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標準三票~標準作業票

 前回開設した標準作業組み合わせ票は、作業者一人が受け持っている作業の流れを見える化したものですが、標準作業票は作業者の動きを具体的に表したもので、組み合わせ票と対になる帳票です。

図1.標準作業票例

 上図のように、作業者の動線を記載するだけでなく、さらにそれぞれの機械で注意すべき点のマークも記載します。(品質チェック、安全注意)

標準手持

 「標準手持」という言葉、聞きなれないと思いますので補足します。
標準手持とは、その機械に置かれる粗材を置くことを意味します。つまり、「●」と記載された設備には素材が1個あるということです。

 自働機の場合、加工中は粗材に触れないため、1つの素材を順番に加工していくと、都度、機械の加工待ちが発生してしまいます。

図2.標準手持の効果

 標準手持がない場合、作業者は粗材の加工しながら進めるため機械が加工している間に手待ちが発生してしまいます。(図2 上図)
 標準手持があるということは、図2 下図のように機械を起動させたら次の作業へ移ることができます。つまり、標準手持がある場合の作業者は、素材をセットして機械を起動させ(ここまではない場合も同じ)、加工が終っている素材を持って次の機械へ移動するということです。

 トヨタ生産方式と聞くと「在庫を持つことは悪いこと」と受け止めている方がいると思いますが、悪とされるのはムダな在庫であって、必要な在庫まで持ってはいけないということではありません。

 現在の仕組み、実力の中で持たざるを得ない在庫は必要な分だけ持ち、改善で減らしていけばよいのです。

装置産業における標準作業票の活用

 標準作業票は組み合わせ票とセットで、新人教育のためのテキスト使われます。ただ、装置産業の場合、大型設備で行動範囲が広く、作業も多いため、一枚の票ですべてを網羅することは難しいケースもあると思います。

 全体像、細部を分けて記載するといった工夫を凝らし、自身の現場に合わせたものを作成してみてください。


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