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山田邦子の採点は本当にアレだったのか?相関係数からM-1グランプリ2022を徹底考察

以前公開したM-1グランプリに関する記事が近年でも読まれているということで調子に乗り、話題になっている審査員採点をちょっとした統計学的手法で検証してみたいと思います。

まず、今回の採点の結果を振り返ってみましょう。こちらはYahoo!ニュースからの引用です。

話題の主たる標的になっている山田邦子氏の審査を見ると、トップバッターのカベポスターに10組中最低の84点をつけた直後、2組目の真空ジェシカに最高95点をつけ、以降は87〜94点の間と収斂していきました。おそらく最初の2組への落差のインパクトが大きく、炎上もとい話題になったのではないでしょうか。

審査員それぞれの相関は

ここからは独自検証として、審査員同士の相関を見て、誰と誰の審査傾向が近かったのか、あるいは遠かったのかを見てみたいと思います。Excelの2値の相関(CORREL関数)を用いて、一覧を作成してみました。相関係数は-1(完全なる逆相関)〜0(無相関)〜+1(完全なる正の相関)の間でどの位置をとるかによって、近さを見る手法となります。すると、以下のようになりました。

いちばん相関が高かったのはサンドウィッチマン富澤氏と中川家礼二氏で、なんと0.9を超える非常に高い数値を表していました。調査統計の世界でこのような数字が出ればこれはもうほとんど完全な相関と言えてしまうほどの外れ値と言え、結果が酷似していたことが明らかになりました。この組み合わせをはじめ、礼二氏とダウンタウン松本人志氏の0.807、富澤氏と松本氏の0.788など著しく高い相関がいくつか見られました。一方、もっとも相関が低かったのは山田氏と松本氏の0.167、次いで山田氏と博多大吉氏の0.195となりました。マイナスの相関は1組もなかったので真逆の評価をするようなことは見られませんでしたが、かなりばらつきがあったケースも存在したということになります。

ここからは乱暴な分析になりますが、この2値の相関を審査員ごとの平均にして見てみたいと思います。先程の表の右端がその数値です。もっとも高いのは富澤氏で0.657、以下7名中5名は平均して0.55以上を記録しました。相対的に数値が低かったのは大吉氏、そして最少は山田氏でした。

本当に異彩を放っていたのはあの人

このように見ても、話題になったように山田氏の審査は他の審査とはばらつきが見られたと言えます。特に大吉氏・松本氏との違いが顕著だったように思います。一方で立川志らく氏とは高い相関を示し、決して孤立していたわけではありません。

もう少し見ると、大吉氏は富澤氏・礼二氏とは0.6以上の相関があったものの、山田氏・志らく氏の数字より高いものはなく、「ワースト2」になっている組合せも多くなっています。さらに最終決戦の審査でも唯一優勝コンビ・ウエストランド以外のさや香を選んでいたことからも、山田氏の影に隠れて異彩を放ったのは大吉氏であるとも言えます。

番組冒頭で審査員候補とも言われていた爆笑問題太田光氏の名前を出して審査に対する不安を口に出していた博多大吉氏でしたが、単純に審査の結果を見るとかなり異彩を放っていたと言えるのではないでしょうか。

とは言え、審査員全員が同じような審査をしても大会は盛り上がりません。特別な評価軸を各人が持ち、それに基づいて誰とも重複しない評価ができる人が席に座る分だけ、多様な審査から選ばれたチャンピオンが生まれていくのでは、と感じる結果になりました。お読みいただいたあなたはどうお感じになりましたか。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。


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公務員のための新しい広報の教科書著者は元テレビ局員&地方公務員|西垣内渉
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