はじめまして、GATHERINGです。
皆さん、こんにちは。NPO法人Collableの山田小百合です。
Collableは、「多様性・ダイバーシティ」をキーワードに、誰もが社会の当事者になれる環境づくりに取り組むために2013年に設立されたNPO法人です。
Collableのnoteのアカウントはこちら
障害のある人とともにワークショップやフィールドワークを行いながら、あらゆる人にとって、楽しく心地よい体験ができる商品やサービスの開発を行っています。(インクルーシブデザインという手法を主に使っています。)
人数としても、そして特性や種別もさまざまな障がいのある方たちと接する日々のなかで、見えてきた新しい課題があり、このたび新しいプロジェクトを立ち上げることにしました。
それがGATHERING(ギャザリング)です。
GATHERINGって何?
GATHERINGは障害のある方、主に大学生の障害のある方を対象とした、これからのキャリアを応援する放送局です。もちろん、高校生でも、若手社会人でも、どなたでも見ることができます。あくまで主なターゲットは大学生というスタンスで立ち上がりました。
おそらく誰しもが通る悩み事の1つが「キャリア」「生き方」なのではと思います。私自身も、学生の頃にはじぶんのキャリアをどうしようと悩んできた過去があります。(そしてもちろん今現在も悩んでいる)
キャリアを考えるとき、自分の未来を描くとき、助けになってくれるのが、「ナナメの関係」の存在です。
ナナメの関係とは、親や先生という自分よりも上の立場(タテの関係)でもなく、気軽に話ができるような友達(ヨコの関係)でもない、身近だけどすこーしだけ人生の先輩でもある存在のことを指します。
(他団体ですが、NPOカタリバさんのページをぜひご覧ください。ちなみに山田は大学生の頃カタリバで活動をしていました)
GATHERINGでは、例えばそういうナナメの関係を、障害のある学生にも届けたり、ときには障害のある学生さんの就活前の自己分析や、キャリアの考え方などをお届けしたり、そういう番組が展開される予定です。
GATHERINGはYouTubeで無料公開される番組となりますが、それだけでなく、学生さんむけのイベントやセミナーなども今後は展開できるといいなと思い、準備を進めています。
インクルーシブデザインから、キャリアへ
Collableは「インクルーシブデザイン普及のNPO法人」「障害の有無関係ない場作り・ワークショップをてがける団体」というイメージを持たれています。2013年から本当に多くの場をもたせていただきました。
そんな私たちがいきなり「キャリア」なんて言い出したら、周りの人からすると「?????」という印象なのではと思います。
でも、私自身はインクルーシブデザインとキャリアはむしろ密接に関係があると思っています。
私たちは全国でインクルーシブデザインの手法を主につかいながら、障害の有無、その他様々な違いを「いかす」ことで、新しい価値を生み出せる場をつくることにこれまで取り組んできました。
本当に特性種別さまざまな障害のある方々との出会いがあったのですが、ワークショップを進めていく中で、障害のある方の中で、不特定多数の誰かと、協働することに慣れてない、不安に感じる、自信がないという方々が多くいることに気づきました。
そういう人たちの声をより紐解いていくと、どうやら自身のキャリア、生き方に対して、ネガティブな気持ちを持っている人が少なくないことがわかりました。
ワークショップという場はとても前向きで、創造的で、楽しい時間が生み出されるのですが、その状態になれない人たちがまだまだ多くいる。
その背景には、社会との接点を、そもそも前向きに捉えきれない状況の人がいる。
さらにその背景をひもといていくと、障害のある人が前向きに自身の未来を考える機会や環境が少ないということにいきつきました。
そして、社会へ踏み出す準備期間である学生時代に、その機会が圧倒的に不足しているということ。活動を続けていくなかで、これは個人の責任ではなく、社会課題なのではと考えるようになりました。
なんで2団体で取り組むのか
そんなことを考えていた数年前、プラス・ハンディキャップの佐々木さんと久しぶりに会い、「障害のある人が、どうしたらそれぞれに満足ある生き方ができるようになるのか」という話をするようになりました。
佐々木さん自身も生まれつき身体に障害があり、義足ユーザーでもある人ですが、彼は当事者の目線から、もっと障害のある人が、会社などで自ら成長し活躍できないことにおける問題意識を持っていました。
もっというと、彼自身は障害のある社会人やインターン学生への研修などのしごとを通じて、障害のある当事者自身のキャリア意識がもっと変わらなければ、と考えていることを知りました。
企業の制度がまだまだ整いきれていない、という部分も社会問題ですが、障害関係なく、仕事を通じて、人との出会いを通じて、人は大学をでても学び成長していくもの。
だけど、そういう前向きに過ごしていけるための選択肢が、障害があると圧倒的に少ない。そしてその穴が、大学時代に最もあるのでは、ということをいつしか話すようになりました。
実際に、なんとなく企業に務めてから、2次障害の状態になる人もあとを絶ちません。
🌟
私たちは「ともに」の環境をつくりながら課題をみつけた。
一方で佐々木さんたちは、就職・就活の側面で同じ課題をみつめていた。
どちらかの視点だけでは解決できない。そう思い、佐々木さんたちと取り組むべきと考えるようになりました。
そういう現実を目の当たりにしていく中で、なにかしたいと思い、実はこの2年間、何かを考えてみてはボツにして、アイデアを考えて企業さんにご提案をしてみればまた次の課題がみえて…
という日々がつづきました。
その繰り返しの中で、まず私たちができることは、情報を発信して、その情報を利用してもらえる環境を作ることだ、という結論に至りました。
だれにだって、成長する、前に進むための機会は得ていいはず。そういう人が増えれば、結果的に私たちが取り組むインクルーシブデザインの普及だって、多くの障害のある方が関わってくれるようになるはず。
もっともっと、多様な人が、社会に関わり、ともに価値をつくる人になる。そう確信しました。
さいごに
私がCollableという団体を立ち上げた背景には、知的障害と自閉症をあわせもつ兄と弟がいることにあります。
「支援する・される」ではない関係で過ごしてきた私にとって、「障害者と関わることが特別なことで大変なことだ」と思っている人がたくさんいることに衝撃をうけたことが大きな原体験です。
障害者福祉でも、特別支援教育でもなく、障害者ともに活動し、学ぶとはどういうことか、という新しい考え方を開拓すべく、大学院に進学し、その延長線上でCollableを立ち上げました。
そして今、わたしたちは「障害者の社会参加、キャリア支援」にアプローチしようとしています。多くの人にとってはあまり関心がないことかもしれません。しかし、少なくとも皆さんの周りで、学校、企業、地域などで身近にいる当事者の方がいる人は多いのではないでしょうか。
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私たちはGATHERINGを通じて、社会で活躍する、障害のある人を増やしていきたいと考えています。
障害を理由に一歩踏み出すことを諦めてしまう人が少なくない中、GATHERINGを通じて、障害のある学生が自分の未来を考え、言葉にしたくなったり、自分以外の誰かの支えになる経験が生まれたりするといいなと考えています。
それが、障害の有無に関わらず、人生を謳歌するような人が増えていくと信じています。
なにかに諦めそうになったとき、頑張りたいけどどうしたらいいかわからないとき、同じような立場の人と励まし合いたいとき。考え行動するための情報をGATHERINGで得てもらう。そんな場所を作っていきたいと考えています。
そこで、お願いがあります!
実はあしたから、このGATHERINGプロジェクトを本格的に始めていくうえで、Collableでは初挑戦のクラウドファンディングが始まります!
明日の朝10時に、クラウドファンディングオープンします!また改めてご案内させていただきますので、ぜひ応援の程よろしくお願いいたします。
※6/11 10時、ページがオープンしました!
山田小百合(Collable代表理事 / GATHERING プロデューサー)
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