割と必要なスキルに加えてPMの解像度を上げるためにPMインタビュー記事はとても参考なりました。
気付き/学び
よくある下記質問にはしっかり回答できるようになりました。
- 「プロダクトマネージャー」の責務は?
- 「プロジェクトマネージャー」と「プロダクトマネージャー」の違いは?
- 「プロダクトオーナー」と「プロダクトマネージャー」の違いは?
- 「プロダクトマネージャー」としてあなたは何をやるのか?
PMの方々は必ずといって良いほど皆さん個人でも発信をされていて、価値のあるアウトプット(アウトカム)を日常的にできることが結局はPMに必要なスキルなのかなと思っています。
いつか僕もインタビューされたいです。
[インプット3]指標策定と計測をする
状況
今思うと担当プロダクトはいわいるビルドトラップにはまっている状態だったかもしれません。リリースがゴールになっていて、リリース後の機能評価がチームで出来ていませんでした。プロダクトの価値を評価できるように計測する必要がありました。
やったこと
実際にはグロースの前段階である計測、評価ではあったのですがこちらの本で計測すべき指標を学びました。
実際のトラッキングはRedashを利用していて、複数のデータソースを統合しています。分析SQLは開発SQLとはまた違うのでこちらの本は参考になりました。
気付き/学び
最初は統計学や機械学習について学ぼうとしたのですが、そこまで高度な分析が必要でないことに気づきました。重要なのは分析手法ではなく「何がわかると価値がわかるのかを把握しておくこと」かと思っています。つまり適切なKPIを決めることが重要なのだと気づきました。そしてそれがとても難しいことにも。
[インプット4]ドメイン知識を深める
状況
新機能の開発、既存機能の改善を行うにもドメイン知識がないと本当に価値のある機能を作ることはできません。担当プロダクトはFacebook/LINE/TwitterといったプラットフォーマーのAPIを利用している広告プロダクトなのでこれらプラットフォーマーのプロダクト理解が必要でした。
やったこと
広告運用業務を理解するために主に下記3つを行いました。
- 社内の広告運用者向け研修の受講
- 各プラットフォーマーが提供している認定資格の受験
- 社内の広告運用者向け定例mtgへの参加
広告運用者向け定例mtgには今も週1回毎回参加しています。
認定資格についてはLINE,Facebookでそれぞれ下記資格を取得しました。
Twitterについても今月受験予定です。
気付き/学び
知識として研修や資格試験も意味はあるとは思いますが、やはり一番は実際に業務をしてみる、業務をしている人と話すことかなと思います。
広告運用する上で手間になっている部分や運用事故に繋がりそうな部分、レポーティングに必要なデータなどは実業務を通してでないと見えてこなかったと思います。
一方で目の前の課題にしか目がいかず部分最適になっていたという反省点もあります。ここについては次のインプットに繋がっていきます。
[インプット5]課題を知る
状況
10月に入り予期せずチーム移動となってしまいました。
いよいよ新機能の開発に向け動いていくぞというタイミングだったので少し残念でしたが仕方ありません。チーム移動に伴い担当プロダクトも変更になりました。
新しく担当になったプロダクトはサービス開始から1年ほど経つものの今後成長を続けていく上で何を作れば良いのかがわかりませんでした。
今後の中・長期的なプロダクトの開発方針を決める上で課題を知ることが最重要でした。
やったこと
こちらの本で顧客の理解、課題発見・検証方法について学びました。
こちらで学んだことをもとに人生初のユーザーインタビューを現在実施している最中です。
ユーザーインタビュー実施にあたってグッドパッチさんのこちらの記事がとても参考になりました。
気付き/学び
これまでは、比較的課題が明確なものについて取り組んできましたが、それではダメということです。PMはより本質的な問い、取り組むべき課題を明らかにすることが重要であることを学びました。
西口一希さんの「顧客起点マーケティング」はかなり実践的な内容なのでアクションで悩んでいる方にはおすすめです。
これから
本日紹介した5つのインプットについてまだまだ沢山勉強すべきことはあるので引き続き学習は続けていきます。
加えて今は新チームをより強いチームにしていけるようにスクラムを含めたアジャイル開発の理解やチームビルディングについても学んでいます。
最後に
最近強く感じていることはインプットではなくアウトプットが重要であるということです。もっというとPMはアウトプットではなくアウトカムにコミットしなければいけません。
インプット→アウトプット→アウトカムに昇華できてこそ価値があるので、そのことを忘れず今後もインプットを続けていきたいと思います。
以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました!