探検隊は何を見ていたのか
今回、これまでアメリカ陸軍が発行した最も美しい地図の 1 つ、とされている出版部を見ていこうと思う。
1859年にマコーム大尉を中心として編成された探検隊は、アメリカ大陸南西部の地質地形の調査に赴いた。
そこにはあまり目にすることが出来ない、原初の風景が広がっていたようだ。
ただ、この時点で大陸は荒廃していたようなものだった。
上のイラストは100年ちょっと前のもので、現在でも存在しているブラックヒルズ国有林だ。
どうやってこれほどの俯瞰図を描いたのかはわからないものの、最初にこれを見た際、変な気がしたのだが、それはこの場所の名称にあるようだった。
ここは「国有林」であり、歴史によると、かなり以前から木材の伐採を行っているような由緒ある国有林だった。
にも拘らず、このイラストには植物がない。
とはいえ、イラストはあくまで地質学のために残されていたようだから、あまり植物の類は描き込まないように地表を強調していたのかとも思った。
しかし。
河川と思われるその両岸には僅かながら植物が描かれている。
決して植物を省いているわけではないようだ。
だとしたら国有林に木がない理由とはなんだろうか。
この余りにも殺風景で乾燥しきったかのような大地は何なのだろうか。
この記録を信じるならば、恐ろしいことにアメリカ中西部は、ほんの少し前まで荒廃しきっていた。
メサは世界のあちらこちらに存在している天辺が平らな「山」のことらしい。
探検隊も南西部を調査するにあたり、こうしたメサを数多く目撃していたようである。
キャンプ近くから遠望できた眺めであるというイラスト。
見事なメサを見ることが出来る。
遠方をよく見てみると、幾つものメサとは言い難い立柱のようなものが無数に立っているのが確認できる。
こうしたものが奇妙に思うのは、どれもこれもがある一定の高さできれいに揃っていることだろう。
なぜ高さが揃うのだろうか。
探検隊の人々。
彼らはこの遠征で大活躍する。
こうした景観を眺めるにあたり、彼らは何を思ったのだろうか。
これを見て如何なる感想を抱くだろうか。
そこら辺にある山とは明確に違う、と本能に語り掛けてくるかのような眺めだ。
ちなみにネブラスカ州チムニーロックもこのような形をしている。
何をどうしたら自然がこのように作用するのかはわからない。
が、絶対に普通ではないことは解る。
以下、探検隊が自国の領土で見た「山」の数々をまとめてみたいと思う。
タイトルにもなっているのだが、探検隊は何をみていたのだろうか。
彼らは山と判断して詳細な記録を残してはいるものの、その判断は本当に正しかったのだろうか。
彼らが見たものは本当に自然が形成した山だったのか?
特に最下の「ラ・サル・マウンテン」とされる「山」は何だろうか。
これを山と断ずるには、自身の培った常識と戦う必要がある。
以下のイラストは特に特徴的なものだと思う。
どういった自然環境に晒されればこうなるのか。
そしてこの景観はどうだろうか。
これが山とは到底思えない。
まるで建築物だったものの成れの果てのようだ。
描き方にもよるとは思うが、この「山」はとてつもなく巨大だ。
大地から垂直に立ち上がる「山」とは・・・。
ところでこうしたメサや山は現在も残されているのだろうか。
あまり写真等を見たことがないので気がかりだ。
残されていてほしい。
これは数百年前のことではなく、160年ほど前に記録されたものだ。
当時のアメリカ内陸部は、まるで地表を何かが薙ぎ払ったかのような景観が広がっていたようだ。
勿論、このような殺風景な場所ばかりではない。
しかし紛れもなくこのような荒廃した大地があったことが記録に残されている。
アメリカの正史には記されていない、本当の歴史があるのではないか。
マコーム探検隊は、失われてしまった本来の歴史の一部を我々に垣間見せてくれたのではないだろうか。
ところで昨今、キャンプが流行っているらしいが、これほどの中でキャンプが出来るのであれば、どれほど素晴らしいことだろう!
こちらのテキストには動画版もあります。
併せてご覧いただければ幸いです。
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