【映画】目撃したのはゴジラ新世紀ではなく特撮の衰退だった 「ゴジラ2000/ミレニアム」
今思えば、1995年に「ゴジラvsデストロイア」で平成VSゴジラシリーズは完全に終わった。
今思えば粗はあったが、それでもマシな終わり方だった。
その後、ローランド・エメリッヒの「ゴジラ」がするまで時間があった東宝はグダグダと「平成モスラ三部作」を作った。
これは当時小学生だった俺を唖然とさせた。
1と2はまだただショボい映画だったが、なんと3で天下の大東宝が今時模型の恐竜を出して怪獣にそれを食わせるという血迷った愚行を行ったのだ。
そして、モスラのライバルとして推す存在がいなかったのかなんとキングギドラを出してしまうのだった。
その一方で大映は平成ガメラ三部作という歴史に残る傑作を作り、「あれに比べて東宝は(笑)」という空気が特撮オタク中にあふれた。
そんな中、1998年にローランド・エメリッヒのゴジラが幕を上げる。これに世界中のオタクはさらにずっこけた。
なんと中身は「ゴジラのリメイクではなかった」のだ。
これに憤慨した東宝は「あんなゴジラじゃねえ!メリケンわかってねぇ!」といわんばかりにゴジラ2000ミレニアムを作る。
これがとんでもない珍作で、劇場にきた子供とオタクたちをさらに失望させてしまうのだった。
映画の内容は、ゴジラを追いかける村田雄浩がなんか偉そうなおっさん連中と対立しながらも宇宙から来た何がしたいかわからん宇宙人とゴジラの戦いを傍観していくというやる気があるのかないのかわからない内容である。
平成VSシリーズには多少あったロマンは失われ、おっさん連中がドヤ顔でゴジラを追いかけていく姿をみせられたかつての子供たちはこれ以降日本特撮映画に辟易して観るのをやめるのであった。ちゃんちゃん。
敵怪獣のオルガも何がしたいのかわからない、どうやらゴジラ細胞を吸収して永遠に生きたいとかそんな内容であった。はぁ~(クソデカため息)。
ちなみにこれがオルガの正体である。
なんとこのCG宇宙タコでエメゴジに喧嘩を売っていたのだから、笑ってしまう。
ところが、どっこいアメリカで持ち出したらそこそこ売れて以降ミレニアムシリーズは海外で割と人気が出ていくのであった。
でも、どうでもいいよ。
だって、俺この映画嫌いだもん。
映画の結末は、ちょっといいかも・・・主人公たちが茫然と見守る中街を火炎で焼き尽くすゴジラのところは中々後味が悪くてかっこいいのである。
でも、だったらちゃんとゴジラに主人公連中殺しておけよ、役立たず。
これに限らず、以降ミレニアムシリーズは子供向けがしたいのか大人向けがしたいのかわからん立ち位置に居続けてグダグダに終わっていく。
思えば00年代の東宝はゴジラをどういう立ち位置の作品にしたいのか意味不明であった、これは「シン・ゴジラ」や「アニメ版ゴジラ」でも続いていく・・・。
大人向けにしたいならゴジラにちゃんと人を殺しておけよ・・・。
子供向けにしたいなら当時やっていたウルトラマンティガやガイアを見習えやぁ、アホ!
オマケにレジェンダリーも愚にもつかない「ゴジラ」をやらかすのであった。
とはいえヤケクソ気味の「ゴジラファイナルウォーズ」とすげー面白い「大怪獣総攻撃」はめっちゃ好きでした。
ちなみにこの映画、のちに「テルマエロマエ」(ひどい映画でした。)や「トリック」(まあそこそこ好きです。)でブレイクする前の阿部寛が出てきて、終盤でゴジラに殺される。
そのシーンの茶番さに子供心に恥ずかしかったのである。
あー、俺はこんな映画を作ってる連中の作ったもんを見て育ってしまったのだ。あーあー時間を無駄にしたなあ。あー死にたい、あー恥ずかしい・・・。
主人公と対立する政府の科学者という立ち位置なのだが、どーせなら主人公の娘を誘拐して怪獣の餌にするぐらい下劣なことをやってくれたらいいのに仲間なのか敵なのかわからんままで終わっていくのであった。
こういうのが東宝のだめなところだよなあ、レジェンダリーもそうだけど・・・。
本当にリアル路線をしたいなら、ゴジラが人々を虐殺しまくる映画をとればいいのである。
それもできないくせに大人向けなどを目指すアホの極みっぷり、もうどうしようもない連中だったのだ。
ところが、どっこい下には下があった。
東宝は「ゴジラ×メカゴジラ」「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」というもっと恐ろしいひどくつまらないこの世のものとは思えない後ろ向きのプライドに満ちた映画を量産していくのであった。
どんな映画かだって?
それはまた別のお話であった、ちゃんちゃん。