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「GAはアマゾンのように成長するポテンシャルを秘めている」GAテクノロジーズ新執行役員・佐藤将之 就任インタビュー

2023年5月1日、株式会社GA technologies(GAテクノロジーズ)の執行役員 CEOオフィス室長に、佐藤 将之が就任しました。

※プレスリリースはこちら

今回の記事では、佐藤の経歴や就任の背景、そして今後の目的・意気込みについてインタビュー形式でお届けします。

Profile

佐藤 将之(Sato Masayuki) アメリカの大学を卒業後、セガ・エンタープライゼス(現セガサミーホールディングス)を経て、2000年、アマゾンジャパンへ入社。サプライチェーン部門にて、サイト立ち上げのための調達システムの立ち上げ、および物流設計を行う。2003年に書籍調達部門の責任者に就任。2005年、オペレーション部門にてディレクターとして国内最大級の物流ネットワークの発展に寄与。2016年に退社後は、経営コンサルタントとして企業の成長支援に関わる。

アメリカで実感した、インターネットの力

ー まず、これまでのキャリアについてお聞きします。アメリカの大学に進学されていますが、もともとグローバル志向が強かったのでしょうか?

私が高校生だった頃は、いわゆる一般的な家庭でも海外留学ができるようになった時代でした。当時は円高でしたし、アメリカの大学の授業料も今ほど高くなかったため、金額的には上京して私立大学に行くのとあまり変わらなかったんです。留学する友人も多かったので、「それなら」と挑戦してみました。

アメリカでの大学生活は、驚きの連続でした。みなさん非常にフランクで、誰にでも親しく接しますし、コミュニケーションも上手いと感じました。さまざまな国からいろんな文化を持った民族が集まり、互いを知るために積極的に交流する光景は、非常に新鮮でしたね。カルチャーショックを受けながらも自由な環境で学生生活を送らせてもらいました。

ー その後、日本でセガ・エンタープライゼス(現セガサミーホールディングス)に就職されます。

アメリカへ進学する条件として、両親と交わした約束に「就職は日本で」というものがありました。英語を話せることはその後のキャリアで武器になると思っていたので、約束どおり帰国し、海外に関わる仕事を探しました。ゲームも好きでしたし、海外事業に関われるということでセガに入社しました。

入社して5年後の1999年にSega of America, Inc.に出向し、ドリームキャストの海外展開プロジェクトに参加しました。当時はまさにインターネットバブルの時代。サンフランシスコで生活しているだけで、「シリコンバレーのこの会社がすごい」などインターネット企業に関する情報が毎日のように飛び込んできました。「インターネットの力はすごい。いま知っておかないと乗り遅れる」と感じましたね。

そんな時、社内でネット販売した商品がクリスマス当日に届かないという出来事がありました。社内会議で「最近出てきたばかりのアマゾンでも当日に届いているのに」という言葉を聞き、初めてアマゾンの存在を知りました。早速アマゾンにアクセスし、試しに希少な本を買ってみたところ、2日後に届いたので本当に驚きました。

そこで日本に帰国し、インターネットビジネスを展開する会社を探し始めました。そこでたまたま紹介されたのがアマゾンです。サプライチェーン部門で募集があると聞き、すぐに決心しましたね。

アマゾンジャパンでの経験を活かしたい

ー 2000年7月、創業すぐのアマゾンジャパンに入社されました。

私の社員番号は17で、まだひとつの会議室に社員全員がおさまるくらいの規模でした。今後入社する人のために、当時の社員みんなでLANケーブルを各席に配置したのもいい思い出です。

その後は書籍調達部門の責任者を務めたり、オペレーション部門のディレクターとして物流ネットワークの構築を担うなど、さまざまな分野に関わらせてもらいました。急激に規模が大きくなり、展開する事業も増え、目標もどんどん高くなっていく過程を体験できたのは非常に幸運だったと思います。2000年当時は何もない状況からのスタートでしたが、2016年に退社する頃には、売上1兆円規模になっていました。

ー アマゾンジャパンを退職されたのはなぜでしょうか?

40代になり、ふと今後のキャリアを考えたときに「これまで経験していないことに挑戦してみたい」と思ったんです。その際、真っ先に浮かんだキーワードが「食」でした。日本の食文化を継承していきたい、海外の人が日本の食文化に興味を持ってくれたときに正しく伝えられるようになりたいと思ったんです。メディア運営などの情報発信も考えましたが、それ以上に「自分の好きな料理を通して日本の食文化に貢献したい」と思いました。早速調理学校に入学し、日本料理をみっちり学びましたね。

アマゾンで数字管理や組織運営は経験しましたが、自身で飲食店経営をするためには食材の仕入れや衛生管理などを学ぶ必要がありました。そこで、アルバイトとして飲食店で働き始めました。

同時期に、スタートアップ企業からたまたま物流に関する相談を受けたんです。そこで私の経験やノウハウを伝えると、目をキラキラさせて早速実行に移していました。その打てば響くような感覚が印象に残り、「自分の知識を必要とする人に伝えたい」と思うようになりました。それでアマゾンの組織運営に関する書籍を出版した後、コンサルティングの会社を立ち上げたんです。

多くの壁を超えてきたからこそわかること

ー 佐藤さんがGAテクノロジーズを知ったのはいつですか?

代表の樋口さんから、個人的にコンサルティングを依頼されたのがきっかけです。若い経営者ですし、スタートアップからここまで会社を大きくした経緯を聞き、「会社が大きくなるにつれて向き合うべき課題やその対策については、自分が貢献できることが多そうだ」と思いました。

決定打になったのは、「会社をもっと良くしたい、海外展開を進めて企業価値を高めたい」という樋口さんの熱い思いです。私は、経営者に最も必要な資質は熱意だと思っているので、ぜひ手助けがしたいと思いましたね。コンサルタントとして、最初の1ヶ月で経営陣にヒアリングを実施し、いま抱えている問題意識や直面している課題を徹底的に洗い出しました。

コンサルタントとしてGAテクノロジーズには9ヶ月間関わったのですが、最も印象的だったのは、関わった若手社員がとても優秀だったこと。もちろんアマゾンにも優秀な社員はたくさんいましたが、GAはそれを超えていると感じました。とにかく仕事が早いんです。何かアドバイスをすると、すぐに実践して、翌週にはその結果を教えてくれる。スピード感と素直さ、実行力には目を見張るものがありました。「この会社のポテンシャルはすごい。アマゾン同様に成長するに違いない」と思いましたね。

この一人ひとりのパワーや努力を、狙ったポイントに効率的に伝える仕組みが構築できれば、非常に大きなことが達成できると感じました。「ボトルネックを解決し、さらなるスケールアップを実現したい。アマゾンが人々のライフスタイルを変えたように、GAテクノロジーズは不動産業界のあり方を変えられる会社だ」と思い、入社を決意しました。

ー 樋口の熱意と、若手社員の優秀さが決め手だったのですね。

組織が急激に大きくなると、さまざまな壁にぶち当たります。しかし、最前線でビジネスをしているときに、当事者が「これが壁なのか」と気づくことはほぼ不可能です。いつも何かの壁にぶつかり、問題解決をしながら進んでいくのが成長企業の実態でしょう。GAも、創業から売上10億円規模、100億円規模と壁を超えてきていますが、当時は「毎月の目標を達成できるか」と、目の前の課題で必死だったはずです。

私はかつて、アマゾンでたくさんの壁に向き合い、それを超えてきました。また、コンサルタントとして複数の企業を見てきた経験も、今後に活かせると考えています。会社の売上規模と、そのフェーズで抱える課題には不思議なほどに共通点があるものです。

テクノロジーを活用し、GAグループをさらなる高みへ

ー 今後、佐藤さんが執行役員として取り組みたいことを教えてください。

まずは、業務改善を通じてRENOSYマーケットプレイス事業を次のステージに進めることが私のミッションです。業務効率が上がる仕組みを整え、販管費を適切な範囲でコントロールします。

RENOSYマーケットプレイス事業で私が実現したいのは、「不動産という物の流れ」をスムーズにすることです。仕入れから管理、そして売却に至るまで、お金や人、時間などの無駄をできるだけ排除し、キャッシュフローや人件費、リードタイムを改善したいと考えています。コンサルとして関わった9ヶ月間で課題もある程度見つかったので、早急に改善していきたいですね。

さらに、事業計画や人員計画、さらに採用や組織開発にも取り組んでいきます。規模が大きくなるにしたがって、どんな会社もある程度は同じ課題に直面します。アマゾンでの経験を活かして、次の課題を予測して先手を打っていきます。今後GAグループが見据える、さらなる事業展開や海外進出に向けて、成長が止まらないようにしたいですね。

ー 既存事業のオペレーションをはじめ、CEOオフィスとしてさまざまな領域の業務改善を進めるのですね。

GAグループは不動産をはじめ、さまざまな産業のDXを推進しています。どの分野も、現段階では人が介在する必要性がありますが、お客様が望むのであればどんどんテクノロジーに変えていけると思っています。時間や場所を考慮せずに済むなど、テクノロジーの恩恵は計り知れません。人でなければならない部分を残しつつ、テクノロジーでどこまで効率化できるかを考えていきたいと思っています。テクノロジーを活用することで煩雑な処理を合理化し、対面でないと成り立たなかったものが、ネット上で済む世界が実現できると思っています。GAテクノロジーズは、既存ビジネスのDXという点では日本のトップランナーだと確信しています。自分の知識やノウハウを活用して、この会社をもっと成長させていきます。


撮影:今井淳史

※本記事は作成時点での情報を参考にしております。最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。

EDITOR’S PROFILE

浅野 翠2011年に早稲田大学を卒業後、インターネットイニシアティブ(IIJ)やビズリーチで人事を務める。2018年、GAテクノロジーズに入社。2020年8月より広報を担当。趣味は筋トレと、飼っているうさぎ。Twitter:@midoriii1221

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