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DavyJones922 インタビュー-High stakes crusherの思考
YouTubeを眺めていたら、PokerStars 10,000NLをクラッシュしているDavyJones922のインタビュー動画が流れてきた。Chat GPTを使用して動画を和訳・要約したところ、ポーカーに対する思考/取り組み/他プレイヤーの評価等を詳細に語っており、示唆に富んだ内容。せっかくなので記事にしてみる。翻訳だけしても付加価値が低いので最後に筆者の意見も簡潔に付け加えた。
要約: High-Stakes Poker の進化と勝ち続けるための戦略
近年、GTO戦略の理解が飛躍的に進化し、ハイステークスの競争は激化している。新世代のプレイヤーは理論的理解は深まっているが、プレイの偏りを突くことで依然としてエッジを得る余地がある。
High-Stakesで勝つための条件 は、①十分な資金、②深いGTO戦略の理解、③メンタルの安定と自己認識。成功するには、短期的な結果に囚われず、3年後を見据えた成長戦略が必要となる。
また、High-Stakesの競争には、資金力を活かす・トップレベルのプロと戦う・慎重にステークスを上げる の3つの要素がある。GTO戦略の精緻化が進む中、相手の細かなプレイ傾向を分析し、エッジを見つけることが勝敗を分けるポイントになる。
DavyJones922(ロベルト・ペレス)インタビュー前半
1. ロンドン時代の生活と日々のルーチン
DavyJones922(本名:ロベルト・ペレス)は、ロンドンでの生活について語り、特にポーカーに対する姿勢と日々のルーチンを明かした。
一日の流れ:
朝起きてすぐに軽く散歩(20〜30分)
コーヒーを飲みながら過去のハンドを確認
午前中にポーカーコーチングの準備・実施(1.5時間程度)
午後に1回目のセッション(1.5〜2.5時間)
昼食後の短い休憩(20〜30分)
午後に2回目のセッション(2時間程度)
夕方から夜にかけてパデルの練習(最近ハマっている)
夜はリラックスしながら仲間とハンドレビュー
就寝は深夜2〜3時
ロベルトは「ポーカーの成功は一足飛びではなく、段階を踏んで成長するもの」と強調。彼自身もNL50からスタートし、着実にステークスを上げてきたという。
2. メンタルとライフスタイルの変化
ロベルトはメキシコに移住したことで、生活スタイルが大きく変わったと語る。
メキシコの生活
気候が暖かく、自然と朝早く起きるようになった。
生活全体がリラックスした雰囲気になり、ポーカーへの取り組み方も変化。
以前はプロ意識が強く、常にポーカーのことばかり考えていたが、現在は「高いレベルでプレーしながらも、過度なストレスを感じない」形でバランスを取れている。
パートナーの存在
1年前から交際しているパートナーがいる。
彼女はポーカーの仕事を理解し、メンタル面での支えになっている。
最近はトリトンシリーズのモナコにも同行。
30代に入ってからの交際は「より成熟した関係を築ける」と実感。
3. ポーカーの取り組み方とプレースタイル
プレースタイル
ロベルトは「少ないテーブルで最大限の精度を発揮する」タイプ。
一般的なセッションでは3~4テーブルがメイン。
ショートハンド(4-5人)の場合は最大5テーブル。
「Winrate(勝率)が明確にプラスであることを重視し、ただ量をこなすことはしない」とのこと。
「1万ハンドをEV+2BB/100でプレーする方が、5万ハンドをEV+0.5BB/100でプレーするよりも価値がある」
コーチングと学習
ロベルトは少人数制のコーチンググループを運営。
メンバーには「テーブル数を減らして、質の高いプレーを心がけるように」とアドバイス。
変動が激しい時期には「テーブル数を減らして、自分のプレーに集中することが重要」との考え。
4. CoinPokerのCash Game Championshipと最近の環境変化
CoinPokerの影響
2023年初頭、GGPokerがハイステークスのゲームをプライベート制に変更。
これにより、多くのプロプレイヤーがプレー機会を失い、新しい選択肢を模索。
CoinPokerがこの市場の穴を埋める形で、「Cash Game Championship」を開催。
NL10000($50/$100)が24時間365日プレー可能になり、日曜にはVIPテーブル(NL20000)が設置される。
「歴史的な試みであり、ポーカーシーンに大きな影響を与えた」とロベルト。
CoinPokerの今後
GGの方針転換により、CoinPokerはハイステークスプレイヤーの新しい拠点になる可能性が高い。
ただし、露出がまだ少なく、マーケティング強化が必要。
「コンテンツ制作が重要。もっと可視化されれば、ポーカーの成長に寄与できる」とコメント。
5. Stefan(ステファン)と現在のキャッシュゲームシーン
ステファンのプレースタイル
「彼は非常にユニークなプレースタイルを持っていた。オーソドックスな理論から逸脱し、対戦相手を混乱させるのが得意だった。」
「ただし、ここ数年でポーカーの理論がより確立され、多くのプレイヤーが基礎を身につけたため、彼のスタイルは通用しづらくなってきた」との見解。
キャッシュゲーム環境の変化
近年、プレイヤーの理論的理解が急速に向上。
「5年前と比較すると、プレイヤーのスキルセットは劇的に向上している」とロベルト。
その結果、以前よりも「論理的に正しい」プレーをするプレイヤーが増え、対策しやすくなった。
ロベルト・ペレス(DavyJones922)は、ポーカー界のトップに君臨しながらも、バランスの取れたライフスタイルを維持している。
ポーカーに対する考え方:
ただ長時間プレーするのではなく、効率的で高品質なプレーを重視。
研究や分析を欠かさず、プレー精度を高めることを最優先。
現在の目標:
CoinPokerの盛り上がりを楽しみながらも、長期的な視点でポーカーライフを築く。
今後の競争環境の変化に柔軟に対応し、持続可能なプレースタイルを確立する。
彼の言葉には、ポーカーに対する深い愛情と、成熟したプロ意識が感じられた。
ハイステークスポーカーの進化と戦略: David Jones インタビュー後半
近年のプレイヤーの進化と理論的基盤
David Jones は、過去数年間でハイステークスのポーカー環境がどのように進化したかを語った。4年前と比べ、現在のプレイヤーはより理論的な理解を深めており、例えばベットサイズの選択やチェック・レイズの頻度などがより洗練されている。
「以前はターンでのdonk betがほぼ見られなかったし、フロップでのベットサイズの使い分けも今ほど理解されていなかった。今では、プレイヤーはその理論的背景をしっかりと持っていて、それがプレイにも反映されている。」
特に新世代のプレイヤーについて、Jones は Tony Nadal(ラファエル・ナダルの元コーチ)の言葉を引用し、「ツールや情報が増えた一方で、昔のプレイヤーが持っていた特性が失われている部分もある」と述べた。
競争環境の変化と新たな戦略
現在の $500/$1000 ステークスのプレイでは、純粋な理論的ミスが非常に少なくなっており、理論の上では均衡した状態になっている。しかし、依然としてプレイヤーごとに固有の「歪み」があるため、それを突くことが新たなエッジとなる。
「例えば、あるプレイヤーは特定のスポットでブラフが多すぎたり、逆にブラフをあまりしなかったりする。そうした細かいズレを見つけることが、現在のポーカーでは重要になっている。」
Jones は、こうした微妙なズレを発見するために、「毎日リプレイをして細部まで分析することが、現代のハイステークスでは不可欠」と語った。
ハイステークスに到達するためのアプローチ
インタビューでは、ハイステークスを目指すプレイヤーに向けたアドバイスも語られた。
理論的基盤の徹底的な強化 「基礎理論をしっかり理解し、それを常にアップデートしていくことが大前提。」
自分の適性を理解する 「どのレベルでプレイしていると快適なのか、どのようなリスク管理が自分に合っているのかを知ることが重要。」
バンクロール管理とレベル選択 「単に資金があるからといって飛び級でハイステークスに行くのではなく、着実にレベルアップしていくことが必要。」
対戦相手の選択 「最初は自分にとって戦いやすい相手とプレイし、徐々により強い相手と戦う機会を増やしていくのが理想。」
レギュラー同士の戦い (Reg Battles) への参加 「本当の意味での競争力をつけるには、避けられない戦いに挑むことが不可欠。ただし、いきなり無理をしすぎるのは避け、少しずつチャレンジすることが大切。」
長期的な視点の重要性
Jones は、ハイステークスで成功するためには「長期的な視点」を持つことが重要だと強調する。
「どこまで行きたいのかを明確にして、1年や半年ではなく、3年後の自分の姿をイメージすることが大切。短期的な結果にとらわれず、長期的にポーカーと向き合うことが成功の鍵になる。」
また、彼はハイステークスの中でも「競争するタイプ」と「適切なゲームを選んで利益を狙うタイプ」の2種類のプレイヤーがいると述べ、それぞれのスタイルに合った戦略を選択することの重要性を語った。
トッププレイヤーの考察
最後に、現代のハイステークスのトッププレイヤーについての考えを語り、Linus Loeliger (LLinusLLove)、Hasan Galesic、Kevin P などの名前を挙げた。
「Linus は間違いなくトップクラスのプレイヤーで、常に 1 位または 2 位に位置している。他のプレイヤーも非常に強力だが、やはり Linus の安定感と理論の理解度は突出している。」
インタビューの締めくくりとして、彼は「ハイステークスで戦うことは決して簡単ではないが、正しいプロセスを踏めば誰にでもチャンスはある」とし、努力と継続の重要性を再確認した。
筆者の解釈/感想
翻訳だけしても芸がないので、個人的に刺さった内容に触れて意見を加えてみる。
①3年後の自分の姿をイメージすることが大切:
ポーカーは分散が大きいゲームであるため、短期~中期の結果に一喜一憂しがち。上振れた2~3万ハンドを実力と勘違い、1000bb程度のダウンスイングで稼働をやめたりプレイが乱れる等、分散を実感ベースで理解できていないプレイヤーも少なくない。だからこそ、3年先の目標を設定し、そこに向かって最善を尽くせているかが最重要。短期(数日-数か月単位)の上振れ・下振れでメンタルを乱しているようでは話にならない。大局を見据えることが成功の鍵という点に同意。
②テーブル数を減らして、質の高いプレーを心がける:
ハイレート専業プレイヤーだからこそ重視できる側面かもしれない。筆者はどちらかと言うと数をこなすスタイルを取っている。疲れていても、その状態での最善を尽くし、ベストコンディション比7~8割以上の実力を発揮できれば十分という考え方。この点は各々のライフスタイルに依存するため、一概に「テーブル数を減らすべき」とは言えないが、自分に合った最適なバランスを見つけることが重要だと思う。
③相手の細かなプレイ傾向を分析:
ここはエッジを生み出すうえで、とても重要なポイント。GTO関連ツールが発達しても、人間には時間や学習能力の制約がある。加えてマネープレッシャーがある状況かつ短時間でアクションしなければならないため、完全に均衡戦略を再現することは不可能。実際、よく観察するとReg
/Rec共に独自のプレイ傾向を持っている。ベット頻度やサイズ感、ブラフの使い方には個性が出る。目の前の相手に向き合い、それに適応することが、実戦で勝つための重要な要素だと思う。
以上