「さんまの東大方程式」に出た時に一番感動したこと
昨日の「さんまの東大方程式」の最新回、面白かったですね。
実は私も今から6年半前に放送された、第5弾の収録に参加させていただいたことがあります。
いろいろと印象深いことがあったので、今回はその時の思い出について書きたいと思います。
そもそも番組に出演したきっかけは、東大の学園祭に来ていたテレビの取材班のインタビューでした。
「誰か面白い東大生はいないか」と出演者候補を探し回っておられたので、「俺どうですか?」と自分から売り込んで、そこで私の経歴を話したら興味を持ってもらえて、最終的にスタジオ収録まで行かせてもらったのです。
ちょくちょく観ていた番組に自分が出れると決まった時は興奮しましたね。
そして収録当日。
放送は2時間くらいだったと思いますが、収録は倍以上の時間やっていました。
その収録中に驚いたのが、ゲストで出演されていた芸能人の方たちの掛け合いです。
その日はさんまさんをはじめ、陣内智則さん、フットボールアワーの後藤さん、ハライチの澤部さんというツッコミ強者が揃っており、予測不能な東大生のイジりポイントを的確に拾っておられました。
私は自分が出演者側ということを忘れて、特等席でお笑いライブを見ているような感覚で笑わせてもらっていましたね。
ですが、一番驚いたのはその芸人さんたちの面白さではありません。
もっと衝撃だったのは、数時間にも及ぶ収録中に、なんと一度も掛け合いの出だしがバッティングすることがなかったことです。
芸人さんの他も含めると総勢で芸能人側に7人いらっしゃったのですが、普通それだけの人数で何時間もカメラを回してて、しかもオンエアに耐えるレベルで東大生を面白おかしくイジろうと思ったら、「いや何でやねん」とか「何やそれ!」みたいな感じで誰かが同時にツッコんだり、何か話し出すタイミングが重なったりして「あ、すいません。どうぞどうぞ」みたいな感じで譲り合いが発生しそうですよね?
でも、本当に一度も掛け合いがバッティングすることなく、全員が実に的確なタイミングかつ的を射たコメントでズバッと切り込み、とてもスムーズ(ただし東大生側は素人なのでちょくちょくトークが渋滞)で面白いやり取りになっていたのです。
「この東大生には自分よりこの人がツッコんだ方が面白い」とか、「今の面白ポイントにはこの間で入った方がいい」とか、すべて分かった上で一人ひとりが動いているような感じがあって、非常に感動しました。
腕のある人たちなので肌でそれを分かっているのか、こちら側が気づかないような目くばせとか合図で上手く衝突しないようにしているのか、いずれにしてもすごい技術だなと。
生でさんまさんを見ることができたのも感動しましたが、正直それを上回る感動と言うか、衝撃でしたね。
売れてる芸人さんって、やっぱスゲーなと。
一流のプロってこういうことだなと。
その日以来、芸人さんたちがたくさん出て盛り上がっているアメトーークとかロンハーのような番組を見ると、「あの時みたいにみんな上手く立ち回ってるんだろうなあ」と想像力がかき立てられる感じがあって、ちょっとテレビを見る目が変わりました。
ちなみにオンエアではカットされていましたが、実は収録中、私もけっこう長尺で話した場面がありました。
収録の中盤で教育系のVTRを見るコーナーがあったんですが、そのVTR後でスタジオトークに戻った時に、手を挙げて「ちょっといいですか?」と割り込んで、自分の経歴やVTRに関連した教育に対する熱い思いを語ったのです。
最初は「もともと高卒フリーターで30歳から東大受験して受かった」という珍しい経歴のおかげで「おおーすごい」という反応がスタジオ中からあったのですが、その後延々と真面目な話を続けてしまったので、何もバラエティ番組的には面白いところがありませんでした。
最初はさんまさんも私の話を「おお、そうか」「おー、ほんで?」と何かイジれそうなところを探りながら一生懸命聞いてくださっていたのですが、途中で「あ、もうこいつはアカン。笑いが生まれそうにない」と判断されたのでしょう、私の話を「もうええ!」とぶった切って、そのまま次のテーマに移られたのです。
その場面は丸々カットされていたので、放送を見た時はちょっとガッカリしましたが、「まあでも素人をイジらせたら日本一面白いと言われているさんまさんが諦めるほどなんだから、自分はある意味で日本一つまらない人間という称号を手に入れたんだ」と思うと、まあそれもいいかなと(笑)
それも含めて、非常に思い出に残る一日でしたね。
チャンスがあればまた出てみたいなあ。
今回書ききれなかった収録のこぼれ話はたくさんあるので、何か機会があればまたご紹介したいと思います。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!