
【競馬】東京新聞杯(G3)有力馬考察
今週末の重賞は「東京新聞杯(G3)」と「きさらぎ賞(G3)」が行われる。
今回は「東京新聞杯」についての有力馬考察。取り上げる馬は以下の通り。
※執筆時点での「netkeiba」の想定オッズ1〜4番人気+気になる穴馬1頭の計5頭
ヴァンドギャルド(2.0倍 1番人気)
トリプルエース(6.5倍 2番人気)
シャドウディーヴァ(7.1倍 3番人気)
ヴェロックス(8.3倍 4番人気)
カラテ(22.7倍 7番人気)
◆舞台解説
東京競馬場 芝 左 1600m(Dコース) フルゲートは16頭。
スタート地点は向正面直線の右奥。
最初の3コーナーまでの直線は540mほどと長い。
1コーナーから向正面半ばにかけては高低差1.9mの長い下り坂が続き、その直後、3コーナーに差し掛かるところで、高低差1.5mの上り坂。
最初の坂を上りきった後は短い平坦部分を挟んで下り勾配が続き、4コーナーの手前からは再び若干の上り勾配に。
最後の直線は残り460m地点から300m地点にかけては高低差2mほどの2つめの上り坂が設けられている。これを上り切って残り300mの直線が続く。
このように起伏の構成が激しく、広い競馬場ということもあり、紛れが起きにくい実力が問われるタフなコースとなっている。
マイル戦でありながら、このタフなコースであることから、マイル適正だけではなく、中距離を走るスタミナが要求されるため、逃げ馬にとってはかなり厳しい展開となる。
◆好走馬の前走
・エリザベス女王杯:3−0−0−1
該当馬:シャドウディーヴァ、サムシングジャスト(抽選対象馬)
・マイル CS:2−0−1−12
該当馬:ヴァンドギャルド
・元町S:2−0−0−1
該当馬:なし
・ニューイヤーS:1−3−1−15
該当馬:サトノウィザード、ショウナンライズ
・京都金杯:1−2−3−25
該当馬:エントシャイデン、サトノアーサー、トリプルエース、ロードマイウェイ
◆ヴァンドギャルド(5歳牡馬)
父:ディープインパクト 母:スキア(母父:Motivator)
想定騎手:福永祐一 斤量:57.0kg 厩舎:藤原英昭(栗東)
競走成績:5−0−3−6
(東京:2−0−1−2・・・勝率:40% 連対率:40% 複勝率:60%)
前走:マイルCS(G1) 阪神 芝 右1600m
2年連続の出走となる同レース。昨年は出遅れがあり、中団に運ぶためにスタートから少し脚を使ってしまった。また、直線では徐々に伸びてきたところで「前が壁」となり、進路取りに失敗して6着に。進路取りがスムーズなら勝ち負けも。
安田記念も10着と大敗しているが、直線での進路取りに失敗したもの。勝ち負けは出来ずとも、仕掛けと進路取りがスムーズであれば大敗はなかった。
東京競馬場で馬券外に飛んだのは上記2走のみ。
富士ステークス(G2)では中団から追走し、4コーナーから直線にかけて外に持ち出して上り3F 最速の34.6の見事な末脚を披露して優勝。
この馬の特徴は直線で長く良い脚を使えるタイプで、全14R中12Rで上り3F 3位以内の脚を披露している。
今回の出走メンバーの中では実績・実力から最有力と見ても良いだろう。
◆トリプルエース(4歳牡馬)
父:Shamardal 母:Triple Pirouette(母父:Sunday Silence)
想定騎手:C.ルメール 斤量:56.0kg 厩舎:斉藤崇史(栗東)
競走成績:3−1−0−6(東京競馬場は未経験)
前走:京都金杯(G3) 中京 芝 左1600m
新馬戦の勝利以降は勝ちきれない競馬が続いていたが、2勝クラス、3勝クラスと連勝し見事オープン入り。明け4歳となり迎えた始動戦の京都金杯(G3)では後方からゆっくりと追走し、上り3F 2位となる33.9の末脚で追い込むも、4角5番手以内の馬で掲示板を独占という完全な前残りの決着で、届かず8着と敗れてしまった。
東京競馬場が未経験というのは割引材料である。今回はテン乗りにはなるがルメール騎手への乗り替わりは舞台を考えれば好材料だろう。
◆シャドウディーヴァ(5歳牝馬)
父:ハーツクライ 母:ダイヤモンドディーバ(母父:Dansili)
想定騎手:岩田康誠 斤量:54.0kg 厩舎:斎藤誠(美浦)
競走成績:2−5−1−10
(東京:1−5−1ー3・・・勝率:10% 連対率:60% 複勝率:70%)
前走:エリザベス女王杯(G1) 京都 芝 右2200m
2年連続の出走となる同レース。中団後方から追走し、直線でしっかりと伸びてきて上り3F 2位となる33.3をマークし、2着に好走した。
しかし、道中ロスなく内を運び、直線もしっかりと進路が空いたため、やや展開に恵まれた感はある。
東京競馬場は相性が非常に良く好走しているが、あと一歩の競馬が続いており、なかなか勝ちきれていない。
昨年も2着に好走しており、過去10年における前走エリザベス杯組が3−0−0−1と好走していることから注目したい。
※エリ女からのローテでの勝ち馬は以下の通り。
・リスグラシュー(2018年)
・スマートレイアー(2016年)
・ホエールキャプチャ(2014年)
◆ヴェロックス(5歳牡馬)
父:ジャスタウェイ 母:セルキス(母父:Monsun)
想定騎手:藤岡佑介 斤量:57.0kg 厩舎:中内田充(栗東)
競走成績:3−3−3−4
(東京:0−0−1ー1・・・勝率:0% 連対率:0% 複勝率:50%)
前走:日経新春杯(G2) 中京 芝 左2200m
3歳期では皐月賞2着、ダービー3着、菊花賞3着とクラシック皆勤かつ、全てで3着以内と勝ちきれないものの好走していた。
しかし古馬になっての初戦の小倉大賞典で9着と惨敗。
10ヶ月ぶりとなった中日新聞杯(G3)では3着と好走するも、続く日経新春杯(G2)では道中3,4番手の好位追走で直線を迎えるも失速。結果9着と惨敗。
今回は初のマイル戦となり、中〜長距離路線を走っていた今までよりも早いペースでの競馬となるため、この馬にとってマイルのペースが忙しい、とならないかが鍵となる。
また、今まで中2週以内で走ったことがなく、間隔が詰まったレースとなることも懸念材料だ。
3歳期のパフォーマンスを考えれば潜在能力は高いと思われるため、今回の騎手の乗り替わり、間隔・距離の短縮等、試行錯誤していることがプラスに働くことに期待したい。
◆カラテ(5歳牡馬)
父:トゥザグローリー 母:レディーノパンチ(母父:フレンチデピュティ)
想定騎手:菅原明良 斤量:56.0kg 厩舎:高橋祥泰(美浦)
競走成績:4−0−0−18
(東京芝:1−0−0ー4・・・勝率:20% 連対率:20% 複勝率:20%)
前走:若潮S(3勝クラス ハンデ) 中山 芝 右1600m
2勝クラス、3勝クラスと連勝してオープン入りを果たしたばかり。古馬重賞は初挑戦となる。
前前走、前走ともに中山1600mでの出走で、道中は中団外目を追走し、3,4コーナー中間あたりから早めに動いて大外から捲る形で押し切るという強い勝ち方。
前前走は上り3F 34.6の最速、前走は3F 34.7の2位と早めに動いて長く良い脚を使って押し切るという競馬が板についてきた。
古馬になってからは3−0−0−7、直近5戦でいうと3−0−0−2と、全4勝のうち3勝を挙げていることから、最近になって本格化してきた印象。
また、菅原騎手とは2−0−0−1、負けたレースも5着と掲示板に入着しており、手が合っている印象。
相手は一気に強化されるが、直近の勝っている時のような競馬ができれば穴馬としては面白い一頭ではないだろうか。