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(日記)20250123才能のタマゴとニワトリ

人は自分の力を信じてもらえると、その気になって、何もないところから本当に才能を開花させることがある。長男の絵画がそんな感じで、驚いている。

長男は小さい頃から言語化が苦手で、幼児期は癇癪持ちで手のかかるタイプだった。
自分の感情を上手く伝えられず、本人もイライラが溜まる。そうなると悪循環でどんどん周囲との関係はうまくいかなくなる。
長男には言葉以外の表現方法が必要だ。将来お金になるかどうかではなく、自分の感情の出口として排水できる手段を持っておくときっと人生の助けになる。

長男は、今でこそ絵がうまい。
(もちろん、9歳にしては、という意味で。)

しかし最初はうまくなかった。
写実的な技術は皆無で、その意味では周りよりずっと下手だった。
奇妙な絵を描いていた。

赤と黒だけのおどろおどろしい抽象画。
殺し合い、人が死ぬ絵。
複数の視点がミックスした不思議な構図の絵。

暴力的なコンテンツや期待される秩序に沿わない表現は、反射的に禁止したくなる。しかし、創造の世界はもっと自由だ。
天才!と言いたいところだが、そうでもなく、ただ空気を読んで、予定調和な答えを出せないタイプだったんだと思う。本人は周りと同じような正解を出したいのだが、暗黙のルールが読み取れない。代わりに愛想笑いを早く覚えた。

ともすればフキンシンな絵だったが、アートの世界で人と違うことは価値があることに違いない(そうだと良い)。「君には才能がある」と言って褒めた。描いてきた絵を立派だと言って飾った。

すると、「僕は才能がある。絵がうまいんだ」と思い込みはじめて、どんどん画力が上がっていった。

親の言葉の影響は時に大きい。
長男に才能のタマゴがあったのかは分からない。(いま現在も特に何者にもなってはいない。)
不思議だ。

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