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サービスエリアに置き去りにされた話
この話の続き。
2013年8月
熊本でピストの大会が
開催されることになった。
徳島のシオカゼストアに集合して
ハイエースに4台のピストをのせ。
徳島から
福岡に向かった。
福岡で一泊した。
自転車でトリックをする人たちは
ほとんどがあっち側(外向型)の世界の人。
僕はずっとこっち側(内向型)。
だから夜はクラブへ行くことになった。
僕はあまり行きたくはないというか、
クラブに行って何をするのかわからない。
知らない人と話すことも苦手で
ましてやほとんどの人が
なんかいけてる感じ。
とにかく苦手だ。クラブという場所の楽しさを
感じたことは一度もない。
いや、本当はそういう人たちが羨ましい。
そっちに行ってイケてると思われたいと
当時22才の僕は思っていたのかもしれない。
でもそーいうところで何を喋ればいいのかもわからないし、どういう立ち振る舞いが正解なのかもわからない。
みんな一緒に行くので
僕だけ行かないというわけにも行かず
ついていった。
何かあっち側の人同士がグータッチして
握手したりしている。
のをただ見ていた。
翌日熊本の会場へ向かった。
動画でしか見たことがない海外のライダーたちがいる。レッドブルの大会にも出ている人たち。
テレビの中の人を見ている気分だった。
bmxのように人口が多くないからこそ、
世界のトップとこんなに近い位置で
同じ大会に出られる。それは幸せなことだった。
主催者には感謝したい。
結果は
26人中で17位。全然だったが
一緒に遊んだことのない人と
同じ空間でピストに乗れることが
シンプルに楽しかった。
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一日中乗ってその日に帰るという
予定だったので帰りの車では
全員疲れ切っていた。
終始無言だった。
サービスエリアで少し休憩。
トイレに行って帰ろうとすると
車がない。
イタズラか?と一瞬思ったが
どこを探してもいない。
一瞬で頭が真っ白になった。
スマホも車に置いたままだ。
え、置いて行かれた?
でもすぐ冷静になった。
すぐ気づいて帰ってくるやろ。
結構な一大事のはずだが
そんなことより疲れてて眠い。
飲食コーナーに
ちょうどいいソファがあったので横になった。
どのくらい経ったのかわからないが
起こされた。
30分くらい走ってから
気づいたらしい。
ちょっと寝たので、僕は元気になっていたが
他のメンバーはすまんと言いつつも、
イラついた顔をしていた。
何かごめん、と思いながら、
黙って運転席に座り、
徳島まで残り3時間くらいを運転して帰った。
一応いるけど存在感があまりない。
この輪には自分がいてもいなくても
対して変わりはない。影響力のなさ。
小学校の頃から思っていた自分の特性が
ここでも出た。
そんなこともあったので徳島に着いたのは
朝だった。
徳島で自分の車に乗り換え、
香川まで帰り、1人でゆっくり仏生山温泉に入って
家に帰った。
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何もない人生やなーと思ってだけど
振り返ると色々ある。と気づき始める今日この頃。
そんなところで終わりにすることにする。
ほなまた。