レビュー 週刊少年ジャンプ(36、37) 2019年 8/19、26 号 [雑誌](アクタージュのみ)
百城千代子始動回。
ここから彼女に待つものなんて地獄しかない。
今回は完全な百城千代子回で読んでるだけで切なくなりますね。
多分黒山は千代子ちゃんを不幸にする覚悟を決めきれなかったんでしょう。
でも本人から覚悟を聞いて、腹をくくったんだと思います。
この物語の裏には常に星アリサがいる。それを強く感じさせてくれる話でした。
千代子ちゃんは阿良也含め他の三人を世界に選ばれた主人公だと思ってるんですね。
そんなはずが無いのに。
千代子ちゃんの不断の努力を人よりちょっと器用なだけというその不器用さに泣きそうになりました。
それだけなはずが無いのに。
百城千代子は本当に結果主義で、正しい人に見えます。
星アキラもそうです。
スターズは皆、善良で正しくて優しい。だから勝てないと思っているのかもしれない。
阿良也はまだ千代子ちゃんにとって相談相手にはなり得ないのでしょう。阿良也と話すときの千代子ちゃんはまだまだ『百城千代子』の仮面を被ったままです。
でも阿良也はなんのかんの歩み寄ろうとしています。二回目の食事がひと目のなさそうな焼肉店だったのもそのためでしょう。
この辺がキーになると思うのですが、今のところ打開策は私には見いだせません。
というか阿良也は王賀美さんのことをさっぱり言及していませんが本当にそれでいいんてしょうか。
ここが二人の歩み寄りと並んでキーになる気がします。
夜凪が失うものは何もないけれど千代子は賭けているものの重さが違いすぎます。
夜凪はいっときの衝動しか賭けていない。
夜凪が負けても流石百城千代子と思うだけ。また次に力をつければいいだけ。
反面千代子ちゃんは今までの全てとこれからの未来をかけている。
これで負けたら天使としても売れず、演技は夜凪の下位互換となってしまいます。
夜凪より、百城千代子に勝ってほしい。
主人公以外にそう思わせるアクタージュは、やはり近年稀に見る傑作だと思うのです。