漫画脚本『魔導狂犬録:Streets of Fire』第1話『Nowhere Fast』
そこは、21世紀初頭まで現実と似た歴史を辿ったが、様々な「異能力者」達が無数に存在し、現実とは全く異なる世界と化しつつ有る2030年前後の平行世界の地球。
大阪を実効支配しているテロ組織「シン日本首都」と韓国のヤクザ「熊おじさんホールディングス」の間での武器取引のトラブルが切っ掛けで、両組織間で一般市民を巻き込んだ暴力抗争が発生……しかけたが、両組織の鉄砲玉達は何者かに拉致され……。
果たして、受刑者・看守ともに化物揃いの異能力者用刑務所で「慰問の為の5対5対決」をやらされる羽目になった小悪党達の運命は?
そして、一方のチームにのみ有利な対戦カードが組まれたのには、どんな裏が有るのか?
シーン1
馬鹿デカい地下室のような場所。アメリカの地方のプロレス会場を大きくしたような感じ。(映画「アイアン・クロー」などを参考に)
ただし、リングは無し。床はコンクリ。中央部は直径10mほどの天井まで届く筒状の金網に覆われている。
ヤンキー風・細マッチョの20代後半ぐらいの男が金網内に居る。
タンクトップとカーゴパンツに黄色い編み上げ式のハーフブーツに黒いサテンの法被を着ている。法被の襟には小型マイク、耳には無線通話装置らしきもの。
観客は男女・性別は様々だが、何故か、全員が同じようなオレンジ色の作業着風の服を着ている。
ヤンキー風の男、両手を広げた大仰なポーズをとる。
ヤンキー風の司会役のセリフと共に、これから対戦するらしい2人1組が5組、計10名描かれる。
「1対1の対決という以外は何でも有りだ」
・30前後らしい冷たい感じの女性。
・学校の女性教師を思わせる服装に白衣。車椅子に乗っている。
説明:
韓国「熊おじさんホールディングス」暗殺部隊:先鋒
コードネーム「小児科医」
得意手:後方支援系の魔法・霊能力と思われるも詳細不明。
付記:身体干渉系の魔法または霊能力を用いて、男女合せて10名以上の児童に性暴力を加えた上で殺害した容疑あり。
モヒカン刈りの20代の男。
迷彩模様の半袖の戦闘服。軍用らしい編み上げ靴。
説明:
大阪・シン日本首都「駄犬部隊」:先鋒
岡本信太郎
得意手:近代西欧オカルティズム系の魔法。主に「守護天使」と呼ばれる人造精霊の召喚。
「刃物・鈍器・飛び道具・毒物・ボディアーマー・魔法の護符・魔法に超能力に霊能力、何を使っても構わねえ」
・猪首で正方形の胴体から手足が生えているように見える筋肉質で上半身裸の男。
・ただし両手はゴツい金属製の機械式義手になっている。
・靴ははいておらず、ズボンから覗く足も金属製の機械式義足
説明:
韓国「熊おじさんホールディングス」暗殺部隊:次鋒
コードネーム「タングステン・フィスト」
得意手:義手義足を使用した近接戦闘。
短髪の20代前半と思われる男。
迷彩模様の半袖の戦闘服。軍用らしい編み上げ靴。
説明:
大阪・シン日本首都「駄犬部隊」:次鋒
中川陽斗
得意手:相手の筋肉や運動神経に強制干渉する先天的魔法能力。
「ただし、客に混ってる副審の内、25%以上が『観客に危険が及ぶ』と判断した場合は、反則負け。相手チームに勝ち点+1だ」
「要はレギュレーションやルールは、たった1つ『観客を危険な目に遭わせなきゃ何やってもいい。ただし、観客を危険な目に遭わせたなら、即・反則負け』」
・10代に見えない事もないツインテールの少女。
・ありがちな萌えキャラに見える外見。
・ゴスロリ風のファッション(韓国のそれっぽいブランドなどを参考にして描く)。
説明:
韓国「熊おじさんホールディングス」暗殺部隊:中堅
コードネーム「縛り屋」
得意手:韓国の巫堂系の魔法・心霊術。戦闘補助系が主と思われる。
ロン毛をポニーテールにしているマッチョ系の男。
黒のタンクトップに迷彩模様のカーゴパンツ。軍用らしい編み上げ靴。
説明:
大阪・シン日本首都「駄犬部隊」:中堅
池田達也
得意手:鬼化能力。「邪気」を使用した近接戦特化タイプの魔法・心霊系の攻撃。
付記:池田達也とは本来の肉体の持ち主の戸籍上の名前であり、現在は異界の悪霊または魔物に体を乗っ取られ、本来の「池田達也」の人格は消滅している。
「自分が戦闘継続可能な状態で相手を死亡または戦闘不能にすれば自チームに勝ち点+1」
「ギブアップまたは味方からのタオル投入で相手チームに勝ち点+1」
「両者ともに戦闘不能または死亡の場合は、どちらのチームも勝ち点±0」
・小柄なチンピラ風の男。
・ノーネクタイだが、高級そうなワイシャツ・マオカラーのジャケット・革靴。
説明:
韓国「熊おじさんホールディングス」暗殺部隊:副将
コードネーム「クズリ」
得意手:獣化能力。
ボサボサ気味の髪の30代の男。
ノースリーブ・Vネックの黒いTシャツに迷彩模様のカーゴパンツ。軍用らしい編み上げ靴。
説明:
大阪・シン日本首都「駄犬部隊」:副将
山崎靖実
得意手:気功を併用した近接戦闘術。
「なお、大将戦の決着が3分以内についた場合、大将戦の勝者が希望すれば自チームと相手チームの勝ち点を入れ替える事が出来る」
「最終的な勝ち点が上のチームの生き残りのみ釈放する」
・大柄でスキンヘッド、眉も剃り落している人相の悪い男。
・上半身裸に革エプロン。白いズボンに編み上げ靴。
・両手には大型の肉切り包丁。
説明:
韓国「熊おじさんホールディングス」暗殺部隊:大将
コードネーム「肉屋」
得意手:単なる近接戦闘が異様に強いだけの非異能力者。
四十代ぐらいの口髭に冴えない風貌の小太りの男。
迷彩模様の半袖の戦闘服。軍用らしい編み上げ靴。
説明:
大阪・シン日本首都「駄犬部隊」:大将
海森龍雄
得意手:何らかの異能力を持っているらしいが不明。部隊内では戦闘に役に立たない能力との、もっぱらの噂。
最初のコマの黒の法被のヤンキー風の男
「最後に1つ。ここの受刑者達は娯楽に飢えてる上に、てめえらの1人や2人、一瞬で八つ裂きに出来る奴などゴロゴロ居る。ちゃんと客を楽しませねえと、てめえらの命は保証出来ねえと思え」
上記の山崎靖実が大写し。
ゲンナリした表情。
「おい、何で、こんな事になっちまったんだよ?」
タイトルページ
駄犬部隊5名+同じ戦闘服を着ている、神経質そうな眼鏡の男。
「一見すると格好いいのに、どことなく、わざとらしい」感じを希望。
シーン2
会議室らしき場所。
シーン1の駄犬部隊の5人+タイトルページの男と30ぐらいの七三分けの髪型の男。
5人は迷彩柄の戦闘服。残り2人は軍服だが戦闘用ではなく平時のデスクワーク用らしい服(韓国映画に出て来る北朝鮮の礼装の軍服を参考にデザイン)。
部屋は暗く、プロジェクターがスクリーンに画像を写し出している。
画像の内容:
椅子に縛られた裸の男の死体(30半ば。サラリーマン風)。
口には何かの肉片らしいものを咥えさせられ、股間からは大量の出血。
股間の出血以外、傷は見当らないが、足下には大量の血。
場所は中程度の高さのビルの屋上らしき場所。空は夏の晴の日の早朝を想定。
蠅らしきものが死体にたかっている。
胸には意味不明な平仮名がタトゥーで彫られている。
死体の胸のタトゥーの内容:
『ぱせぷす みぴらぷ ざ うふろみ ぞ ぢぷり』
『へろとろ らづれすじ みさんば よ づだびべどさ』
七三分けの男
「被害者の胸から腹に彫られてる文字は、諜報部門で使ってる簡易暗号だ。ただし、暗号強度はクソ低いんで、緊急時以外の使用はNGになってる」
主人公(山崎靖実)
「解読出来たんですか?」
七三分けの男
「ああ」
ノートPCのマウスを操作するとスクリーンの画像が、解読後の文字列に切り変る。
『これから ふくおか の だざいふ に むかう』
『せいぜい おまえらの ふろんと を まもってみろ』
主人公独白
『そっちが専門じゃねえ、俺でも暗号として問題大有りなのだけは判る』
『たしかに、余程の緊急時以外は、恐くて使えねえ』
『解読前と後で、文字数が完全に同じだ』
七三分けの男
「場所は、韓国の釜山に有る我々のフロント企業が1フロアを借りている雑居ビルの屋上。被害者は、そのフロント企業の社員。致命傷になったのは、後頭部から延髄にかけての傷。使われた刃物の種類は不明。彼以外の社員は全員行方不明。で、現地警察は発表していないが、死体の付近には、こんなモノが置かれていたらしい」
スクリーンの画像切り替わる。
鮭らしい魚を咥えた熊の木彫り。
池田達也
「判った。殺人犯は、最近、北海道に観光旅行に行ったんだ」
七三分けの男、頭を抱えながら
「違う」
「韓国の犯罪組織『熊おじさんホールディングス』の仕業だ。地元警察も、韓国有数の犯罪組織と真正面から喧嘩するには相応の準備が必要である以上、奴らの仕業だと示唆する情報を公開出来ないようだ」
池田達也
「なるほど。人間界の政治ってのはややこしいな」
海森龍雄
「で、儂等は何をすればいいんですか?」
七三分けの男、頭を抱えながら
「どう考えても罠だから、お前たち、囚人部隊を送る」
「九州の太宰府まで行って、我々『シン日本首都』のフロント企業を守れ」
主人公
「大体、何で、ウチに武器を売ってくれてる組織が、こんな真似しでかしたんですか?」
七三分けの男
「機密情報だ」
「あと……」
主人公独白
「やな予感しかしねえ……」
七三分けの男
「都合により銃弾は最小限しか支給出来ん」
「まぁ、お前たちなら、飛び道具無しでも何とかなるだろう」
「囚人部隊とは言え、ほぼ全員が特異能力者だからな」
唖然となる主人公達5人。
主人公
「あの……『熊おじさんホールディングス』の『武闘派』の下部組織って、特異能力者が山程居るって話じゃ……?」
七三分けの男
「安心しろ」
「心強い味方を同行させる」
「お前たちの部隊付きの『准玉葉』だ」
「彼の精神操作能力が有れば、どんな特異能力者でも恐るるに足らずだ」
眼鏡の男、「えっ?」という表情になる。
主人公独白
「1つだけ言える事が有る」
「当分の間、フェ○○オのシーンが有るAVを見たら、俺の玉も竿の縮み上がるだろうって事だ」
シーン3
更衣室らしき部屋。
中川|陽斗
「あの……これ、何ですか?」
主人公(下半身裸。手には大人用オムツ。上半身は軍用の戦闘服)
「見りゃ判るだろ、大人用のオムツだよ。さっさとズボンとパンツ脱いで、それを付けろ」
中川|陽斗
「副隊長、どうなってんですか?」
主人公(大人用オムツを装着中)
「だから、大阪の外に出るまでトイレ行けねえんだよ」
中川|陽斗
「はあッ?」
主人公(ズボンを吐いてる最中)
「トラックに乗って九州まで行くの。だから、トイレ行けない」
中川|陽斗
「トイレ行けない、って、トラックのどこに乗るんですか?」
主人公
「コンテナの中だけど」
中川|陽斗
「冷房は?」
主人公
「ねえよ」
中川|陽斗
「今、夏ですよね?」
主人公
「馬鹿でも判る事を聞いて何の意味が有る?」
中川|陽斗
「殺す気ですか?」
主人公
「飲み物は自分で用意しろとさ。駐車場の自販機で買えるだけ買っとけ」
中川|陽斗
「あの、何で、この暑い最中に冷房の無いコンテナに何時間も乗せられるんですか?」
主人公(自分の服の胸の辺りを掴んで)
「大阪の中ならともかく、この服で車に乗ってんの見られたら怪しまれるだろ」
中川|陽斗
「最初から普通の服用意すりゃいいでしょッ?」
主人公
「安心しろ。そこは抜かりなくやってる。経路沿いに有る洋服屋は一通り洗い出してる。そこを襲撃して偽装用の服を入手する」
中川|陽斗、大人用オムツを床に落として呆然とした表情(ギャグ風)になる。
シーン4
駐車場らしき場所だが地面は舗装されていない。
何台か車が有るが、ほとんどがモスグリーンの軍用車風の塗装でアウトドア仕様らしい車。(軽からバンまで様々)
その中に1つだけ大型トラックが有る。
山程のペットボトルを抱えた背に大きな荷物を背負った岡本信太郎、トラックの運転手と助手らしい中年の女性2人組を指差そうとして、ペットボトルを盛大に落とす。
岡本信太郎
「うわああ……」
海森龍雄
「何やっとんじゃい?」
岡本信太郎
「で……でも、こいつら、たしか手配書か何かで……」
海森龍雄
「脱大ブローカーじゃが」
岡本信太郎
「えっ?」
それを眺める主人公。
背には軍用らしいリュックに両手には大量のペットボトルが入ったトートバッグ。
主人公モノローグ
「00年代に起きた第2次朝鮮戦争……通称『7日間戦争』までは存在していた旧北朝鮮」
朝鮮半島の地図の絵。国境線は現実のものに準拠。
主人公モノローグ
「その北朝鮮って国から逃げようとした奴らを手助けした『脱北ブローカー』って連中が居たらしい」
熱帯の森林らしき場所を抜けようとする夏服のアジア系らしい家族の絵。
主人公モノローグ
「朝鮮半島を韓国側が統一して、平和が勃発しちまったせいで、韓国の保守派・タカ派の政治家どもと一緒に飯の食い上げになったそうだが……でも、そいつらのある意味で『子孫』が、この大阪にも居る」
「通称『脱大ブローカー』だ」
海森龍雄
「だから、他の小隊が逮捕した脱大ブローカーじゃよ」
「こいつらに秘密裏に九州まで連れてってもらう」
岡本信太郎(落としたペットボトルを拾いながら)
「待って下さい、何がどうなってんですか?」
眼鏡の男(准玉葉)
「安心しろ」
主人公モノローグ
「こいつは、この大阪で、警察の特殊部隊や軍関係の各部隊に配置されてる政治将校、通称『准玉葉』の1人だ」
「10年ばかり前の富士の大噴火で、皇族ほぼ全員が行方不明になった」
「その為に、大阪政府は生き残った旧宮家の奴らの遺伝子と精神操作能力者なんかの特異能力者の遺伝子をかけ合わせて、天皇家の血と強力な精神操作能力を持つ『理想の統治者・シン天皇』を生み出そうとしている」
「そして、こいつらは、シン天皇を作り出す為の遺伝子を提供した精神操作能力者の1人で、役目が済んだ奴らの再就職先が、軍や警察の『御目付け役』って訳だ」
眼鏡の男(准玉葉)
「こいつらには、小職が精神操作を行なった。小職に逆らう事は無い」
と言ってる准玉葉の背後で中指を立てている「脱大ブローカー」。
主人公モノローグ
「と、このマヌケは言ってるが、今、大阪から逃げ出してる奴らは、精神操作能力が効かない連中で、かく言う俺達『駄犬部隊』の戦闘要員の大半も、様々な理由で精神操作能力への耐性持ちばかりだ」
「こいつは、その事実から目を逸らし続けてる」
「まぁ、俺達も面白半分に、その現実逃避に付き合ってやってるが……このロクデモない任務では、どうなる事やら……」
シーン5
トラックのコンテナを改造した場所。
一応の座席は有る。(横長のもの)
それに座っている一同。
岡本信太郎、上半身裸で滝のような汗を流しながら、ゲラケー風の携帯電話に話しかける。
「ねえ、少し、休憩……」
携帯電話からの返事。
「うるせえ。運転中に話しかけんな。事故って死にたいか?」
岡本信太郎
「ねえ、お得意の精神操作で、運転席の連中を何とかして下さいよ……」
准玉葉、ビニール袋の中にゲロを吐きながら
「今、精神集中が出来んから、後でやる」
池田達也
「役立たずが……」
准玉葉
「何だと……ウギャッ‼」
岡本信太郎
「池田さん、やめて下さいよ。元に戻すの面倒臭いんで……」
池田達也
「ああ、すまねえな」
主人公モノローグ
「池田は人間のフリを楽しんでるだけで、精神は異界の悪霊だ。人間用の精神操作は基本的に効かねえ上に、精神操作への『呪詛返し』をやられると……」
准玉葉、口からゲロをたらしながら、惚けた表情。
主人公モノローグ
「ああなる……」
海森龍雄、ガラケー風の携帯で電話。
「おい、運転手さん、病人が出た。適当な所で休憩……ん?」
シーン6
海森龍雄
「全員、シートベルトをしとるかッ⁉」
中川|陽斗
「だ……だいじょうぶのは……あああ……腹が……腹が……」
主人公
「我慢しろッ‼」
岡本信太郎
「いつまで我慢すりゃ……あわわわわ……助けて……痛い痛い」
主人公達が居るコンテナを積んでいるトラックは暴走状態の模様。
主人公達の体に無茶苦茶な加速が加わっているような描写。
シーン7
曲りくねった山道で、トラックを追うパトカーと白バイ。
パトカーはSUV風のゴツい外見。
パトカー
「止まれ。止まらないと撃つぞ」
トラックの運転席の2名(シーン4の脱大ブローカー)
「どうする?」
「コンテナの中の奴に任せるか……あ〜、あたし、あんたらの前走ってるトラックの運転手。大人しく投降するんで、あたしらの身の安全を約束して欲しい」
パトカーからの返信
「おい、待て、何で、警察無線にアクセス出来る?」
運転手
「詳しい事は、あとでゲロしてやんよ」
シーン8
池田達也
「お……おい……そのマヌケを何とか……」
准玉葉、ゲロを撒き散らしながら宙を舞う。
主人公
「おれが……やる……。あああ……」
池田達也
「どうした?」
主人公
「ベルトが外れね……ん?」
進行方向と反対側への加速度が全員に働き、准玉葉はコンテナの後部ドアに叩き付けられる。
コンテナの後部ドアが開き……。
「うわあああ……何だ、こりゃッ⁉」
准玉葉が吐いたゲロを浴びる機動隊風のプロテクターを付けた男。
海森龍雄
「だ……誰?」
機動隊員風の男
「特務機動隊だ。シン日本首都への密入国の容疑で全員逮捕する」
シーン9
大阪市内。
何台ものパトカーが警察署にしては小さいが、交番にしては大きい建物の前に停車中。
そのパトカーの中から引きずり出される主人公とトラックの運転手2名。
トラックの運転手の1人
「役立たずが……」
主人公
「うるせえ」
主人公チーム、全員、手錠に腰縄。
建物内に連行される主人公達と、それを連行する機動隊風の男達。
主人公モノローグ
「こいつらは、警察の中でもエリート部隊『特務機動隊』だ」
「同じ特殊部隊とは言っても、存在を表沙汰に出来ない俺達とは違って、善良な市民のヒーロー様だ」
「ただし、『シン日本首都』内限定の……」
池田達也
「……ったく、大阪から出る筈が、最初からやりなおしかよ」
機動隊員
「何を言ってるんだ、お前? お前らは、この素晴らしい『シン日本首都』に密入国しようとした不法移民だ」
池田達也
「……あっ?」
機動隊員
「とぼけていられるのも今の内だ。1時間しない内に、全てを自白する事になるだろう。その後は強制労働だ。殺しはせんからありがたく思え」
主人公モノローグ
「あ……マズい……。こ……この馬鹿ども……まさか……。知らねえぞ……この後、どうなろうと……」
第2話
第3話
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