風間やんわりの視点→特殊なコンビニ店員
風間やんわり、というギャグ漫画家をご存じだろうか。
25年くらい前だろうか、ヤングマガジンにて代表作「食べれません」という4コマ漫画を連載していた。随分と長く連載していた記憶がある。内容は筆舌に尽くしがたいというか、破天荒な人や不条理な人が普通の人を困らせたりするものが多い、と言えば正解だろうか、とにかく好きな人にはたまらん漫画だった。作者は若くして亡くなってしまった。確か酒の鯨飲によるものだったはず。
こうやって書くと自分が漫画好きに思えるが、週刊漫画雑誌を買ったことは10回もないと思う。中学高校はジャンプやヤングマガジンを電車通学で一緒だった友人に見せて(読ませて)もらっていた。しかも購入した本人よりも先にである。
このやりくちは巧妙で、「お前は雑誌の所有者だから家に買っても読めるじゃん?でも俺は読みたい漫画は2個ぐらい。先にぱぱっと読ませてもらえば4駅乗ってる間に読み終わって返せる。つまり4駅先のキオスクで買ったと思えばいいじゃん。だから俺が先に読むわ」と言って、キオスクで買ったばかりのヤンマガを取り上げていた。ひどい話である。
友人とは部活も一緒だったので、行きがダメなら帰りに読ませてもらう。しかし行きも帰りも一緒にならないとき。その時は買う。でも定価では買わない。どうするか?
他の駅は知らないが、25年前の夕方の渋谷駅には新聞雑誌の市がたつ。ホームレスと思しき人々が駅前にベニヤの屋台を出して、その日発売の雑誌や新聞を平積みにして100円で売るのだ。今で言う即席のブックオフである。
朝買って読み終わった雑誌や新聞を拾ってきたり、売りたい人から安く買い叩いたりして、それを100円程度で帰宅する学生やサラリーマンに売るのだ。これが意外と飛ぶように売れる。
誰が手に取ったかも、どこにあったかもわからないヤンマガを抵抗なく読めてしまう。そういう時代だった。インターネットもないし。朝は新聞、夜はテレビ、深夜はラジオ。
話を戻すと風間やんわりの漫画に「たもっさんの時間」という作品があり、内容は説教が得意な持てない男性(たもっさん。説教ハ段か8級)がいろんな店員や業界に難癖をつけて…というやはりショートギャグマンガである。
そのたもっさんが、住まいのアパートを引き払うエピソードがあり、そこで大家とひと悶着する。
たもっさんは敷金返金して欲しいが、大家は部屋をごみ屋敷にされ(テレビの取材も来た)、次の借り手も見つかりそうもないから敷金返金はない、と言う。
そこでたもっさんが一言。
「俺ら庶民はアンタ(大家)に家賃払うために頭下げて仕事してんだよ!あんたらはそういう苦労金を収入源にしていることが分かっているのか!」
見事なまでの論旨のすり替え(ごみ屋敷にした罪はどこへ?)ではあるが、一理ある。国民一律10万円給付のニュースでこの話を思い出したので書いた。無借金で徳の高い大家さん、ぜひ店子さんのために10万円使ってくださいよ。
大家を評価する口コミサイトなんかできたら面白い。もうあるのかも?
とにかく大将!リゲイン塩味握ってくれる?(食べれませんより)