【映画】ブライトバーン、もうちょっと面白くできるやろ・・・・。
※本レビューはネタバレを含みます。
あの「スーパーマン」を悪堕ちさせたパロディ系ホラー映画の「ブライトバーン」を観てまいりました。
・・・・・これは微妙だな。55点だなぁ・・・。
ストーリーの内容をいうと、まず子供ができない夫婦の前に隕石とともに少年が降ってきた。夫婦はかなり愛情をもって接していたが、彼が宇宙人であることは長い間しゃべらずにいた。
そう、なんと「マンオブスティール」の冒頭部分のまんまなのだ!!
それまで平穏に生きていた少年だったが、突如幻聴が聞こえそれに洗脳され始めていく・・・。
そう、「マンオブスティール」のゾッド将軍まんまだ!!
しかし、少年は決してスーパーマンのような善人ではなかった。
なんとこの少年は幻聴に洗脳されてしまい地球を支配するために破壊活動を行おうと動き始めて、彼の周囲の人物や邪魔になった人物を一人残らず殺害し始めていくのだった!!!
というもの・・・。
あれ?あらすじ説明が終わっちゃった!!!
本当にこんな内容なのだ。
ぶっちゃけ終始これしかない映画なのだ。
つまり、スーパーマンが実は侵略者だったら‥‥ってだけの映画なのだ。
正直この手の話だったら「スーパーデラックスマン」や「スーパーマン:レッドサン」のほうが面白いかなあ・・・と思ってしまった。
スーパーデラックスマンは小市民の狂気を感じたし、スーパーマン:レッドサンはその大オチに戦慄が走ったが、今回はそういったものがない。非常に残念だ。
ジェームズ・ガンはおそらくアイデアを思い付いた時「これは傑作だ!」と思ったとは思うんだけど、それはおそらくスーパーマンを知る人間だったらほとんど思いついてる話だし目新しさは正直言ってない。
DCコミックでもスーパーマンのネガである「ウルトラマン」ってキャラクターがいるし、アニメのジャスティスリーグでも「ジャスティスローズ」という地球を完全に支配した悪のヒーロー集団がいたぐらいありふれたネタだ。
スーパーマンもどきをクソ中二病のガキんちょとして描くのはいいんだけど、そればかりがが先行しすぎてちょっとイマイチになってる気がする。
例えば真剣に宇宙からの侵略者として描くなら描くでその設定で貫き通せばよかったのに、そこらへんも中途半端になっている気がする。
結局地球を支配したいのか、破壊したいのか理由がイマイチ明確になっていないのもダメなポイントだ。
っていうか主人公の義父夫妻が無能すぎる。
「マンオブスティール」のケント父はたとえ自分が死んでも子供の秘密を守り全力で信じて正義を教えていたのに、この話にでてくる夫婦は無能すぎるよ。
それもできないなら、早いうちに主人公は宇宙人なんだって教えるべきだったんじゃないのかな。
そういうこともできないのならたとえ宇宙人であろうと養子にするのはヘタウチもいいところではないかなと思ってしまう。
結局、スーパーマンが優秀なのってケント夫婦のそういった覚悟がちゃんとすわっているからであって漫画のキャラじゃない本当に小さい小市民だとこういう反応になってしまうんだなと感じました。
それと、周囲のキャラクターもデリカシーがなさすぎる。
いきなり10歳の子供にライフル銃をプレゼントするのは流石にどうなのかなと思いましたよ。
田舎だからそういう描写にしたんだろうけど、それにしてもステレオタイプすぎるよなあ。
って批判しかしてねーな・・・・・・これ・・・。
よかったところについてだけど、例えばグロ描写は近年ではまれにみるグロさだったと思う。
これはすごかった、見ごたえがあった。
「サンゲリア」を思い出すガラスの破片が目に入ったり痛がる描写は本当にえげつないし、、車ごと投げられて「呪怨」ばりにアゴがちぎれて死ぬ犠牲者もかなりどぎつい感じが満々で厭になってくること請け合いだ。
あとそれから主人公の超人少年を演じた役者もいい感じでキモくて、学校でいじめられたりしないかちょっと心配になってくるレベルの演技力があるのは中々いい。
それと、エンドクレジットに「スパイダーマンファーフロムホーム」のJJJ編集長まんまそっくりのアナウンサーが出てきて「魔女や半魚人が出てきてる!」というところはアクアマンやワンダーウーマン、しいてはMCUへのイヤキチにみえて滅茶苦茶楽しかった。
でも、全体的にはイマイチだったかな。
もっと悪のスーパーマンをやるんだったらスケールの大きい映画をみたかったですね。
点数は
55/100点
だなぁ・・・・。
時間があってDVDでもみて寝ようかなと思ってみるときにはちょうどいい映画だと思います。