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トポロジー星人

トポロジーに思いを馳せていたら、トポロジーは星新一のショートショートに出てきそうな題材だなと思いました。

トポロジーとは空間や物体を形状や大きさに依存しない連続的な位置関係に焦点を当てた学問である。

トポロジーに基づけばマグカップとドーナツは同じ形である。穴が一つ空いていて、切ったりせずに粘土のように形を変形すればマグカップはドーナツになるし、ドーナツはマグカップになる。

トポロジーにとって穴の数は重要である。

トポロジー星人はみな姿が違う。
彼らはトポロジーによって同族を判別するのだ。
宇宙船の形も一見するとバラバラな、トポロジー的には同じ見た目をしている。

ある時、地球に出会ったトポロジー星人

「どうやらこの星には我々の同胞たる生命体はいないようだ」

「いや、待ってください。我々の同胞を見つけました。
人間です。」

「人間が我々と同族になるには穴が二つほど足りなかったはずだが。」

「この個体は耳に2つ穴が空いています。普通の人間より穴が多いです。」

「他の個体も調べてみよう」

「舌に一つ穴がある個体も発見しました。おそらく彼らは進化の途中にあるのでしょう。」

「年月が経てば彼らのトポロジーも我々に追いつくのだろうな。」

「はい、次にここを訪れるのは、周期から言って一万年後になりそうです。」

「一万年後、我々の同族を迎えるのが楽しみだな。」

こうして誰にも気づかれることなく、奇妙な形の宇宙船が静かに去っていった。



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