日本の不動産はお買い得?海外投資家が日本不動産を購入する理由!
こんにちは。GA technologies(ジーエーテクノロジーズ)グループ PRチームです。
いま大きく変わりつつある不動産業界に関する情報をお届けするマガジン「オープンファクトブック」。不動産業界のニュースや課題、業界を知る上で欠かせないキーワードなどを解説します。
今回のテーマは、海外投資家から見た日本不動産投資の魅力についてです。外国人から見た日本の不動産投資に関するファクトをまとめていきます。
注目を集める日本不動産
2021年の国内不動産投資額は約4兆5,000億円で、日本の不動産投資市場の30%を海外投資家が占めていることが2022年4月アメリカ大手の事業用不動産サービス会社CBRE株式会社(シービーアールイー、以下「CBRE」)が発表した「Demand from foreign investors likely to remain robust in 2022(訳:海外投資家の需要は引き続き堅調、2022年も堅調に推移する見込み)」のレポートで明らかになりました。
2021年は、2015年から2019年にかけて記録した24%をわずかに上回る30%という記録に。他国と比較しても、不動産投資市場の取引高に大きな変化はなく、コロナの状況下でも海外投資家の日本不動産投資に対する関心が高いことが伺えます。
またCBREの「JAPAN 投資家意識調査2022」によると、2021年度、海外投資家が選んだアジア太平洋地域で最も魅力的な都市ランキングでは、3年連続で東京が1位という結果に。日本の地方都市は8位にランクインし、大阪も10位にランクインしました。
最近は日本のメディアでも、円安の影響もあり、海外投資家の日本不動産投資に関する報道が目立つようになりました。
オフィス、物流施設、住宅などへの投資が広がる中、区分マンションや民泊、旅館など東京を中心に地方も含め物件・ロケーション共に幅広く投資対象になっています。
ではなぜ、海外投資家は日本の不動産に投資するのでしょうか。今回は増加する海外投資家の日本不動産投資について、その理由をいくつか紹介します。
海外投資家から見た日本不動産の魅力
海外投資家における日本不動産への投資理由として、価格、利回り、購入ハードルの低さ、地政学的リスクの低さなどがあげられます。まずひとつが、不動産の価格です。
世界主要都市に比べて割安な「価格」
一般財団法人日本不動産研究所が2022年5月に発表した、第18回「国際不動産価格賃料指数(2022年4月現在)」の調査結果によると、世界の主要都市に比べ東京のマンション/高級住宅価格が割安であることがわかりました。
分譲単価の各都市比較指数のグラフを見ると東京の港区元麻布地区を100と指標した場合、最も高い香港は218.2と日本の2倍。その次にロンドン181.3、台北147.8と分譲単価の差が明らかです。この表から世界主要都市の中で東京の物件価格は他の主要都市と比べ、割安だと言えます。
賃料ゆえに高い「利回り」
一方賃料で比較してみると、東京はロンドン、ニューヨーク、香港、シンガポールに次いで賃料が高いです。
上記2つの表から東京の物件は他の都市と比較して割安で購入できる一方で、比較的高い賃料が得られることから、利回りの高い投資と言えます。
中華圏最大級の日本不動産投資プラットフォーム*「神居秒算」の代表・趙も、日本不動産が投資対象として人気である理由のひとつに利回りの高さがあるとコメントしています。購入価格が1000万円前後でも利回り4 - 6 %の物件が多く、2019年から2021年にかけて個人投資家からの問い合わせが増加していると言います。
*神居秒算社(NeoX株式会社)調べ:「インバウンド不動産投資ポータルサイトの物件掲載数(2020年4月末時点)」をもとに
外国人投資家における「購入ハードルの低さ」
国によって不動産購入に関する条件や規制は異なり、外国人の不動産投資に規制を設けている国も多数存在します。
例えば中国では、土地は国家のものであり、国民であっても購入・所有することはできません。家を建てる際は、その土地を使用する権利を得るために使用料の支払いが必要です。
またシンガポールは、外国人による土地の購入や所有は禁止。オーストラリアは、居住していない外国人による中古物件の購入に制限があります。条件を満たせば非居住外国人でも新規の土地を購入したり、家を建てることもできますが、7%の追加料金がかかるため、現地の人と比較すると外国人が購入するハードルは高いと言えます。
このように国によって不動産の購入における規制や追加課税がある中で、日本にはそういった規制がありません。海外から外国人が日本の不動産を購入する際、特別な規制や課税がないため、日本国内で日本人が不動産を購入するのと法的、コスト的な条件は同じです。
先ほど紹介したオーストラリアのように、外国人購入者に対して追加料金を設けていないため、外国人にとって不利益が少なく、他国と比較すると日本不動産への投資は外国人投資家にとってハードルが低いのです。
地政学的リスクの低さ
Institute of Economics and Peace (訳:経済平和研究所)が世界196か国の内、163か国を対象に毎年発行しているGlobal Peace Index レポート(訳:世界平和度指標数)によると日本は、安全な国世界第10位に選ばれました。163か国を対象にしたレポートは、国際・国内紛争、軍事化、社会の安全・安心など各国23の異なる指標をベースに数値化され、安全か危険かを判断しています。
上記のような結果から他国と比較して日本は地政学的リスクが低く、海外投資家から安心して投資できる国として評価されています。
円安
24年ぶりに、一時1ドル=138円台(2021年7月13日時点)を記録し安値を更新している今年、円安も海外投資家が日本不動産はお買い得だと感じる要素のひとつとなっています。
今年7月13日の日本経済新聞にて「不動産投資、円安で活況 利回り世界的に高く」という記事が紹介され、外国人が日本不動産に投資していると紹介されていました。
中華圏最大の日本不動産投資プラットフォームを運営する株式会社神居秒算の代表・趙も「円安の影響でサイトへのアクセス数が増加、従来の価格より安く購入することができるためバーゲンセールのような価格だ」とメディアへのインタビューで答えています。また「円安は一時的なものと考える人が多いため、将来円が回復した際に購入した物件を売却しキャピタルゲインを狙う投資家も多い」ともコメントしています。
不動産タイプ別に見る投資物件の特徴とニーズ
では実際に海外投資家が日本のどのような不動産タイプの物件に投資をしているのか、CBREの「Real Capital Analystics、CBRE、2020年Q4」レポートとグラフを参考に解説します。
物流施設
CBREの2020年「Real Capital Analytics、 CBRE 2020年Q4 」レポートによると物流施設への投資額は、前年比66%増の34億ドル(約4000億円)となり、2005年以降では最大規模を記録。海外投資家による物流施設への投資が増加しています。
下記のグラフからも、海外投資家からの主な投資対象として2021年度は物流施設・インダストリアルが最も投資されていることがわかります。これは、コロナの影響で巣ごもり消費が増加、EC市場が拡大したことから物流施設に関心が集まっていることが背景にあります。
下記のグラフは、10年前の2012年から比較したEC市場規模と物販系EC化率を表しています。2010年以降右肩上がりで増加し、2019年は物販系EC化率は6.76%、EC市場規模は19.3兆円まで成長していることがわかります。
このような背景から海外投資家もリアル店舗に比べて3倍程度のスペースが必要と言われる物流施設の確保に着目し、投資物件として購入しています。
オフィス
2019年から2020年にかけてオフィスの取引金額は減少していますが、ポストコロナを見据えた長期投資の観点からは、オフィスに対する投資家の関心は高く、市場規模が大きく流動性が高い賃貸オフィスは、投資対象として人気があります。
これらは、投資家がオフィスに対してテナント層が厚いことや、まとまった投資規模を一取引で確保できる案件が多いことなどを評価していることがあげられます。
また、投資対象として人気な理由として、日本がアジアの主要都市と比較しオフィスの賃料価格が低額なこともあげられます。2022年6月に発表された大和不動産鑑定の「アジア・オフィスプライス・インデックス(2022 年第1四半期)」によると 東京のAクラスオフィスビル床単価は1万834ドルで、香港、シンガポール、北京、上海と比較しても安価です。
2022年第1四半期 Aクラスオフィスビル床単価
▼東京:1万834ドル(QoQ-1590ドル)
▼北京:1万5235ドル(QoQ+80ドル)
▼上海:1万3203ドル(QoQ+69ドル)
▼香港:2万3741ドル(QoQ-341ドル)
▼シンガポール:1万7545ドル(QoQ+651ドル)
※床単価は共用部分を含む1m2あたりのグロス額。第1四半期は1月~3月。QoQは前四半
住宅
日本の不動産投資市場を物流と共に支えたのが、賃貸住宅です。都内を中心に高い稼働率からもたらされる安定したキャッシュフローは、海外投資家からも魅力的な投資先として認知されています。
区分マンションの需要は、首都圏や関西圏を中心に学生・単身赴任者・社会人・外国人などから高く、ジョーンズ ラング ラサール株式会社(以下、JLL)のレポートでも2018年以降、家賃が緩やかに上昇カーブを描いており需要の高さが伺えます。
安定したキャッシュフロー(賃料)を得られる上に、売却の際のアップサイドも見込めると考える投資家が多く、優良な投資先として認知が進んでいます。
中華圏最大の日本中古不動産紹介プラットフォーム「神居秒算」も直近の円安の影響もあり、2022年2月から7月にかけてサービスサイトの閲覧者数が30%増加しました。
神居秒算は、中国本土・香港・台湾エリアの投資家が多く、95%が個人の投資家です。主な顧客は30代〜40代の中間富裕層で、日本の不動産投資初心者が多く、購入対象は都内の区分マンションで、価格は1500万円前後に集中しています。
中国本土では土地は政府が管理しているため個人が購入できません。上海や主要都市では、購入できる不動産件数の数が限定されています。そのため、資産運用として土地も購入できる日本の不動産に関心を寄せる人が増加しているのです。
海外投資家の今後の意欲と傾向
CBREが2021年12月に実施した「JAPAN 投資家意識調査 2022」によると、2022年の不動産取得額の見通しについて「昨年より増加する」と回答した海外投資家の割合は74%と、 日本の投資家が54%だったのに対して、20%ポイントも上回りました。
レポートによると、海外投資家は物流施設と賃貸マンションの価格について、「売主の希望価格を上回る」と強気の価格水準を想定しています。実際に、物流施設の価格について海外投資家は、「売主の希望価格を上回る」と43%が回答し、日本投資家の27%を大きく上回りました。
賃貸マンションについても日本の投資家が売主の希望価格を上回ると回答したのが19%だったのに対し、海外投資家は38%と約2倍の予測となりました。 安定性の高さだけでなく、都市によっては賃料上昇も期待できることが高い意欲につながっていると考えられ、今後も日本不動産に海外投資家の資金が集まると考えられます。
出典・参考
2022 Japan Investor Intentions Survey CBRE
Demand from foreign investors likely to remain robust in 2022
JAPAN 投資家意識調査 2022
国際不動産価格賃料指数(2022年4月現在の調査結果) 一般財団法人不動産経済研究所
JAPAN Investor Intention Survey 2021
Real Capital Analytics, CBRE 2020年Q4
Global Peace Index 2022
神居秒算調査アンケート
「都市部国有地使用権の譲渡に関する暫定条例」より日生基礎研究所が作成不動産投資、円安で活況 利回り世界的に高く 日本経済新聞
不動産市場ショートレポート(8回シリーズ)
大和不動産鑑定 アジア・オフィスプライス・インデックス(2022 年第 1 四半期)
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代表者:代表取締役社長執行役員 CEO 樋口 龍
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本社:東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー40F
設立:2013年3月
資本金:72億2481万6203円(2022年3月末時点)
事業内容:
・ネット不動産マーケットプレイス「RENOSY」の開発・運営
・SaaS型のBtoB PropTechプロダクトの開発
主なグループ会社:イタンジ株式会社、株式会社RENOSY PLUS、株式会社神居秒算など他10社
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