あべしん主催「GANHAR OH DRAGON CUP FINAL」カバレージ 予選編
皆さんこんにちは。初めましての方は初めまして。デュエプレチームNASA所属、副リーダーのがりしあです。
今回は、先日行われたあべしん主催「GANHAR OH DRAGON cup FINAL」という、GANHAR OH DRAGON cupで最終TOP100に入賞した方と、その他プレ大会の入賞者など極限られた実力者を招待しての大会を振り返るカバレージとなります。
「カバレージってなんなの?」という方に向けて、本家デュエルマスターズにおけるカバレージの説明文を記載しておきます。
テキストカバレージとは?
主に全国大会やグランプリなどの競技イベントを取材した記事のこと。上位入賞を目指す選手たちの情熱や超絶テクニック、そして1戦に込められたドラマを感じ取ることができるだろう。
前置きはこの位にして、早速本編に入っていきましょう。
大会ルール概要
・予選及び予選ラウンド上位16人による決勝トーナメント方式。
・デッキ公開制。
・予選ラウンドはBO1の全六回戦 AD ND混合戦のスイスドロー方式。
奇数回戦はND、偶数回戦はAD。
・決勝ラウンドはBO3のトーナメント方式。
予選同様、奇数回戦はND、偶数回戦はAD。
・参加条件は「GANHAR OH DRAGON cup」において、どちらかのディビジョンで最終100位にランクインしている事。
又は、あべしん特別企画とプレ大会の上位入賞者。
なお、最終TOP10以内の選手には予選一回戦免除のbyeを付与。
事前メタゲーム予想
今回の大会を語る上で書かせないのが、「どのデッキが一番シェアが高く、どんなメタゲームが展開されるか」という点である。
今回の大会は前期のTOP100だけを集めた非常にハイレベルな大会になっており、参加する選手は当然の様にメタを読んだデッキタイプを選択してくるであろう。
そこで参考になってくるのが、毎期最終TOP100に入賞した方をまとめて下さっている、akiraさんの集計したグラフである。
デッキパワーで言えば現環境最強であり、akiraさんのグラフでもぶっちぎりで最多であった「MRCロマノフ」を素直に使うか、もしくはそのMRCロマノフに強く出れる「サイバーNワールド」を存分に活用出来る「エンペラーキリコ」や「Nエクス」を使うか、それとも自分の手に一番馴染んだ、「相棒」とも言えるデッキを選択するか、はたまたそれすら読み切った自分なりの結論デッキを持ち込むか等、参加者は皆各々のメタ読みをしたであろう。
また、今回は普段の大会ではあまり見られないNDとADの混合戦という事もあり、ADのデッキ選択もしなければならない。
ナーフや殿堂入りによる弱体化が入るも、依然として圧倒的なデッキパワーで環境に君臨する「ダイヤモンドブリザード」や「MRCロマノフ」を筆頭に、全てのカードが使えるADならではのデッキ選択を迫られる為、そのメタ読みはNDよりも困難を極めたであろう。
様々なデッキに選択肢があった中、筆者が集計した両ディビジョンのデッキ使用率グラフは以下の通りとなった。
MRCロマノフが多すぎる!
と、楽天モバイルのCMみたいな事を言いそうになるが、よく見てほしい。
一見すると両ディビジョン共にMRCロマノフが使用率一位に見えるが、NDはキリコとNエクスを合計するとMRCロマノフと同率になり、如何にこのデッキに対するマークが厳しかったかがよく分かるグラフになっている。
ADに関しては、集計上ザビミラ採用型の通称「黒型」と、従来通りの「白型」を分けて集計したが、「ダイヤモンドブリザード」というデッキタイプは両者を合わせると16となり、MRCロマノフを抜き一位になるのである。
更に付け加えると、ADはMRCロマノフとダイヤモンドブリザード系統だけで使用率の半数を占めており、如何にこの二つのデッキが強力かを表している。
以上のデッキタイプからどんなデッキが勝ち上がるのか、実況席に居た筆者も楽しみにする中、いよいよ予選一回戦が開始となった。
カバレージ
予選一回戦 エイト選手VSけえる選手
フューチャー卓一回戦のマッチアップは、シータNエクス対青緑鬼流院刃となった。
このマッチアップの争点となるのは、やはり刃が間に合うかどうかという点であろう。
刃が複数体並んだ時の防御力は並ではなく、Nエクスの攻撃力をもってしても突破するのは至難の業となる為、刃を召喚されるまでにエイト選手が押し切るか、はたまたけえる選手が耐え切るかというゲーム展開になるだろう。
先攻後攻の差も少なくないマッチアップの中、先攻はエイト選手が獲得しゲームがスタートした。
エイト選手は三ターン目に青銅の鎧、四ターン目にフェアリーホールをプレイしアンタッチャブルを二体出す理想的な回りを見せ、そのまま青銅の鎧で一枚のシールドをブレイクして行く。
対するけえる選手も負けておらず、後攻三ターン目までにブーストを合計三回打てている事もあり充分なマナ数を誇る。
更に青銅の鎧がブレイクしたシールドはリップルであった為、ターンドローで引いた鼓動する石版と絡めて、マナブーストをしつつ切り札である刃を回収し、着々と準備を進めていく。
これに対しエイト選手は返しのターンでスピードアタッカーであるエクスやシューティングホールを引けなかった為、このターン中でのリーサルは掛けられない上に、下手にシールドをブレイクすると、仮にフェアリーライフがトリガーした場合次のターンには刃が飛んできてしまう為、安易にシールドブレイクも出来ない。
フェアリーホールからジオザマンを召喚し、マナゾーンにあるシューティングホールを回収してターンを終了する。
返しのターンでけえる選手はマナゾーンからババンバンバンをマナ爆誕で召喚。
エイト選手の手札に公開情報のシューティングホールがあるので、次のターンがこのゲームの分水嶺であろう。
シールドトリガーに託しターンを終了する。
六ターン目が回って来たエイト選手、ターンドローで引いてきたジャスミンをおまけで召喚した後、前のターンに回収したシューティングホールからガイアールカイザーを呼び出し、このターンでの決着を狙う。
けえる選手のデッキにアンタッチャブルを除去出来るトリガーはクラッシャーベア子姫が二枚のみであり、後はアクアバースターと光陰のリバイバースパイラルという単体除去カードが合計五枚である。
その為、最初のガイアールカイザーのWブレイクで二枚の除去カードをトリガーさせるか、それが出来ない場合は単体除去+クラッシャーベア子姫のトリガーが必須となる。
そんな条件の中、ガイアールカイザーがブレイクした二枚のシールドの中にトリガーは無かったが、けえる選手は続く青銅の鎧のブレイクで光陰のリバイバースパイラルをトリガーさせ、ジオザマンを処理し最後のシールドにベア子姫を一点賭けさせる事に成功する。
だが、最後のシールドにクラッシャーベア子姫は眠って居なかった為、二体目のアンタッチャブルのダイレクトアタックが決まり、フューチャー卓一回戦目はエイト選手の勝利となった。
WINNER:エイト
予選二回戦 ゆはいちゃんねる選手VS青藍の蒼選手
フューチャー卓二回戦は、ダーツフュージョン対ガントラビートとなった。
正直、このマッチアップに対する争点等を筆者は見い出せない。
何故なら、ダーツフュージョンというデッキタイプと筆者は対戦した事も無ければ、使った事もほぼ無いからである。
だが、ゆはいちゃんねる選手(以下ゆはい選手)はダーツフュージョンのみ14連勝でマスター到達をした経験もある熟練のダーツフュージョン使いである為、筆者が想定し得ないプレイもあるのだろう。
対する青藍の蒼選手は、かつて環境を席巻したガントラマキシバスを使ったビートデッキを選択。
最近ではあまり見る事の無くなったデッキタイプではあるが、16弾でもエクスや永遠のリュウセイカイザー等の強化を貰いデッキのパワー自体は当時と比べ明らかに高くなっているので、この大会に持ち込む程の自信が青藍の蒼選手にあるのだろう。
異質なマッチアップの中、二回戦は青藍の蒼選手の先攻でスタートした。
ゲームは先攻三ターン目、青藍の蒼選手が居合のアラゴナイトでシールドをブレイクする所から動き始める。
⋯と、なんて事ない普通のガントラビートの動きに見えるが、ここでブレイクしたシールドはまさかのバイオレンスフュージョン。
ラッキーダーツから放つ最大火力であり、シールドに埋まっていれば一撃逆転も可能のカードではあったが、最初にブレイクされては全く役に立たない腐り札になってしまう。
続く後攻三ターン目、ゆはい選手は神秘の宝箱を唱え竜極神をマナチャージしマナゾーンに超絶究極神と破壊龍神の三枚を揃え、バイオレンスフュージョンの期待値を最大限に高めて行く。
先攻四ターン目、青藍の蒼選手は運命の選択からSAになったガントラマキシバスを展開、マナブーストをしつつシールドをブレイクしていく。
だがここでトリガーしたのはゆはい選手の切り札でもあるラッキーダーツ。
その運命は⋯
おい、大ハズレじゃねぇかふざけんな。
と言ってしまいそうになるほど堂々としたレジェプレ版超絶究極神の登場は、解説席でも大いに盛り上がりを見せた。
だが、まだ青藍の蒼選手のターンは終わっておらず、前のターンに召喚していたアラゴナイトが更にシールドをブレイクして行く。
⋯が、それに負けじと更にシールドトリガーを発動させるゆはい選手。
このホーガンブラスターでバイオレンスフュージョンを引けば、一気にマナゾーンのゴッドが三体登場する大逆転展開に成りうる中、捲ったカードは⋯
まさかのラッキーダーツが再び発動する。
シールドは残り二枚、内一枚は先程見た超絶究極神という中、ラッキーダーツが捲ったシールドは⋯
ま た お ま え か
そんなネットミームを思い出すような再びの登場に、解説席とコメント欄は先程以上の盛り上がりを見せた。
後攻四ターン目、ゆはい選手は龍神ヘヴィを召喚した後効果で自壊し、相手の打点を少しでも減らしてターンを終了する。
返しのターンで青藍の蒼選手は聖鎧亜ジャックアルカディアスを召喚し、ガントラマキシバスでハズレと分かっていない方のシールドをブレイクしてターンを終了する。
後攻五ターン目、トリガーであるポジトロンサインを打たずにキープしていたお陰で、トップが多色であったが使用可能マナを6マナにする事が出来たゆはい選手は、起死回生を図った魂のホーガンブラスターを詠唱する。
ヒットしたのはポジトロンサインと、ここでホーガンブラスターが見えればまだ希望は繋がるという可能性を残した中で、ポジトロンサインから見えたカードは⋯
唱えられるカードがフェアリーライフしか無く、残りのシールドも超絶究極神と分かっているゆはい選手にはもはや相手のリーサルを止める手段が無かった。
返しのターンにジャックアルカディアスによるシールドブレイク、ガントラマキシバスによるダイレクトアタックが決まり、見事に地雷原を渡りきった青藍の蒼選手の勝利となった。
WINNER:青藍の蒼
予選三回戦 ねぎお@がんばらない選手VS菜花黄名子#BEANS選手
フューチャー卓三回戦のマッチアップは、リース超次元ビート対MRCロマノフとなった。
リース超次元ビートは16弾環境後期になってから頭角を表し始めたデッキタイプであり、アンタッチャブルという処理しづらいアタッカーを軸に、それを支えるゲンジやシューティングホール、エクスにバルザークと攻撃力に特化したデッキかと思いきや、DNAスパークやコルテオを複数枚積む事による防御力も兼ね備えている、攻守に隙のない非常に強力なデッキタイプである。
対するMRCロマノフも攻守という点では全く引けを取らず、むしろデッキの柔軟性を加味すると完成度ではリース超次元ビートを超えるだろう。
唯一、菜花黄名子#BEANS(以下菜花黄名子)選手が採用しているトリガーがタイガーグレンオーではなくスーパー炎獄スクラッパーという都合上、ねぎお@がんばらない(以下ねぎお)選手のアンタッチャブルに触れる事が出来ない点が大きいだろうか。
ランクマッチでもよく見かけるマッチアップであるが、今回はどのような展開になるのだろうと皆が期待する中、三回戦は菜花黄名子選手の先攻で開始となった。
ねぎお選手は後攻二ターン目にフェアリーライフを唱え、対する菜花黄名子選手も先攻三ターン目にベリアルワームを召喚する、両者共に文句の無い立ち上がりとなった。
ねぎお選手は後攻五ターン目までに二回の五コストホール呪文を唱え、盤面にアンタッチャブルを四体召喚し、更に手札にはエクスが二枚ある上次のターンに相手のMRCロマノフが走ってこないという最高の状態でターンを終える。
だがその計算には一つ誤算があり、それは菜花黄名子選手の手札には先日殿堂入りしたヴィルジニア卿が居たという点である。
だが、返しのターンで菜花黄名子選手はヴィルジニア卿を召喚せず、トップで引いたディミトリ卿を召喚し墓地を肥やしつつ守りを固めターンを終了する。
これは無理にMRCロマノフを走らせるメリットが薄かった為だと思われ、実際この時の菜花黄名子選手の墓地はこのような状態であった。
シンカイヤヌスを絡めたワンショットも出来ない上に、相手の盤面にはアンタッチャブルが四体も居るので下手にシールドをブレイクして白トリガーを踏んでしまっては勝てないと判断したのかも知れない。
仮にねぎお選手の二枚の手札がエクスとゲンジorシューティングホールでも、ブロッカーを二体用意すれば返しのターンにリーサルを掛けられることは無いため、安定択とも言える。
ターンが帰ってきたねぎお選手は、トップで引いたバルザークを城化しターンを終了する。
先攻七ターン目、菜花黄名子選手はドローした地獄門デスゲートをチャージしヴィルジニア卿を召喚、満を持してMRCロマノフが降臨する。
前のターンで墓地に落とした三枚の中に超次元呪文は含まれておらず、更にバルザークがシールドを離れた時に発動するパワー6000以下破壊の効果も相まってこのターンでの決着は不可能と判断した菜花黄名子選手は、メテオバーンの使用を二枚に留め、ボルシャックホールとプライマルスクリームを詠唱する。
ボルシャックホールから時空のジキルザビガンマンを召喚して守りを固め、更にプライマルスクリームから二枚目のMRCロマノフを回収し、次のターンでの決着に向け準備を進める。
MRCロマノフがブレイクした、バルザークを城化したシールドを含む三枚の中にトリガーは無く、ねぎお選手はバルザークの効果でザビガンマンを破壊し、七ターン目を迎える。
バルザークこそ失ったものの、シールドからゲンジを手札に加え万全の状態でアタックに入るねぎお選手。
ゲンジのWブレイクからアタックを開始したねぎお選手は効果でディミトリ卿を破壊し、菜花黄名子選手はこれをシールドで受ける選択を取る。
ここでトリガーを発動できなければ、菜花黄名子選手のデッキには現状の盤面を返すトリガーが入っていない為、そのまま勝敗が決してしまう。
シールドは五枚あるが、実質的な回答は二枚の内に絞られるかなり厳しい状況下の中、菜花黄名子選手はしっかりとヤミノオーダーをトリガーする事に成功する。
ヤミノオーダーの効果でエクスを破壊し、このターンを凌ぐ事に成功する菜花黄名子選手。
対するねぎお選手はアンタッチャブルでの攻撃を行わず、残り二枚のシールドにDNAスパークかコルテオが眠っている事に希望を託しターンを終了する。
八ターン目が回って来た菜花黄名子選手はトップで引いたリバイヴホールをチャージし、シールドから加えたシューティングホールでガイアールカイザーを召喚した後、更に前のターンに回収したMRCロマノフを加え万全の状態でアタックに入る。
ガイアールカイザーのWブレイクがねぎお選手の最後のシールドに攻撃を加え、ここでトリガーが無ければ決着が着くという状況であったが⋯
前ターンのお返しと言わんばかりにねぎお選手もコルテオをトリガーさせ、菜花黄名子選手のクリーチャーをオールタップさせる事に成功する。
返しのターン、回答が無いと判断した菜花黄名子選手がリタイアし、フューチャー卓三回戦はねぎお選手の勝利で幕を閉じた。
余談だが、菜花黄名子選手が試合後配信の方にコメントを下さり、最後のターンはシューティングホールからガイアールカイザーを出すのではなく、リバイヴホールからガンヴィートを召喚しゲンジを破壊しておくべきだったとの事だった。
確かにそのプランを取ると、コルテオでタップさせられるクリーチャー数は五体となり、攻撃出来ないベリアルワームと召喚酔いのガンヴィートの二体が残らない限りは菜花黄名子選手の盤面に攻撃可能なクリーチャーが残る状況になった。
それも運次第ではあるが、コルテオならケア出来た可能性があっただけに菜花黄名子選手は悔しさが残る形となったであろうが、実況解説席も見ている時は全く気づかなかった為、100点のプレイを出すのは本当に難しいゲームだと、改めて思わされる試合でもあった。
WINNER:ねぎお
予選四回戦 初期アバター選手VS芹沢真央選手
フォーマットが変わってAD、フューチャー卓四回戦は白緑スノーフェアリー(以下白ブリ)対グレートメカオー(以下メカオー)というマッチアップとなった。
両者共に昔から環境に存在し、環境トップとまで言わしめたデッキタイプ同士ではあるが、白ブリ側の強化が著しく感じるのは筆者だけでは無いだろう。
白ブリ側は15弾にてブリザードと相性抜群のダイヤモンドカスケードや、反撃に転じやすい上に手打ちでも腐りにくいオチャッピィを獲得、更に最新弾の16弾でも優秀な二コストスノーフェアリーのジャスミンまで貰い、結果あまりに強力過ぎた為にダイヤモンドカスケードの下方修正が入る程のデッキパワーを誇った。
弱体化を経て尚現在でも環境トップの一角として君臨しているデッキであり、弱体化が足りなかったのでは無いかとプレイヤー間で論じられる程の活躍を見せている。
一方、芹沢真央選手のデッキリストを見てみると、メインデッキの中では一番最新のものでも12弾収録のコルテオであり、その他多くはメカオーが初登場した7弾以前のカード達で構成されている。
それでも尚、前期に最終報告が挙がるデッキタイプである為、如何に最初から完成度が高かったかを象徴しているだろう。
16弾環境とは思えないマッチアップの中、四回戦は芹沢真央選手の先攻でスタートした。
最初に動いた初期アバター選手は、一ターン目にポレゴンを召喚し二ターン目にはジャスミンを出して効果で一ブーストを決める。
更に一ターン目に引いていたブリザードを展開、マナゾーンのスノフェアリーを回収しつつ白マナを埋めることに成功し、ソーラーコミューンによるタップキルに向け万全の準備を進める。
対する芹沢真央選手も二ターン目にコンクリオン、三ターン目にエルカイオウとメカオーを展開することに成功するが、四ターン目に一番出したいクリーチャーであるピラミリオンを引けず、マンモキャノンを展開してターンを終了する。
後攻四ターン目、初期アバター選手はピーチプリンセスを召喚し一枚目のソーラーコミューンを発動。
盤面に並んだ三体の内、コンクリオンとマンモキャノンをバトルで破壊しターンを返す。
芹沢真央選手が引いたカードはコルテオと、このターン中に起こせるアクションが何も無く、苦しい状況の中、引いてきたコルテオを埋めターンを終える。
続く後攻五ターン目、初期アバター選手はカスケードを召喚しリソースを回収しながら盤面を展開、更にブリザードと二枚目のソーラーコミューンを抱える非常に強力な立ち回りでターンを終了する。
先攻六ターン目、芹沢真央選手のトップはアクアサーファーと、二ターン連続して芳しくないターンドローとなる。
手札にキープしていたマーキュリーをチャージしそのままサーファーを召喚、ピーチプリンセスを手札に戻し終了する。
ターンが回り後攻六ターン目、初期アバター選手は手札に帰ってきたピーチプリンセスを召喚しその上にブリザードを進化、リソースを再び回収した後二枚目のソーラーコミューンで芹沢真央選手の盤面を空にする事に成功し、そのままカスケードによるWブレイクを決める。
だが、芹沢真央選手はここでコロビナーをトリガーし、このターンの攻撃を中断させることに成功する。
前のターンにシールドからピラミリオンを手札に加えていた芹沢真央選手、トップで引いたエルカイオウと合わせ、クリーチャーを四体展開しつつブロッカーで盤面を固めターンを返す。
後攻七ターン目、三枚目のタップカードは無かった初期アバター選手は、ブリザードで回収していたカスケードとダイヤモンドクラックを召喚、進化クリーチャーによる追加打点を形成して攻撃に入る。
オチャッピィのブレイクから始まったアタックフェイズ、芹沢真央選手は最初の一点でトリガーを発動出来れば、もう一枚のトリガーで耐える事が出来るが、それが出来なければコルテオのトリガーが必須となる。
⋯と言いたい所であるが、皆さんお気付きだろうか。
芹沢真央選手の初手にコルテオは二枚見えており、更に道中一枚引いてそのままチャージしたと筆者は書いており、この時点でコルテオは三枚見えた計算になる。
その上で改めて芹沢真央選手のデッキリストを見てると、コルテオの投入枚数は三枚であり、五ターン目までに全て見えてしまっているのである。
その為、オチャッピィの一点でトリガーしなければ、残り二枚のシールド両方にトリガーが無ければリーサルを止められない計算になる上、仮にそれを出来たとしてもカスケード二体による二回のWブレイクをエルカイオウでブロックする事が必須となり、クリーチャーを二体失う為反撃に転じるのも難しくなるだろう。
絶対絶命の状況に追いやられる中、芹沢真央選手のシールドにトリガーは無かった。
カスケードによるダイレクトアタックが決まり、フューチャー卓四回戦は初期アバター選手の勝利となった。
WINNER:初期アバター
予選五回戦 あべしんの姉@ReAl選手VSnaowa@Blitz選手
フューチャー卓五回戦のマッチアップは、リース超次元ビート対青抜き4cコントロールとなった。
両者共に16弾ND環境を象徴するようなデッキで、このデッキ達をランクマッチで見かけない日は無いと言えるほど多くのプレイヤーに使われたデッキタイプ同士である。
ただ、あべしんの姉@ReAl(以下姉)選手が主軸とするアンタッチャブル横展開にトリガーから対応出来るカードがnaowa@Blitz(以下naowa)選手のデッキにはコルテオしか入っておらず、姉選手のリーサルターンにはコルテオのトリガーがほぼ必須条件となるだろう。
予選も佳境の五回戦は、naowa選手の先攻でスタートした。
お互い三ターン目にジオブロンズマジックを唱え一ドローに成功する上々の立ち上がりを見せ、先攻四ターン目にnaowa選手はガードホールをチャージからボルシャリオを展開、四色のマナ基盤をしっかり作りつつ二枚目のガードホールを回収する。
対する姉選手も負けておらず、ドラヴィタホールで先程唱えたジオブロンズマジックを墓地から回収しつつアタッカーであるアンタッチャブルを二体展開しターンを終了する。
続く先攻五ターン目、naowa選手もドラヴィタホールを詠唱しジオブロンズマジックを手札に回収しながらドラヴィタを召喚、手札には無いがトップでコルテオを引いた場合は殴り返しで盤面を制圧出来るため、姉選手視点では嫌な一点であっただろう。
ターンが回り後攻の姉選手、ボルシャックホールから更にアンタッチャブルを二体召喚、リーサルに向け着々と準備を進めていく。
先攻六ターン目、naowa選手はトップで引いたライフを埋めジオブロンズマジックを再び詠唱。
一ドローこそ出来なかったものの単色が埋まり、残った五マナをしっかり使い二枚目のドラヴィタホールから不滅ギャラクシーを展開、バルカディアスの受けも見つつターンを終了する。
返しのターン、姉選手はフィニッシャーであるゲンジをドローする右手の光り方を見せつけ、もう一枚のフィニッシャーであるエクスと合わせSAのWブレイカーを二体召喚、そのままゲンジのWブレイクから攻撃を開始する。
ゲンジの効果でボルシャリオを破壊しシールドを二枚ブレイクする姉選手、スーパー炎獄スクラッパーをトリガーしエクスを破壊されるも、四体並んだアンタッチャブル軍団を止められるカードはコルテオしか無い。
勢い止まらずアンタッチャブルで三枚目のシールドをブレイクするが、ここで唯一解であるコルテオをしっかりトリガーさせるnaowa選手。
返しのターン、naowa選手はガードホールで再びコルテオをシールドに埋めつつディアスZを召喚し、更にドラヴィタで四体のアンタッチャブルを全てバトルで破壊、三体以上のクリーチャーを場から離した為ディアスZがそのまま覚醒し姉選手の小型アタッカーを遮断する磐石な状態でターンを終える。
追い詰められた姉選手だったが、まだ勝敗が決した訳では無い。
手札からは何もアクションを起こさず、盤面のゲンジでコルテオと分かっているシールドを含むWブレイクを加えターンを終了する。
先攻八ターン目、naowa選手はボルシャリオから三枚目のガードホールをサーチ、ドラヴィタでゲンジを破壊してターンを終了する。
返しのターン、再びトップでゲンジを引いた姉選手はそのまま召喚し、効果でボルシャリオを破壊しながら最後のシールドをブレイクする。
⋯が、シールドからnaowa選手の手札に加わったのは永遠のリュウセイカイザーであり、それはゲームを決定づけるには十分なカードだった。
先攻九ターン目、トップで引いたボルシャリオから四枚目のガードホールを回収し、これで終わりだと言わんばかりに永遠のリュウセイカイザーがnaowa選手のバトルゾーンに舞い降りる。
ターンが回ってきた姉選手だったが、もはやこの盤面を返すカードは自身のデッキに無いと判断した姉選手がリタイアし、フューチャー卓五回戦はnaowa選手の勝利に終わった。
途中からは終始naowa選手優勢で進んでいたが、コルテオがトリガーするタイミングが後一枚ズレていればかなり違った展開になったかもしれないと思うと、両者共に譲らぬ紙一重の試合だっただろう。
WINNER:naowa
予選六回戦 渡良瀬選手VS野崎維織選手
予選も大詰め、六回戦のフューチャー卓はリースブリザード対ドロマーエイリアンのマッチアップとなった。
このマッチアップの争点となるのは、エイリアン側が如何に六点を生成出来るかにあると、筆者は考えている。
展開力と速度では圧倒的にブリザード側に劣る為(そもそもブリザードに展開力と速度両方で勝てるデッキが存在しないが)、ザビデモナから覚醒後のジョンをそのまま出して進化クリーチャーを止めつつ、ある程度はシールドで返してガガアルカディアスで呪文を止めつつ締めるというのが理想だろう。
逆に、それが出来なければ厳しい状況が続くだろうし、デストラーデまで辿り着けるかどうかも怪しい対面になっている。
最終戦である六回戦は、渡良瀬選手の先攻で幕を開けた。
先攻の渡良瀬選手は、三ターン目にエイリアンにおける展開の要であるザビクラズドラグーンを召喚する理想的な立ち上がりを見せるが、更に理想的だったのが野崎維織選手であった。
後攻三ターン目、野崎維織選手は前のターンに出していたコートニーの上にブリザードを進化させマナゾーンから三枚のスノーフェアリーを回収、更にジャスミンのブーストを挟みつつポレゴンを展開する鬼の回り方を見せる。
更に、ジャスミンのブーストでマナに落ちたのは火文明のカードであり手札にはボルシャックホールとシューティングホールも抱えているという、最大値と言って差し支え無い手札のままブリザードによるブレイクが入る。
渡良瀬選手はここでガガコロリンをトリガーするが、既にアタッカーが居ないこの盤面では有効打になりにくく、召喚酔いのポレゴンをタップさせる。
続く先攻四ターン目、渡良瀬選手はザビデモナから覚醒ジョンをそのまま召喚、後続を牽制しつつタップさせていたポレゴンをザビクラズドラグーンで上から殴り返しターンを終える。
だが、止まらないのが野崎維織選手。
トップで引いた三枚目のカスケードをチャージしシューティングホールでコロリンを破壊しつつガイアールカイザーを召喚、ブリザードでザビクラズドラグーンを更に上から殴り返した後ガイアールカイザーで二枚のシールドをブレイクする。
二枚の中にトリガーは無く、ターンが帰ってきた渡良瀬選手はガガピカリャンと特攻人形ジェニーを自壊させずに召喚、相手は盤面でのリーサルが見えているが、自分もトリガーからの逆リーサルも見えているというカウンター体制を整えターンを終了する。
だがどこまでも完璧だったのが野崎維織選手、トップのDNAスパークをチャージし、ボルシャックホールからアンタッチャブルを二体展開、更に効果でピカリャンを破壊し渡良瀬選手の盤面からエイリアンを消す事に成功する。
満を持したアタックフェイズ、渡良瀬選手は次のターンのリーサルを狙うならば、残りの盾二枚からコロリンorザビデモナ含む二枚のトリガーが必要となる。
ここで勝った方が決勝トーナメント行きを決定付ける、魂の一戦であったが果たして⋯
渡良瀬選手は少なくとも一枚以上のトリガーを発動させる事に成功する。
その内容は⋯
デスゲート一枚では返しのターンにリーサルを組む事が出来ず、更に盤面のクリーチャーを処理する事も不可能となった渡良瀬選手に、もはや巻き返す手段は残っていなかった。
渡良瀬選手がリタイアをし、フューチャー卓六回戦は野崎維織選手の勝利となった。
仮にコロリンとデスゲートのトリガーするタイミングが逆であれば勝負の行方は全く分からなかったと考えると、先の五回戦も合わせてシールドというものはこのゲームを悔しくも難しくも、そしてなにより面白くもさせる最高のスパイスになっているのだろう。
WINNER:野崎維織
終わりに
いかがだったでしょうか。
今回初めてカバレージというものを書いてみたので、皆さんの想像とは違ったものが出来上がっているのかも知れませんが、どうでしょうか?
また、今まで筆者はnoteを書く時敬体(一般的にです・ます調と言われる文章の書き方)で書いてきましたが、今回は常体(一般的に、だ・である調と言われる文章の書き方)で書いてみたので、所々違和感がある書き方があったかも知れません。
是非DMやリプライで感想を頂けると嬉しいです。
また、今回はGANHAR OH DRAGON cup
FINALの予選編となりましたが本戦編も書こうと思っており、その際は選手の方々に個別でインタビューをするかも知れません。
これを読んでくださった方の中に、本戦でフューチャーされたよという方がいらっしゃったら、是非インタビューにお答え頂けると幸いです。
最後に、1万3600字に及ぶこの記事をここまで読んで下さった読者の方に特別な感謝を込めて終わりにしたいと思います。