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標準三票~工程別能力表

 標準三票の最後は工程別能力表。
 標準作業組み合わせ票、標準作業票が、人の受け持っている作業を表現するものに対し、工程別能力表はその作業(者)の集合体(ライン)の作業時間を表現します。

 例えるとすれば、自動車の組み立てラインをイメージしてみてください。
コンベアで流れてくる自動車を人が自分の受け持っている作業を流れに合わせて行っている光景です。

 ライン上のそれぞれの作業を可視化し、そのネック工程を明らかにするのが工程別能力表の主な機能です。

工程別能力表例

工順

工程の順番を記入します。

工程名称

工程や加工の内容を記入します。

機番

設備名称や機械番号を記入します。

基本時間

手作業、機械時間、合計時間を記入します。機械稼働と並行して行う手作業時間は含めません。

刃具

 段取り替え時間を意味します。
 個数は段取り替え周期を意味します。つまり、何個作業したら段取り替えを行うということを表現しています。

加工能力

1日に加工できる能力を個数で記入します。

加工能力=1日の可働時間÷1サイクル当りの時間✕1サイクル当りの個数

工程別能力表の読み方

 前述の通り工程別能力表はライン上の個々の加工能力を示しています。ライン上、最も小さい加工能力がライン全体の能力となるので、能力向上を目的とする場合、このネック工程をターゲットとして改善活動を行います。
 その工程単体の能力を上げる、前後工程との作業配分を見直すなど、内容はケースバイケースですが、各々の事情に合わせてアプローチしてみましょう。

装置産業での活用

 工程別能力表は基本的にタクトタイムに合わせたラインの行程能力を評価するため、装置産業のようなタクトタイムの概念が薄いケースでの使用には向いていません。
 使用するケースとしては、流れる製品、ロットサイズ(作業個数)が揃っている工程間で部分的に使用する場合でしょうか。使用する機会は少ないですが、工程能力を流れとして捉えるというのは業界問わず重要な視点ですので、概念だけでも改善活動に取り入れてみてください。

 今回で標準三票の説明は終わりましたが、装置産業の改善活動を行うのにいくつか便利なツールと使い方があります。次回以降、続けてそれらを解説していく予定です。


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