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標準作業組み合わせ票~装置産業編②

今回はいよいよ装置産業の作業をどのように標準作業組み合わせ票に表せばよいのか、私なりの表現方法で説明します。表現方法は人それぞれなので、「こう描かなければいけない!」ということはありません。ご自身が理解しやすい表現方法を私の票を元にしてブラッシュアップしていってください。

作業例

今回描く作業は、私がいる業界で一般的なものを採用します。
コイルと呼ばれる数十~数百mの板材をロール状に巻いたものを、巻きほぐして処理する設備です。

作業を細かく分けすぎると流れが見えづらくなるため、今回は、「材料をセット」~「完成品を置き場に置く」まで、5つに分けます。

また実際の作業は入側、出側担当の2名で行うことが多いと思いますが、票を分けてしまうと流れが伝わりづらくなるため、一連の作業を一人で行うものとして描いています。(図1)

図1.作業例

標準作業組み合わせ票で表現する

この作業を私が標準作業組み合わせ票に表現すると図2になります。

図2.標準作業組み合わせ票例

青線が人の仕事、点線が機械の仕事を表しています。白線は人が待っている時間(手待ち時間)です。自動運転が始まると人は手が出せないため終わるまで待ちが発生するという意味になります。

これを見て違和感を感じる方はいらっしゃるでしょうか?
違和感を感じた方は人の手待ちがこんなにあるはずがないと感じたのではないでしょうか。

実際の現場では定常運転に入り人の手が不要になると、作業者はその時間を次の作業の準備などに充てているので、作業者は絶えず忙しく動いています。

しかし標準作業組み合わせ票は主作業を表現するものですので、付帯作業を省くとこのような手待ちの多い作業になってしまうのです。

この付帯作業を表す方法は「山積み票」というもので表現します。

標準作業組み合わせ票の活用方法

標準作業組み合わせ票は基本的に、まず現状を描いてターゲットを決め、改善の結果を追記して、T.T(タクトタイム)に作業が収まるかの評価に使います。

しかし、装置産業の場合、一つの設備で様々なC.T(サイクルタイム)の材料を処理するのでT.Tを基準にすると物理的に不可能な材料もでてきます。従って私の場合、標準作業組み合わせ票を改善効果の評価指標と割り切って使っています。(もちろん、T.Tの概念が適用できる場合にはT.Tも記載します)

まずは作業を図2のように大枠で捉え、目星をつけた作業のみ細分化した組み合わせ票を別に描いて、改善のターゲットを絞って対処していくという手法です。

まずは身近な作業を題材に、標準作業組み合わせ票を描いてみましょう。いろいろなパターンを描いてみることで自分なりの描き方ができてくると思います。

そして標準三票2番目は「工程別能力表」です。
その前に次の記事では前述の「山積み票」について綴っていこうと思います。

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