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物価の高騰による物の寄付の価値の再認識
子ども食堂や福祉施設への寄付で喜ばれる物
何度か投稿させていただいていますが、農家の方や、消費期限が近い(管理基準が切れた)食品を子ども食堂や福祉施設にお届けしたり、収穫のお手伝いをしています。
子ども食堂の関係者の方とお話をすると、以前は
「現ナマ(現金)の寄付が正直一番嬉しいんです」
と言われたことがあります。
お金は、必要な時に必要な食品が購入できるので献立にも困りませんし、調味料やお皿、運ぶ時の入れ物、高額な寄付の場合や冷凍庫などの電化製品に充てることも出来ます。自由度の高い現金の寄付が有難いというのは当然理解出来ます。
長期に健全に運営している子ども食堂などだと、ボランティアスタッフへの交通費を支給するのに活用しているケースもあります。
物価高騰によって値段が上がるという考え方からの変化
2024年は物価高騰が著しい年でした。
その流れは2025年も続いています。
適正値上、厚利小売といった考え方から、たくさん売って利益を上げるのではなく、適切に値上げを行い、量は売れなくても売り上げが上げられるようにする商売が増えているのは決して悪い事ではないでしょう。
もちろん、物自体が上がっているので何でも値上せざるを得ない状況なのですが。
上記の物の高騰によって、子ども食堂の関係者の方との会話にも変化があります。
「今までと同じ現金の寄付を貰っても、買える食品や備品が下手すれば半分しか買えないような状況になっている。」
寄付金額自体は大きく増えていないが、その金額で買えるものが減っているというのです。
先日、お米の寄付を地域の子ども食堂に申し出たのですが、
「お米は去年の倍近い値段になっていて、食堂ではどうしても必要な食材なので一番うれしい!」
と言われました。
野菜や果物を作っている農家からの寄付も、みかん20K箱だとか、大根10本、お米30Kのように提供している農作物、食品の量は増えていません。
ただ、それを同額現金の寄付で購入するとなると、買える量が少なくなっているんですね。
これを、逆の見方をすれば
『 現金の価値が落ちている 』
と見るわけです。
先日の投稿で、規格外農産物を販売して現金化し、それを寄付するといった試みをしたのですが、農家への還元としては、とてもよい試みだったと思っています。
ただ、現時点での子供食堂への寄付の形では、規格外農産物を提供するのも以前と比べるとありがたいのかもしれません。
まとめ
子ども食堂への寄付からの学びでしたが、ビジネスやお金の価値についても転用できる考え方だと思います。
現金を貯金して利子が増える、NISAなどで株式、投資信託でインカムゲインやキャピタルゲインで増えるなど、お金に意識が向かいがちですが、物価高騰を逆の視点から見れば一次産業の再復興の明るい兆しが見えた気がします。
例えば、お米は機械化が進んでいるので、機械を持っていたり、共同使用が出来る状態であることが求められますが、種苗も自家採種することで経費を抑えられます。人件費や肥料農薬などの経費については物価の影響を受けますが、米麦栽培の農家が継続して経営できる環境に繋がればいいな、と思いました。