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【映画】二度と見たくない地獄のトラウマ映画 第一回 「マングラー」

世の中には心の奥底から「もうみたくねえ・・・」と思う映画が二種類ある。

一つは「つまんねえ・・・不愉快だ」となって「もう二度と見たくねえ」となる映画だ。新海誠や庵野秀明の映画は大概がこれである。

もう一つは「うわ・・・えげつないもんみてしもうたぁ・・・もうみたくない・・・。」となるようなトラウマ映画だ。

結構ホラー映画や残酷映画慣れしていて「炎628」や「呪怨」でも見れることはできる俺でもわりときつい・・・となってしまう映画があったりする。

今回はその一つ、「マングラー」をあげてみたい。

「悪魔のいけにえ」のトビー・フーパー監督、原作はスティーブン・キング、主演は「羊たちの沈黙」でバッファロービルを演じたテッド・レヴィン、脇役にあのロバート・イングランドという豪華面子で作られた本作。

田舎町で悪魔がとりついたプレス機が人間の味を覚え、大量虐殺をしていくというオカルト映画の仮面をかぶった怪獣映画だ。

この映画は冒頭からすさまじい、田舎の無害な女たちがブラック企業で働かされているのだが、その従業員のおばあちゃんが作業中に薬を飲んでいる際にいきなりプレス機に巻き込まれ生きたまま殺されるというとんでもない場面がある。

本当にこのシーンが嫌になってくるほどグロテスクである、以前俺は「美男美女が殺されるとうれしいが、おばちゃんおっちゃんが殺されると厭になる」と書いたが本作はまさにそれである。

その後、刑事のテッド・レヴィンと弟がその事件の捜査にあたっていくうちにこの田舎町とブラック企業の中に隠された邪悪な陰謀を知っていくことになっていく。

当然、企業と街は結託して時々若い娘をいけにえにささげることで繁栄してきたという設定なのだ。ここらへんはさすがスティーブン・キングといった設定だろう。

話の内容も救いがなく、とんでもないバッドエンドを迎える。主人公含めほとんどのキャラが人生をあきらめたおっさんや女ばかりでもう本当に嫌になってくる。

そんな中ブラック企業社長役でロバート・イングランドが出てくるが、これが体半分が機械のサイボーグ爺ちゃんで歩くときにロボコップみたいなことになるのが非常に面白い。

当然、悪人なので最後の死に方はろくなもんじゃない・・・だがどこかコミカルで下品で自分に貪欲に生きている彼の姿は否定できないものがあったりする。

というか作中最大の悪役だが、出てくるところが妙にシュールで笑えて来るのだ。俺これ見た後やったもん一人でこいつの真似。こいつが出てくるところだけエルム街の悪夢みたいになってくるのだ。

当然、プレス機怪獣マングラーは終盤で動き回るのだ。そこもシュールさがにじみ出ている。

さて、冗談はさておいて

俺も大学時代バイトでこういうところで働いていた経験があるのだ。

そこは小さな街工場だが、通っている工員は半分が前科者で笑顔で「兄ちゃんレイプはええで・・・。」と自分の耳を疑うような犯罪自慢をして周囲をびびらせてるヤクザ崩れがいた。

これが一人だけならいいが、3人ぐらいくんでいつも刑務所の話で盛り上がっていた。(大阪はこんなやつばっかなのだ)

さらにその中には野球賭博や闇スロで給料の半分を使い切るような社会の屑がいたりした。

プレス機についても、おそらく50年以上前の物をそのまんまつかっているのかあちこちで錆がありいつ壊れてもおかしくないようにみえた。

ターンテーブルで商品を動かしプレス機でプレスするのだが、明らかにターンテーブルにうっかり手を巻き込まれれば腕は引きちぎられて死ぬのは丸見えだったしプレス機についても掃除を数時間に一回しなくてはいけないのだが、その際に機械が動けば一瞬で手の指がなくなるような環境だった。

そして、その機械を最低賃金以下で働くヤクザ崩れの工員たちが動かしていくのである。なにがおきるかわかったもんではない・・・。

さらに、そのターンテーブル。時々勝手に回ることが多くあり、何人か大けがをしたことがあったらしいのだ。

俺はその話を聞いた時「マングラーだ」と感じた。

ゴジラは現実にいない、サノスも現実にいない。だが、マングラーに関してだけはいるといえる自信がある。

俺は正社員雇用の話をけって、すぐさま逃げ出した。

俺はもう一生この映画を直視することはできないだろう。





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