#4 スマートワールド
スマートシティ化が進んだ現代において、未だに無くならない犯罪。
特に幼児を含む、低年齢層の誘拐事件は後を絶たず、
GPSを搭載したチップを身体に埋め込んでいても、
何らかの電波障害で居場所が掴めず、
そのまま未解決事件として扱われている。
それもそのはず、
数年前に大企業から発売された電波を遮る防護服が発売され、
犯罪の温床となっている事実がある。
今でこそ身分証明と利用目的など電子書類に明記することが必要となり、
誘拐事件等の犯罪軽減に繋がってはいるが・・・
『次のニュースです。
今夜、7歳の女の子の心臓移植が無事に成功しました!』
スマートシティ化は悪いことばかりではない、
このニュースのように医療が発達し、ドナー管理も徹底され、
誰もが適切な時期に適切な場所で医療の恩恵を受けることが出来る。
IQやEQなどの国民テストも実施されるため、
居住地域などは指定されるが、
そのことで文句を言ってる人を自分の周囲では見たことがない。
どちらかと言えば、治安は良くなり、様々なインフラも整備され、
誰もが住みやすい環境を国から提供されている。
ただ・・・
娘が誘拐事件に遭遇し、我が家から消えてしまったことを除いては。