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ヨウ素125密封小線源永久挿入療法(ブラキセラピー)

前立腺癌の治療ってどんな物があるかご存知ですか?
今日はその中の1つについてのお話です。

ブラキセラピーとは

早期前立腺がんに対するブラキセラピーは米国では15年以上にわたって行われている一般的な治療法のひとつ。

年間50,000人以上の患者さんがこの治療を受けています。日本では法律的な問題により遅れましたが、2003年認可に。

現在では、年間に2,000人以上の前立腺がんの患者さんが、このブラキセラピーにより治療されています。比較的侵襲が少なく、安全で有効な治療法であり、治療効果も前立腺全摘手術とほぼ同等と考えられています。

ブラキセラピーとは非常に弱い放射線を出す小さな線源を、前立腺内に40-100個ほど挿入して行う放射線療法です。前立腺がんではヨウ素125(I125)を封入したシード線源を前立腺に永久的に挿入します。

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実際の手術


私が働いている病院では、全身麻酔で行います。
その後、砕石位に体位を固定。(足を広げた状態。)
全身麻酔をかけると体温は低下するので、体を温める為に上半身用のベアハガー使用して保温を行います。(暖かい風が流れる装置。)

線源は、患者さんに70から90個を挿入することが多いですね。手術時間は2時間ほどかかっています。

線源をどこに入れるのか執刀医と放射線科医が挿入前に直腸エコーを活用しながら、事前のデータを元に最終確認していきます。何ミリ単位でしっかり前立腺の周りを覆えるようにチェックして挿入に移ります。

そして、直腸を放射線から保護する為に直腸と前立腺の間にSPACE OARを挿入し保護しています。

※治療を受ける方全員がSPACE OARを入れる訳でなく、執刀医が実際に治療をしているときに判断して入れています。

手術終了後は放射線技師が、レントゲン撮影を行い小線源をチェック。基準以上の放射線が出ていないか患者の身体を専門の器械を使用しチェックします。

その後全身麻酔を覚まして、患者さんは病棟へ退室となります。退室後は、使用した器械や部屋をくまなく点検し、放射線が出ていないか放射線技師が確認、異常がなければ片付けになります。
患者さんも医療者も安全が第一ですからね。

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ブラキセラピーの適応でない患者

・過去に前立腺癌に対して放射線治療や手術療法を受けた方、あるいはホルモン治療中にPSAが上昇し去勢抵抗性viiとなった前立腺癌と診断された場合
前立腺生検ii未施行か施行困難である場合
・過去に前立腺肥大症の手術(開腹または経尿道的手術)を受けた方
・前立腺体積が約40gを超える方(先行するホルモン治療で40g以下に縮小できる場合を除く)
・下肢の挙上、開脚が不可能、あるいは不十分で線源を挿入する体位がとれない場合
・前立腺以外にも骨盤領域への放射線照射治療を受けたことがある方
・前立腺結石の存在や、骨盤骨の大きさ位置関係の問題が判明した場合
・出血傾向を招く薬剤(いわゆる"血液がサラサラになる"薬)を常用しており、その服用を手術前後の一定期間中止することのできない方
・治療中、治療後に安静が保てない場合や、意思疎通がむずかしいと判断される場合
・余病が程度が、麻酔や手術施行に危険性のあると判断される場合
・80歳以上の方

メリット

・治療そのものは2時間程度ですむため、患者さんの身体的負担や治療のリスクが少ない。
・入院期間も4日間程度で短く、すぐに社会復帰が可能。
・治療効果は手術や外照射療法と同程度。
・性機能障害や尿失禁などの副作用が手術に比べて少ない。
・外放射線くらべて、目的とする前立腺癌以外の直腸や膀胱、皮膚への放射線の影響は少ないとされています。
・尿失禁は治療直後におこることはまれで、性機能障害はホルモン治療を施行しなかった場合、5年後にも7-8割が保持されているとされています。

デメリット

・ヨウ素125の半減期の関係から体内で照射される期間が長いため、尿路症状(主に、排尿困難、頻尿、切迫感、少ないですが排尿痛、尿失禁、血尿)などが長引く(6-8ヵ月)場合がある。
・前立腺癌小線源治療後、前立腺癌が再発した場合は、ホルモン治療を行います。手術は行われません。
・ヨウ素125のエネルギーが低いため術者や介護者への影響は少ないが、一定期間は周りへの配慮が必要になる。
 尿・便・汗などには放射能はないです。周囲の人の放射線被曝量は人が自然に受けている放射線量よりも低いことがわかっていて、私の病院の先生は「飛行機に乗る方が被ばく量が多いよ」と言っています。なので普段どおりに接することができますが、治療後2ヶ月間は特に乳幼児、妊婦さんとの接近は避けた方が良いと言われています。(乳幼児を長時間ひざの上に座らせる・妊婦と同じベッドで寝る・座るetc)何故かと言うと、赤ちゃんは成人に比べ放射線に対する感受性が高いのです。

他には性交渉は、1ヶ月後から可能ですが、その後も1年間はコンドームの使用をお勧めします。治療後2ヶ月過ぎれば線源の放射能は半減し、1年たてば周囲への影響を気にする必要はなくなっていきます。稀なことで、排尿時に線源が排泄されることがあります。1個の線源から出る放射線は微量であり、実際には問題を生じませんが線源を拾えるようならスプーンなどですくい、専用の容器(退院時に渡されます)に入れ、子供の手の届かないところに保管し、病院へ電話を。

治療後1年以内に海外旅行は放射線探知を行っている空港では体内の放射能を検知され、通関できない場合があるので、治療証明書を持参する必要がある。治療後1年以内に何らかの原因で死亡された場合は、法律で前立腺を摘出することが義務付けられている。etc


いつも見ている治療を調べてみると、知らなかったことが沢山出てきますね。まだまだ勉強が足りませんなぁ。(;´д`)トホホ


では、ブラキセラピーが適用になるのは
前立腺癌の早期と上記では話しましたが、
それはどんな状態かと言いますと、、、

前立腺針生検の時にお話しするので後日そちらへ!

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