見出し画像

「にしかわフラワー」と「こがねフラワー」。偶然か必然か、運命の邂逅。

 フラワーという名前がついた二つの菓子パン。名前は同じだが苗字が違う。ヤマザキジャムパンとパスコジャムパンの関係のように、他人の空似なのか。それともなにか関係があるのだろうか。とっても気になったので名前だけではなく形や味を比べてみた。

「にしかわフラワー」との偶然の出会い

 近所のスーパーのパン売り場で見つけたのが「にしかわフラワー」という名前のパン。とろりとした白い砂糖の衣が上にかかっていて渦を巻いたようなかたちなので好物の「シナモンロール」だと思い込んで買った。家に帰って食べてみるとシナモンの風味はまったくなくシナモンロールではなかった。期待はずれかというとそうではなくたいへんおいしかった。ショートケーキの土台のように軽いパン生地が薄くカットしてあり、それを丸めて間にカスタードのようなクリームが挟まっている。コッペパンのような茶色くはりのある焼き目の上部にかかった柔らかい砂糖と混じり合ってとても甘い。気に入ったのでその後何度も買って食べた。最初は気にしなかったが、パン売り場には「ニシカワ食品」という会社のパンを売るコーナーがあって、そこで「にしかわフラワー」をはじめこの会社のパンを何種類も売っていた。透明なビニールの包装にシンプルな文字で名前が印刷されていておしゃれな印象だ。

「こがねフラワー」との必然の出会い

 数年前にできた郊外型の大きなスーパーマーケットが車に乗って10分程度のところにある。近所のスーパーで用は足りるので一度も行ったことがなかった。ある日そこへ気が向いたので行ってみた。パン売り場をのぞいてみると白い砂糖に覆われたパンがあった。渦を巻いているかたちも同じだったので「にしかわフラワー」がここにもあったとなぜか心躍り手にとった。パッケージをみると名前が違った。「こがねフラワー」とある。どういうことだろうと疑問をいだきつつ売り場を見直してみると、そこは「コガネパン」という会社が作っているパンがたくさん並んでいた。「こがねフラワー」以外にも、これはどこかでみた記憶がある、というパンもあり釈然としないながらも買って帰った。見た目も味も「にしかわフラワー」とほぼ同じ、だと思う。連続して2種類を食べ比べたわけではないのではっきりとは言えないし、食べ比べたとしても違いを指摘できる自信はない。

比べてみた

 2つの「フラワー」をみつけてしばらくするとむずむずと気分が落ち着かなくなってきた。似ている、ような気がする。ジャムパン、クリームパン、カレーパン・・・・などなどはパンに入れる中身が違うだけだから、どの会社がつくっても似ているのはわかる。でもこの「フラワー」はもう少し「ひねり」が効いている。その「ひねり」には作り手のオリジナリティが感じられるのだが・・・。これは森永エンゼルパイとロッテチョコパイの関係なのか。なんの関係かよくはわからないが。
 どこがどう似ているのか。似ているとすればなぜなのか。その理由は多分わからないので、客観的に比べるくらいで納得しようと決め、2つの「フラワー」を同じ日に買ってきた。

左が「にしかわフラワー」、右が「こがねフラワー」

正面を向けて並べ気づいた点。

  • 2つともだいたい同じ大きさ。大人の男性の握り拳よりも大きい。

  • 2つとも透明のビニール包装。

  • 2つともシンプルな商品を表す字体。

  • 2つとも商品名の前半がひらがな、フラワーがカタカナ表記。

  • 2つとも砂糖の衣がかかっている。ただし砂糖の厚さ、量、濃さに違いがあるように見える。

  • 「パンの渦」がそれぞれ逆方向。

「にしかわフラワー」のパッケージ裏面
「こがねフラワー」のパッケージ裏面

裏面で気づいた点。

  • 「にしかわフラワー」のニシカワ食品は兵庫県、「こがねフラワー」のコガネパンは岐阜県の会社。

  • 原材料は知らない単語がたくさん並んでいるので比較しない。

今度は栄養成分を比べてみる。

「にしかわフラワー」のカロリー表示
「こがねフラワー」のカロリー表示

栄養成分表示のそれぞれの項目の数値は少しずつ違うがだいたい同じ。

次にパンの中身を見る。

パッケージから出した「にしかわフラワー」
「にしかわフラワー」を割ってみた。
パッケージから出した「こがねフラワー」
「こがねフラワー」を割ってみた。

 上にかかった砂糖の衣の量とかかっている範囲が違うように見える。これは仕様なのか個体差なのか保存状態や輸送状態や、あるいは買ったあと買い物袋に入れて家に運ぶ間の気温や揺れによるものなのかはよくわからない。
 中に挟まったクリームの量は同じくらいだ。割るところによって違いがあるようだ。

2つとも「軽くて甘くてケーキのようにおいしい」

 このパン、けっこう大きい。2つを続けては食べられない。ひとつを少しかじってもうひとつも少しかじって味を比べてみる方法だと、開封した食べかけのパンが2個になってしまい、冷蔵庫に保存して後日食べると多分パサパサになっておいしくないので、買った日に「にしかわフラワー」を食べ、翌日に「こがねフラワー」を食べた。以前食べたときは二つの間にかなりの日数が空いていたのでまったく味の比較ができなかった。今回は1日しか間が空いていないので細かく味を比べられるはずと思い込んでいたが、結局のところ差はよくわからなかった。いずれも「軽くて甘くてケーキのようにおいしい」という印象だった。

価格

2023年4月3日時点
「にしかわフラワー」150円
「こがねフラワー」168円
それぞれ違うスーパーで購入。税抜金額。通常価格なのか、セール特売などの対象なのかは不明。

公式アピール

最後に2つのパンの特徴をそれぞれの企業サイトから引用しておく。

「にしかわフラワー」

スタンダードとカラメル、ふんわりソフトな二色の生地にバニラ風味のミルククリームをくるりと巻いて、花束をイメージしたアイシングで仕上げたスイートなパン。
ニシカワパン創業以来のロングセラーです。

ニシカワ食品株式会社 商品紹介 http://www.nishikawa-foods.co.jp/product/

「こがねフラワー」

お花をイメージし、見た目にもこだわりました。
トップにはグレーズという砂糖をつけ、中にはクリームを
たっぷりと塗り、クルクルと巻いてあるので、見た目だけでなく
パン本来の味と、グレーズ&クリームとの絶妙なバランスの味を
ご堪能できます。
上品なお味と見た目は、スイーツ感覚でお楽しみいただけます。

株式会社コガネパン 商品 http://www.koganepan.com/product/03.html

いいなと思ったら応援しよう!