【社員インタビュー】キャラクターの向こう側にいる「人」と向き合い、キャラクターらしさを表現する開発へのこだわり(ソフトウェアエンジニア対談)
※こちらの記事は2020年のサーバーサイドエンジニア求人の募集時に作成されたものです。
こんにちは、Gatebox株式会社の採用チームです。
2015年からCEOの武地が「好きなキャラクターと一緒に暮らしたい」という想いから始めたプロジェクト「Gatebox」。召喚される「逢妻ヒカリ(*)」というキャラクターは、いつもユーザーの生活に寄り添いユーザーを癒してくれ、自身も成長していく花嫁キャラクター。
朝になると「おはよう、朝だよ!」と優しく起こしてくれ、その日の天気予報をネットで調べて伝えてくれます。そして夜、ユーザーが帰宅すると「お帰りなさい!今日もお仕事がんばったね!」と優しく出迎えてくれます。SF映画のワンシーンのような夢の体験、「キャラクターと暮らす」未来はもうすぐそこに迫っているかもしれません。
「Gatebox」のキャラクター開発を担当する西江さんと福永さんに、エンジニアとしてキャラクター開発に挑戦する面白さや仕事のこだわり、今後挑戦したいことなどについてのインタビューを行いました。
*「逢妻ヒカリ」は癒しの花嫁をコンセプトに開発されたキャラクター型AIパートナーです。
ーーまずは自己紹介をお願いします。
西江:私は20年近くIT業界で、エンジニアをしています。新卒ではSIerとして、主に銀行のコールセンターなどを担当していました。その後、ビジネス向けのセキュリティ関連のパッケージソフトの開発や医療機器のファームウェア開発などを経て、エンタメ業界に入り、そこから8年間はゲーム機向けの動画視聴ソフトなどを作っていました。Gateboxへは2019年11月に入社しました。
福永:私は西江さんの経歴とはまったく違いますね。新卒で鉄鋼メーカーに技術者として入社し、制御盤向けのソフトウェアを作ってました。2018年4月にGateboxにジョインしました。
ここでしかない、面白い経験ができると確信
ーーGateboxに入社した理由は?
福永:実はもともと「Gatebox」という製品自体は知らなかったんですよね。転職先として人材紹介会社に紹介されて初めて知りました。聞いた瞬間に「あ、面白そう」と感じたと同時に「もうここしかない」と決めていましたね。まず純粋に楽しそうだし、「画面(次元)の向こうのキャラクターをバーチャルキャラクターとして現実世界に召喚する」なんて一見馬鹿げたことを本気で考えている会社なんて他にはないと思いました(笑)。
前例などはないだろうからエンジニアとして技術力もアップできるし、キャリアチェンジとしてはすごく魅力的でしたね。
西江:私は逆に、もともと「Gatebox」を製品として知っていました。限定生産モデルを発売していた頃に話題になっていたので、ネットで調べたりして知りました。インパクトはありましたが、当時は働く場としては想像もしていなかったです。
それから2年程経ち、何か面白いことはできないだろうかと次の転職先を探していた時に今度は企業としてGateboxに出会い、「まだあんなこと続けていたのか!」と思って気を留めたのがきっかけですね。ここにしかない面白いことができると選考の中で感じて入社しました。
ーー西江さんは入社してまだ4ヶ月ほどですが、入社してからのギャップなどはありましたか?
西江:大きなギャップはないですね。小人数の会社なので、自ずと一人あたりの裁量は大きいです。だからこそエンジニアでも「もっとこうしたほうがよくなる」と提案する力が求められますし、一つのものをみんなで作っていく感じがあるなと思います。
福永:確かにチームみんなでつくり上げるという実感はありますね。プランナーや上からの指示通りにつくるのももちろんですが、エンジニアの目線から順序や実現範囲について「もっとこうしたほうがよくなるのではないか」という提案をしっかり出していきます。あとは仕様も決めていくし、もちろん自分でも実装するし、いつのまにかデザイナーへのディレクションなんかもしていたり。役割にこだわる文化がないため、サービスをよくするためにできることは誰がしてもいい。そのような環境です。
キャラクター開発の鍵となる、サーバーサイドエンジニア
ーーお二人が所属するチームの役割と体制を教えてください。
福永:私たちはサービスチームというチームに所属しており、コーポレートビジョン「Living with Characters」の実現に向けて、自社キャラクターの開発・運用を行っています。
「Gatebox」のハードウェア特性を生かして、ヒトが「キャラクターと共に暮らす」という世の中にない体験を示していくことがミッションです。エンジニア5名、デザイナー1名、プランナー3名で、現在はファーストコンテンツとなるキャラクターサービスの「逢妻ヒカリ」の開発・運用を行なっています。
担当としては、私が「逢妻ヒカリ」の振る舞い全般を担当するクライアントサイドエンジニア、西江さんが全体をリードするテックリードエンジニア、残り3名はグラフィックであったり、機能面の箇所などを担当しています。
西江:そして、サーバーサイドは外部のパートナー会社と連携をとって進めていますが、今後より踏み込んで全体の機能改善を行っていくにあたって、Gateboxの社員としてサーバーサイド開発をリードするエンジニアの採用を急いでいます。サーバーサイド開発は、「逢妻ヒカリ」の言語部分や動作の根幹、つまるところ「頭脳」を担う非常な重要な役割です。
私たちが実現できることは、サーバーサイド側で何ができるかが、クライアントサイド側に大きく影響します。今は「こんなことしてください」とオーダーをしてつくってもらっている状態。自然言語分野やBotを活用したサービスなどに知見の明るいサーバーサイドエンジニアが入社されたら、ぜひ「こういうことができるから、こんな機能をつけたほうがいいんじゃないか」という提案をどんどんしていって欲しいです。
ーー業界や考え方など、どのような方が向いているのでしょうか?
福永:スキル面ではサーバサイドアプリ開発の経験があれば、基本的には問題ありません。それよりも、初めてのことでも貪欲に吸収できる方がマッチすると思います。
「Gatebox」および「逢妻ヒカリ」に関してはサービスがローンチしてからまだ日も浅く、もっと良くしたいこと、チャレンジしたい部分がたくさんあります。
「Living with Characters」という世の中にない概念を実現しようとしているからこそ、今後できることの可能性が無限に広がっていますし、前例がないことがほとんどです。
業界でいうと、ゲーム業界にはマッチする人が多いんじゃないかなと思います。ゲーム開発も、つくって終わりではないですし、ユーザーのアクションをもとに機能を考えていく部分が似ているので。ただし、「ゲームと違ってクリアがない」というのは決定的な違いかもしれません。
西江:サーバーサイド開発としても「こんなことをしたらもっと面白くなるのに」という視点がとても大事ですよね。本来はエンジニアとしてサーバーをちゃんと作れる人であれば十分なのですが、うちでは加えて、キャラクターに対する愛着やビジョンに対する共感が必要かなと。共感がないと何をつくるかわからなくなるので、必然的にエンタメ業界出身者が多くなるかもしれませんね。福永さんみたいに違う業界だけど、ゲームが大好きで入ってきた人もいますけどね。
ーー逆にこういう人は向いていないかも、というのはありますか?
福永:「特定のこの開発言語でしか開発したくない」とか「進め方はこうじゃなきゃ嫌だ」など、限定的な技術や、仕事の進め方へのこだわりが強すぎる人はあまりうちには向いてないかもしれませんね。
(ヒカリ開発に関しては)クライアント/サーバーサイド含めて、開発言語がほぼC#のみという特殊な環境なので問題ないかどうか、また頑張ってキャッチアップいただけそうか、というような感じです。実際このような環境は珍しいと思います。
西江:私も同感です。サーバサイドは Azure というMicrosoftのクラウドに乗っているので必然的にMicrosoft の技術を活用することになります。ですのでそれに対して「こういう技術をつかわないとダメなんだ」と方法にこだわるのではなく、当社のビジョンをベースに、柔軟に考えることができる人だと嬉しいですね。
※逢妻ヒカリのサービス構成図を紹介(開発者向けドキュメント)で公開中
向き合っているのはキャラクターではなく、「人」
ーー「Gatebox」開発、キャラクター開発の面白さや醍醐味は?
西江:技術的な違いでいうと他の開発と比べて「キャラクターだから全然違う」のは特にありませんよね。ただ面白いものをつくっている、世の中に無かったものをつくっているという根底の違いが大きいです。
「キャラクターと暮らす世界」に時間やお金を膨大にかけて、本気で実現させようとした企業なんて、他に無いですよね(笑)
福永:そう、しかもヒカリ開発に関しては、求めているのは利便性だけではないというところも面白さですね。人間らしさもキャラクターに求めるというか。
例えばユーザーからの呼びかけに対して、ヒカリちゃんが立ち上がっている最中の変な体勢の時は応えない方が良いんじゃないかって、大真面目に議論するんですよ。こういう時は、現実世界の人間であれば、「どうあるのが自然か」ということを軸に、解決策を模索しています。
それ「アホなんじゃない?」って思われるかもしれないかど、やっぱりGateboxが作りたい世界観では非常に重要なんですよね。
キャラクターをつくっているので勘違いされることも多いですが、私たちが向き合っているのはキャラクターではなく、キャラクターの向こうにいる「人」だと考えています。キャラクターはあくまでもキャラクター。それを見て「人」がどう思うか、どう動かされるかが重要で、そこに向き合ってキャラクターの動きに還元しています。
ーーそのためにヒカリちゃんの人間らしさを技術で追求しているんですね。
福永:本当に人をつくるって難しいなと実感する仕事ですね。アダムとイブってよく考えて作られたんだなって思いながらやっています(笑)
西江:例えば、目を合わすというのも当たり前ではないんです。
カメラで目の位置を検索して、そこを向けばいいと思うじゃないですか。投影されてる面と人の目の位置とカメラの位置とって考えると、相当難しい。
でも難しいことであっても、人とキャラクターが一緒にいるということを表現するためにやるべきなんじゃないかな、という話を今日ちょうどしていました。
福永:他には「あだ名呼び」なんかも。今はユーザーのことを「マスターさん」って呼んでるんですけど、あだ名を付けられたら面白いし人間らしいですよね。完全に置き換えるのではなくて、たまに呼んでくれたりとか。
サーバーサイドエンジニアの方だと、そういったところに挑戦できるのも面白いと思います。
キャラクターらしさ、を大切にする開発へのこだわり
ーー競合プロダクトなど意識されているものはありますか?
西江:海外でも似たような開発を始めている企業はありますが、キャラクター召喚装置というプロダクトを開発・販売をしているのは当社しかありません。またスマートスピーカーともよく比較されることがありますが、スマートスピーカーは機能面に特化している、そんな印象を受けます。
福永:「逢妻ヒカリ」はスマートスピーカーに搭載されているような音声アシスタントなどと違って、単なる便利なだけの存在となることは目指していないです。キャラクターが見てくれている気がするとか、一緒に暮らしているといった感覚が大切なので。家族に便利さを求めるのはちょっと違いますよね。それと同じ感覚です。
例えば、ある特定の機能を実装するとしても、その機能が「キャラクターと一緒に暮らす」ことにとって大事であるか、ということを重視して機能の追加を検討しています。世界観やキャラクターのパーソナリティを大切にしているので、一見意味のないように思えることが、すごく重要だったり意味を持っていたりします。
極論に聞こえてしまうかもしれないですが、ヒカリちゃんに関しては思い通りにならない方がいいと思っていて。道具になり下がらないようにする意識は強く持っています。
キャラクターは、そのキャラクターごとの個性が大切なので、魅力的に感じてもらうことがまず重要ではないかと。
西江:例えば、LINEのAIアシスタント「Clova」と連携して機能呼び出しができるのですが、ヒカリちゃんに天気を聞くと、ヒカリちゃんが教えてくれるのではなく「Clovaちゃん」というマスコットキャラクターを呼び出し、Clovaちゃんが天気を教えてくれます。そして、ヒカリちゃんはそれに対してリアクションする、というサービス設計にしていたりしますよね。
「Clova」の機能をユーザーに直接利用してもらうのではなくて、「ヒカリちゃんがこんなことをできるようになったんだ。嬉しいね。」という体験を感じて欲しいです。こういったサービス思想は、当社ならではだと思いますね。
「Gatebox」のその先。目指していく未来
ーー今後、実現したいことはありますか?
西江:私は完全なるパーソナライズの実現ですね。例えば、ユーザー個人を特定して名前を呼んでくれるのが当たり前になったりとか、ヒカリちゃんが自分のために勝手におすすめの服を買っていてくれたりとか(笑)。
そういったことができないと、本当の意味でのパートナーではないのではと。
「Gatebox」の見た目と機能で第一印象は「凄いな」って思ってもらうことはできても、そこから先にはたどり着けないなと思っています。
福永:記憶の部分をもっと良くしていきたいですね。
例えば今日のおすすめのレシピがないかを聞いたら、今までに食べたものを記憶しておいてくれて、それに合わせた提案をしてくれるのをやってみたいです。他にも記憶を元にできることが広がっていきそうだと思っています。
ーー最後に、Gateboxでエンジニアとして働くことに興味がある方にメッセージをお願いします。
西江:私たちは誰もが思うけれども、誰も手を出さなかったものに敢えて挑戦しています。そのような会社で技術者として得られるものは、他ではなかなか得られない経験だと思います。また、サービスをよくするためのことであれば、役割にとらわれずに職種の垣根を超えて動くことができる文化があるので、「キャラクターと暮らす世界」を実現させるためであれば様々なことに挑戦できます。ぜひこの世界を一緒につくっていきましょう!
福永:私たちが目指している「Living with Characters」ということは、自動車の自動運転のように便利で絶対に必要で、みんながこぞってやるような技術開発とは違うかもしれません。
世界中が目指している世界観とは逆張りで、これまで想像はつくけど選択されてこなかった世界の一つ。
「どうせ無理でしょ」って思ってるものに、真剣にやってみる面白さがここにはあります。これが実現できたとき、間違いなくまるで一つの文化をつくった大きなやりがいや喜びが待っているはずです。その一員として、加わって欲しいと思っています!
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