政策介入インパクトを測るサイエンス(手法)
私個人の生きてきた偶然のストーリーが重なった結果、インパクトを測定するための手法としてのサイエンスがマイブームとなっている。
この新たにサイエンスが自分の目に止まった時のワクワクする感覚は、知らないエリアに迷い込んでしまい、歩いている中で、たまたま素敵なカフェを見つけ、「こんなところに、こんな素敵な場所があったんだ!」という感覚に近い気がする。素敵さをプロデュースしている人たちへの尊敬と感激のようなものが入り混ざった感覚だろうか。
そんなこんなで、物理的な店なら写真などで残せるのだが、サイエンスはコンセプチャルな世界なので、言語で見つけた世界を残してみようと思う。
私たちは、様々な分野でインパクトを測ろうとしてきた
人間という歴史の中では、インパクトを定量的に測りたいという思いは、ずっと持ち続けられてきたテーマである。
実際に、インパクトを与えそうな行動を起こす前、起こした後に、測りたいと思ってきたのだ。
なんらかしら行った“良き結果を狙った行動”のインパクトを事後評価する
なんらかしら行いたい“良き結果が出そうなこと”のインパクトを事前にシミュレートする(この問題が解決できた時のインパクト予測)
インパクトを測ろうとしてきた人類の歴史
インパクトを図る歴史は、医療から始まったようだ。医療から始まった実験的な測定方法(RCT)が、「因果推論」として汎用的な理論となることで、今は、実証経済学、教育、環境汚染、公共交通政策、犯罪予防対策、開発経済など、様々なところで利用されいてる。
分野によって違うインパクト測定方法は違う
インパクトを測ると一口にいっても、分野が違ったらその分野でメジャーなインパクト評価手法(モデル)は違うようである。
医療 : RCT、潜在アウトカム、傾向スコア
実装経済: 因果推論
公共交通: 費用対効果、時間価値モデルなど
犯罪予防: ベイジアンネットワーク
教育 : RCT、傾向スコア
開発経済: RCT
環境政策: 水質、地質、大気、気温などそれぞれの分野ごとのモデル
最近きく”EBPM”は、ドメイン共通プロセス
最近出てきた政策をエビデンスベースで評価する「EBPM( Evidenced Based Policy Making)」は、ドメイン固有の部分ではなく、大まかに各ドメインに共通する政策決定前や後にデータを持ちいて定量的に効果検証するプロセスのガイドライン(PDCA)や、ドメイン共通で利用できる統計的な効果測定手法(因果推論等)をまとめた概念だ。
日本における政策の効果検証は、各省庁のドメインい詳しい専門家を交えて事前事後の政策評価が実施される。
上記の情報は、内閣府がまとめたEBPMガイドブックから取得。
とても体系的に方針や手法がまとめられている。
しかしながら、私たちは、人間は不確かで予測不能な部分もあり、実験できれいに測れないけれど、効果が”ある” というものもある
政策の事後評価の課題
政策を行って最終的なインパクトは、当たり前ながら、人間の日々の仕事、生活に息づき根付いてこそあらわれる。
政策の中には、初期の1回やって、その後は放ったらかしで、人間の活動に息づいておらず、本当の意味で、インパクトが出ていないというようなものがある。
データでは測れないけど、確かに手触りのある人間同士の関わりから生まれるプロセスデザイン手法が、デザインとコンサル分野から生まれている
人間の関係同士から生まれる見落とせない重要な要素については、デザインやコンサル分野から新しい地方創生の試みが行われているようである。
私のつたない文章力では伝えられないが、以下の動画を見れば、人間の関係性をデザインするとはどういうことで、どういう意味あるのか?。
そのニュアンスがわかる。
今後の興味としては、以下のようなことを調べてみたい。
UNDPのポートフォリオアプローチの政策や、地域創生のような人の関係性など数字で測ることが難しいようなエリアにおいて、どういうふうに効果を測定できるだろうか?
世の中の政策には、なぜそこに目をつけるのかが語られないまま、政策だけがドーンと提示されているような現象がたくさんあるように思う。
(選挙ポスターで給食無償化という政策を見ても、多くの課題がある中で、どうして、そこなのか?というのがわからなかったりする)。ちゃんとデータで効果を測った上で行う政策とはどのようなもので、どのようなプロセスで進むのか?