#01 Ronald Reagan the magazine of poetry
#墓場まで持っていく100のもの
ついに!
「なぜわたしはロナルド・レーガンをファックしたいのか」はJ・G・バラードのもっとも悪名高き短編である。『残虐行為展覧会』の最初のアメリカ版を出版するはずだったダブルデイ社の重役は、たまたま届いた新刊見本でこの短編を見てしまったがために、「こんな本をうちの出版社で出せるか!」と印刷済みの全部数を廃棄させたという。短編自体の初出はジョン・スラデックとパメラ・ゾリーン(トマス・ディッシュを加えた三人で同居中だった)の共同編集になるRonald Reagan: the magazine of Poetryという同人詩集である。
それがこれなのだ。
この実物、長いこと見たいと願っていたものである。短編自体は別に読むのは難しくなく、横山茂雄麗訳にて『残虐行為展覧会』(工作舎)におさめられている(なんでしたら私めが監修しました『バラード短編全集』を読んでいただいてもよろしい)。とはいえバラードとスラデック両方のファンである身としてはどうしてもこの手に取ってみたいものでもあった。それがネットの片隅から、やる気のない検索の思いがけない結実として、とうとうここにやってきたのである。
はあこれで満足、すべてが満たされた……と思いきや、もちろんこれはバラード・コレクションの二番目の貴重品であり、最大のキキメはもちろんその断裁されたダブルデイ版『残虐行為展覧会』にほかならない。なんでも断裁を免れたコピーは世の中に10部あまりしか存在しないという。で、まあ、いきがかりじょう、検索してみたわけだよ。そしたらなんと……
https://www.abebooks.com/first-edition/ATROCITY-EXHIBITION-J-G-Ballard-Doubleday/574046588/bd
なるほど$13000かあ……安いね……今銀行通帳を眺める日々。
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