ブラック企業その1
もうかれこれ10年以上前に勤めていたとある会社の話である。
まだ社会人になって間もない私は、仕事をして学び、成長しながら給料がもらえることに喜びを感じていた。
わからないこともだらけだったが、丁寧に教えてくれる上司もおり、居心地は悪くない、むしろよかった。
だが入社してしばらくして、こなせる業務が少し増えてきたころにそれは起き始めた。
サービス残業である。
昔の中小企業あるあるだろうが、残業代がビタ一文も払われなかった。
午前9時に始業、18時で定時となるが、このサービス残業は徐々にエスカレートしていき、時間外労働時間だけで週に45時間以上していた。
想像を絶する世界である。
深夜0時に退勤したら、「今日は早く終われた」そういうレベル。
土日出勤も当たり前。
月間の労働時間は300時間over、でも基本給18万のみ。
くどいようですが、時間外手当、休日出勤手当など一円もない。
それでも仕事は楽しく?こなしていたが、ここで時間が起こる。
直近の上司が蒸発したのだ。
パソコンのデータも全て削除済み、風のように去っていった。
この労働環境ではしかたないだろう、と思いつつ、自分は転職(正確には専門学校へ通う)を決意して退職に至ったのである。
現代では考えられないような企業だが、今も中小企業はこのような実態がたくさん隠れているのではないかと思う。
この経験が、今後の人生の支えや価値観の元になったのは言うまでもない。
ブラック企業2へ続く