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プロレス超人列伝第22回「ジョン・シナ」
現在、ハリウッドでバティスタやロックに並ぶ次世代のアクションスターとして認知されている男がいる。
彼の名前はジョン・シナ。
そう、あのバティスタやロックがそうであったように彼も元・プロレスラーなのだ。
というより、このnoteを読んでいる皆様なら元プロレスラーという経歴のほうが印象深いのではないだろうか。
今ハリウッドスターとして注目を浴びているシナだがそんな彼にも裏の一面があったのだ。
今回は彼が隠す裏の一面などについて迫っていきたいと思う。
幼いころから「北斗の拳」など日本アニメで育ったシナは、やがてケンシロウのような体格の青年になった。
そのあと、大学卒業後スポーツ用品の会社に通っていたが一転してプロレスラーを目指すようになる。
彼もまた幼少期からプロレスに親しんだ人間だった。
90年代末期にWWEの下部団体UPWに入団したシナはそこで入団テストを受け、デビューを始める。
これはWWEと契約を結ぶということを意味していた。
当初、プロトタイプというリングネームで活動しておりこの名前から想像できると思うが当初はサイボーグのようなキャラクターであった。
今見ると失笑物であるが、試合のキレキレはその当時から際立っておりすぐさま上層部からの注目を浴びるのだった。
その2年後の2002年にはWWE一軍の一人としてデビュー、当初の抗争相手はあのカート・アングルであった。
その後、ラッパーキャラとしてギミックチェンジを果たし当時の主役であったエディ・ゲレロとも激しい試合を行うほどの大役を任されていた。
相手をラップでこき下ろすスタイルはすぐさま人気を集め、次世代の大物として注目を浴びることとなった。
やがて、長らくヒールであったが2004年にはベビーターンを果たしここで初タイトルであったUS王座を獲得することとなる。
しばらくはUS王座の戦線で活躍するが、彼に転機がくることとなった。
とうとう団体の顔になる時がきたのだ。
しかし、それは彼の苦悩の歴史の幕開けでもあったのだ。
2005年、レスナーの離脱やエディ・ゲレロの早逝にWWEは苦戦を強いられていた。
そんな中、シナとバティスタが今後のWWEのメインとして扱われるようになっていった。
やがて、このころからラップやジョークは控えめになっていきキャラクターもどこか真面目な物になっていった。
このキャラクターチェンジはおそらく2006年に公開された映画「ネバー・サレンダー 肉弾凶器」で演じた海兵隊のキャラクターに合わせたものだと思われる。
その後も団体のメインタイトルである世界ヘビー級王座やWWE王座を獲得していくがそういう成功をしていくにあたり次第にブーイングがとまらなくなっていくのだった。
それまでのWWEの顔として定着していたのは華やかなロック様やショーン・マイケルズのようなショーマン、ストーンコールドのような反体制派、アンダーテイカーやレスナーのようなモンスターといったものが多くそれに比べシナはキャラクターが薄いとみるファンが多くいたのだ。
シナよりもライバルであったエッジやCMパンクに声援が飛ぶという事態が長らく続いていた。
当初は明らかにこのブーイングにとまどっていたが、10年ほどすぎるとそのブーイングを逆に利用するという器用な一面をみせ10年近くにわたり団体の顔役として君臨していた。
やがて、2021年彼は本格的にハリウッドデビューをすることとなり現在はレスラーとしてはセミ・リタイアの状態になっている。
とまあ、色々書いたが一言でいうと「賛否両論の男」なのだ。
ここまで書けば順風満帆な彼のキャリアである…だが忘れてはいけない。
成功の母は敗者の屍でもあるのだ。
ここで上記で書いた「シナの闇」につながる。
それはなんと…「若手潰し」である。
2010年、ネクサスといわれるヒールユニットのリーダーをしていたウェイド・バレットは猛プッシュを受けていた。
ネクサスというのはその当時若手育成番組として機能していた「NXT」で若手レスラーが集まって結成されたヒール軍団だった。
そのリーダーであったのがほかならぬバレットなのだが、身長198㎝体重110㎏でハンサムなバレットはまさしくビンスの好みの男であった。
イギリス生まれのバレットはいわゆるベアナックルファイトに長けたブロウラーでもあった。
また、イギリスはプロレス文化の高い国でもありバレットは人気者になる要素はかなりあったのだ。
だが、彼を快く思っていない男がいた。
そう、ジョン・シナである。
シナはそうそうにネクサスのプッシュを取りやめる事を考え、大好評だったネクサスのギミックも尻切れトンボのような状態で終了することとなったのだった。
またシナ軍団vsネクサスの試合で最後にトドメを刺すのはシナというびっくりするようなオチで〆るのであった。
流石にこれは同業のレスラーからもブーイングが上がったらしく、シナと長年ライバルであったエッジやクリス・ジェリコも「大人気ない」とシナに対して苦言を呈すこともあったそうだ。
次に、タイラー・レクスというレスラーがいた。
身長200㎝ほどあるタイラーはその体格をいかしたパワーファイトがウリであった。
彼のフィニッシャーは「バーニング・ハンマー」
相手を抱え上げてデスバレードライバーの形で放り投げるというものだった。
しかし、これをみたシナは完全にキレてしまったのだ。
彼のフィニッシャーである「アティテュード・アジャストメント」にそっくりだったからだ。
試合の打ち合わせの最中、シナはレクスを呼び出すとまるで子供がバカにするようなふざけた態度でレクスに罵詈雑言を浴びせた。
「誰に許可をもらってあんな技を出している!」
「お前は新しい技を使わないといけないぞ!」
レクスは番組の主役であるシナにそういわれたことをかなり深刻に受け止めた。
その後、新しい技を開発したはいいものの彼は結局そのあと、解雇されてWWEを追い出されたのだった。
そして、現在ハリウッドで活躍しているバティスタとロックはそんなシナと犬猿の仲であるともささやかれている。
昔から俳優デビューに興味があったバティスタはWWEフィルムの映画は自分にこそ相応しいと考えており、シナのことをあまりよく思っていなかったのだ。
さらに特にロックはシナからすれば目の上のたん瘤のような存在で、自身がブーイングをもっともあびている2011年の中、バカにしたパフォーマンスを繰り返すなど内外でいいように扱われていたのだった。
「ワイルドスピード」シリーズを降板したロックの内情にはシナへの憎悪も入ってるのではないだろうかともいわれている。
とまあ、散々にコキおろしたがここで、シナの肩を持つことをあえていわせてもらおう。
こういったエゴの持ち主でなければハリウッドでWWEでも成功しないのだ。
何よりも、あの激しいブーイングを浴びる中黙って子供のヒーローとして入場するシナはどこか色気がある。
まあ、こういった過去の動画を見ている限りあまり自分はシナを悪くいいたくないのである。
そんなシナだがプロレス界へのカムバックはやはり考えているそうだ。
インタビューではこのように答えている。