あつ森カブ価狂騒曲→大人になって三角食べを意識してみる
「カブ価633ベル」
4月くらいからだったか、ご多分に漏れずあつまれ動物の森をやっている。
代表島民は子供だが、サブ住民としてちょこちょこ夜に触ってそれなりの部屋を作ってきた。
任天堂のリリースタイミングには目を見張るものがある。コロナ禍で外出できないときにこのゲームは最適だ。
あまりネットで攻略法を見ては面白くない(開発サイドの脳内を想定して進めるのがいい)ので、極力見ないようにしていたのだが、突如カブ価が633ベルという高値を付けた。
これは…
おっちゃんひと山当てたで!!である。
手持ちのカブで儲けるのはもちろんだが、調べるとネット住民にタヌキ商店を自由に使わせる代わりに対価を得て儲ける手法があるという。
これはぜひやらねば。
いろいろと調べた結果、
初めてネット住民の来島を受けるに当たって、以下の施策を行った。
・空港からタヌキ商店までの脇道をすべて柵で閉鎖
・タヌキ商店前に対価回収用の屋台を設置
・屋台の隣に椅子
これで椅子に座ってネット住民を待ち、対価が支払われれたら椅子から降りてタヌキ商店への道を空ける。このやり方が一般的らしい。
なにこれ。
まるでマッドマックス怒りのデスロード(のオープニングの水)じゃないの!!
ともあれ、準備万端である。
さっそくネット住民に向けてパスワードを公開し、来島OKの書き込みを行った。時間は17時を少し回ったところ。
誰でも見られる掲示板は怖かったので、SNSのクローズドなコミュニティ(それでも4000人登録者がいる)にそっと書き込んだ。対価はマイル旅行券1枚or金鉱石1つを来島の度に頂くことにした。これも一般的な対価のようだったからだ。
…書き込みから10分経過しても反応はない。
あ、こんなもんなのかと思ったその時!
「お邪魔します」
「いっていいですか」
「3往復よろしくです」
おお。来た来た!拝金主義の守銭奴どもが。うひひ。
快くコメントを返していると、なんだなんだ。続々と人間が島に押し寄せてくる。ひっきりなしに飛行機が到着し満員御礼である。
空港からの小道には行列ができた。まるであの日を思い出す。
トイレットペーパー行列(デマ)だ。
コメントも続々くる。633ベルという数値はあつ森史上最高額に近いらしい。
島は混雑が極まる。コメント欄も少々荒れだす。
「入れませんね。どうなってます?」
「別のキャラでもう一回お願いします」
「4往復分先に渡したのに入れないってどういうこと?」
ああ。人間は。人間はそうなのか。でもここで人間を見放してはならない。ひとつひとつのコメントに丁寧に対応する。
「混雑しているので、ゆったりとしたお気持ちでご来島ください」と書き込んだ。
島は混乱が続く。
外国人、小学生、ちょっとメンヘラな人、たくさん来る。対応に疲れたのでそろそろ終了したい。
19時。
「19時半に終了いたします。ご了承下さい」そう書き込んで、入島パスワードを削除した。
すると、
怒号、嘆願、ひっきりなしに離発着をくりかえす飛行機。なんだここは。ドラクエ3発売日のビックカメラ前か。※注 ビックカメラ前に飛行機は離発着しません。
19時半を過ぎても前払いした人(本人がそう言っているだけで確認もしていない)がちんたら往復している。仕方ないので20時まで対応を延長した。
20時過ぎ。
ようやっと、すべてが終わった。3時間、電波越しとは言え、大勢の人間に誠心誠意対応した。仕事でもこんなに働かない。つ、疲れた…
柵や屋台を片付ける。
島はきれいな星空で月はこうこうと輝いている。
すべてがむなしく思える。
このカブ高で手にしたマイル旅行券、金鉱石が象徴するものはなんだろうか。
これはアベノマスクであり、10万円の特別給付金なのではないだろうか。
そう、
任天堂は政府なのだ。
我々は国民であり島民であり堂民なのだ。
そう思った。