雨の日も晴れ男
作者:水野敬也
雨の日も晴れ男。
私が一番好きな本だ。
【要約】
二人の幼い神シュナとワンダーが「運命の手帳」を使い、とある一人の男アレックスの人生を不幸にしようとたくらんだ。しかし、彼らの意思に反してアレックスは不幸の状況を楽しむ不思議な力を持つ男であった。
いたずら好きのシュナが不幸な出来事をエスカレートさせるも、アレックスは誰も考え付かないアイデアで不幸を乗り切る。シュナとワンダーが作り出した出来事でアレックスは最後に「死」に向かうと思われた。しかし、どんな状況でもアレックスは前向きで「死」を免れた。
アレックスは「人を楽しませる」ことを忘れず、どんな状況も好転させた。二人の幼い神は二つのことを学んだ。一つは「他人を楽しませることが自分自身の幸せであること」二つ目は「神にできるのは出来事を起こすこと」だ。二人の神は満足して天界に帰っていった。
【感想】
私は「幸せ」と感じるか「不幸」と感じるかは、自分次第だということを学んだ。つまり、出来事に対してどう捉えるかで、その後の状況が変化するということだ。「アレックス」は不幸が重なった時には「なんで自分だけ…」と思っていた。しかし、その後の彼の行動は常に誰かのことを思っていた。それは「ナイフを持った若者」「不愛想な妻」「可愛い息子」「二人の神」誰かのためを思っての行動だった。「自分」が幸せになるためには「誰か」の幸せのために本気で動くことなのかもしれない。
きっと他者への親切心が未来を創るのだろう。