バカ映画扱いされた本作も今では起こりうる未来の恐怖を描いた傑作SFに…「ウォーターワールド」
地球温暖化、現代の社会ではそんなものはないと言えば「こいつ正気か?」と言われ叩かれる世の中ではあるが…なんとそんなことになる以前から地球温暖化による人類社会の衰退を描いた映画がある。
それが本日紹介する「ウォーターワールド」である。
あらすじ
地球温暖化により、北極・南極の氷が全て溶けてしまった社会。
地上は全て海に沈んでしまい、人類は船の上や環礁で生活をしていた。
彼らは地上(ドライランド)を探し求めていた。
そんな世界を孤独に生きるアウトローのマリナー、彼はある日…とある環礁にやってくる。
しかし、そこで住民にとらえられたマリナーは処刑されそうになるが、住民の女性に救われる。
さらに同時期、突然海賊が襲撃してきた。
彼らの目的は、ドライランドの地図が背中に描かれた少女にあったのだ。
マリナーを助けた住人は少女の保護を求めてきた。
マリナーはしぶしぶ受け入れ、少女と自分を助けた女性とともに冒険の旅へと向かうのであった…。
地球温暖化を舞台にしたSF映画、現在でもなかなか社会問題になっている昨今であるが実はこれを題材にしたSF映画は作られていないのだ。
これはなぜなのだろうか。
やはり題材として洒落にならないからなのだろう。
解説
現在ではユニバーサルスタジオのメインコンテンツでもあり、高い人気のある本作ではあるが、実は失敗作であったことを皆さんはご存知だろうか?
今でこそグリーンスクリーンを使い、魔法のようにCGを使う事で海のシーンを何の躊躇もなく描くことができるが、当時は海が出てくるシーンの予算はバカにならなかった。
本作も当然まだまだアナログ特撮が健在だった90年代に製作されていたことで、海を使うシーンは当然等身大のプールを使用して撮影された。
これがきっかけで当時としては破格の製作費を使ってしまい、大コケになってしまったのである。
さらに上記見出しのシナリオからもわかるように、「海を題材にしたマッドマックス」から抜け出せない微妙な感じがあったのだ。
したがって本作の扱いは「失敗作」「バカ映画」という扱いが多かった。
実際問題、映画としては面白いのであるが…まだまだこの当時は「地球温暖化」なんて問題は大した問題としては扱われていなかったのだ。
まあ、今でこそハリウッドセレブの皆様は地球温暖化がどうだの、エコがどうだの、SDGsがどうだのと口やかましいようであるが…(笑)
また主演がケビン・コスナーというのも当時は大いに叩かれていた理由の一つになっている。
この時代のケビン・コスナーはシネフィル的にはいかすかない共和党支持者の描く理想の白人みたいな感じだったというのもある。
それが現在では、本作で描かれた海に支配された人類社会は本気で起こりうるのではないかと心配されているのだ。
まあ、時代というのはコロコロ変わりうねっていくものなのだというのがよくわかる。
まとめ/感想
で、本作の感想なんだが…上でもさらっと言ってるように本作は決して悪くはな映画である。
今現在では珍しくなってしまった2時間前後で終わり、美男美女が出てくる王道のハリウッド冒険映画だ。
しかもエンディングは少し物悲しい。
そんなわけで、個人的にはもうちょっと評価されてもいい映画なんじゃないかと思っている。
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