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米国がホンキで焦って叩いた Huawei P30 Proのヤバすぎる性能

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この写真を見てほしい。これは Huwei P30 Pro のポートレートモードで撮影した写真をトリミングしたものである。薄さ8mm、重さ195gの端末である。最新のAIプロセッサーは瞬時に人間の顔を判別し、適切な露出やホワイトバランスを作り出した。

驚くほど適度な美肌効果もリアルタイムで実施可能で更にホンキを出せば 4000万画素のRAWデータも保存可能(DCIM/RAW/ 以下)となっている。

4つのレンズとAIプロセッサーを駆使した一眼レフ顔負けのボケ効果だが、このHuawei P30 Proに関しては(多少不自然ではあるものの、条件をそろえればプロが作品作りに使える)レベルに達していると言っていい。

2019最新ハイエンドスマートフォンが競って作り出す一眼レフの単焦点高速レンズのような「ぼけ」効果だが、冗談の域から実用の域に近づいてきてしまった。これはカメラ業界にとっては激震である。何故かというと、コンパクトデジカメの市場を徹底的に駄目にしてしまったスマートフォン、最後に残った唯一の大きな弱点は、「きれいなぼけ」が撮影できないこと。だったからだ。ついでに言うと、「スマートフォンは超広角が撮影できない」「スマートフォンは望遠が弱い」「スマートフォンは暗部が弱い」も凄まじいレベルで全てクリアしてしまったのが Huawei P30 Pro のカメラとLeicaのレンズ群である。

さてさて、皮肉なことに、Huawei P30 Pro のボケそのものは、コンピュータが計算したものではなく実際にボケた写真なのである。ほぼ同軸上に配置された4つの焦点距離の異なるレンズで同時に撮影し合成することから、ぼけた背景そのものは「実際に光学的にボケ」た画像なのであり、これそのものは一眼レフのようにピント面だけシャープで、被写界深度を超えた部分は滑らかにぼけなければいけないという制約が無く、「ぼけることだけに集中しているレンズとセンサー」を持っているのだから勝てるわけがない。一眼レフのポートレートレンズは上記の条件を満たすために特殊なアポクロマートレンズや高度な絞り機構などを組み込み巨大化し、高額化して写真家を遠ざけてきた。

そのようにこのHuaweiはボケと突っ込み(シャープな写真)を分けて担当し、AIプロセッサーが被写界深度と物体認識により画像合成を瞬時に行うという離れ業を行うことで、100万円のライカレンズに勝るとも劣らないボケ味の写真が撮れることもある。撮れないことのほうが多いがw。私はプロの写真家として、ポートレートレンズも数多く所有しているが、その中でも最高に美しいボケ味を出すレンズがある。それは・・・

LEICA APO-SUMMICRON-M F2.0/50mm ASPH. である。勿論あらゆる意味で最新のM型LEICAとこのレンズを組み合わせたときの写真がクオリティでは上回る。しかし、このHUAWEI P30 Proのポートレートモードが「キまった時」は、そのシステムを常用するプロが「ああ、これでもいいじゃん」と思えるレベルになってきているということなのである。しかもこのHuawei, 35mm判換算、16mm,27mm,125mm の焦点域を「光学的」にサポートしており、LTEやWiFi機能がついていて(スマートフォンなので)、GPSも内蔵。4000万画素でRAWも撮れるし、超マクロもイケる。なんなら画像編集までこなしてしまう。写真家はコイツがポケットに入っていればもうフルサイズミラーレスのサブ機は要らないかもしれない。

ただ勿論、Huaweiの苦手な処理やクセを知り、時にはRAWから画像を削り出すというデジタルに知見があり、デジタル現像を日常的に厭わないカメラマンなら、という条件が付く。

筆者はiPhone XS Max も所有しているが正直 iPhone のカメラなど、周回遅れにされてしまった感がある。それほどこのHuawei P30 Proはヤバイ。モノマネばかりしていたと思った中国の会社が、先頭に躍り出てしまった。どうなることか。


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