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かじのマブダチ
私の大事なお友達。お友達という表現もあっているかどうかわからないけど大切な人。
それはかずちゃんだ。
かずちゃんは私が仙台で勤めていた時に一緒に働いた。
夫の同僚でもある。
元々名古屋の人だったが(夫も)、東日本大震災の復興支援の仕事で仙台に来たのだ。
かずちゃんは今60歳。
私たちは今名古屋にいる。
23歳年上だけど、敬語は使わないし遠慮もしない。
夫婦関係に悩んでいる時も、嫌なことがあった時もかずちゃんに話したくなる。
嬉しい話をしたくなる人ではなく、嫌なことを話したくなる人だ。
腕毛
かずちゃんは腕の毛がふさふさだ。
そして、半袖が大好き。
暑い季節がやってくると、会社で誰よりも早く半袖のワイシャツを着ていた。
隣に座ると、腕に腕毛が突き刺さってくる。
(私が長袖を着ていてもだ。私たちは座るとなぜか密着してしまう)
「痛い!」と私が言うと、とても喜ぶ。
小学生がそのまま大人になったみたい。
カッパになる
9年前にかずちゃんは単身赴任が終わり今は名古屋にいる。
私が結婚して、名古屋に来てからかずちゃんと会ったのは一回だけ。
「かずちゃんに会いたい」
と言ってもはぐらかされてばかり。
電話とLINEはよくしている。
ある日、夫にかずちゃんの写真撮ってきてとお願いした。
隠し撮りをしたのだろう。
後ろからの写真だった。
後頭部を見るとハゲていた。
カッパのようだった。
以前から髪の毛は薄く、
「どうして腕毛はふさふさなのに、髪は薄いの?」と常々聞いていたことを思い出す。
「かずちゃん、カッパになっちゃったの?」
と夫が撮った写真とともにLINEした。
「だからダイエーで買わないといけなかった。」と返事が来た。
私たちがまだ仙台にいた頃、よく2人でダイエーに行っていた。(今はイオンになっている)
そこにウイッグのショップがあった。
ウイッグを整えたのだろうか、髪の毛がビニールに入って捨ててあったのだ。
「俺のこと好きなら拾ってきて」とかずちゃんは冗談で言っていた。
「嫌だー」と私。
2人でゲラゲラ笑い合っていた。
くだらない事ばかり毎日やっていたと思う。
そのことを覚えていたのだろう。
かずちゃんといた仙台が懐かしく思えた。
かずちゃんの取り合い
先日、嫌なことがあってかずちゃんに電話した。
私は嫌なことがあると、かずちゃんに聞いてもらいたくて仕方がなくなる。
自宅の2階で話していたが、1階から夫がやってきた。
「かじ(夫)帰ってきた?」とかずちゃん。
スピーカーにしているので私が誰と話しているかすぐわかる。
夫がかずちゃんと仕事の話をし始めた。
娘も合間に「かずちゃんはきゅうりが好きなの?」と質問している。
(カッパだからね…)
30分経過。
だんだんイライラしてきた。
ようやく夫が電話を代わってくれた。
「なんで私と電話してたのに、夫と喋るのよ!」
とやきもち丸出しでキレる。
「ごめんね」と笑うかずちゃん。
小さな三角関係なのだ。
この記事は3/20の世界幸福デーに向けた「#コンパッションアドベントカレンダー2025春」の3日目の投稿です。
各回共通のテーマは「日常で見つけた幸せ」「あなたと私の幸せ」。