春雨
雨の音、ききに来ない?
1分後にいた部屋は、暗くて、狭くて、どこか完璧すぎていた。
2回目の春、私はここにいます。
ピアノの流れが窓の空気を通して、淡い土色の外壁に当たる陽は、
全く違う完璧があることを教えてくれました。
1つの完結した体に、その完璧をしみこませながら、
暗い時間帯を今生きているあなたの、皮膚の温度を忘れたことを、思い出しました。
月を見て、同じ空の下にいると思う。
そんなの、嘘でした。
それよりただ、夜の柔らかい雨の音だけが、
あの時、たしかに肌が触れていたことを、繋ぎます。
完璧って何でしょう、何だったのでしょう。それはそうと、
今日も、快晴です。