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どんな人のそばにも寄り添うアート体験

昨年11/29に開催した高橋グループのイベント「食と健康 グッドサイクルフェスタ」。今回は、そこで親子アート教室を企画してくださった『artdrop』(アートドロップ)主催者の矢野さんにインタビューさせていただきました!


(株)九州TSUTAYAが運営する『artdrop』は、「気軽にアート体験ができる場」をコンセプトに、様々な個性あふれるアーティストの方が講師となって、お子様から初心者の方まで、どんな方でも絵画を描くことのできるワークショップを行っています。矢野さんは、福岡市スタートアップカフェでコンシェルジュとして様々な起業相談にのりながら、この事業を一から立ち上げられました。「アートは自己表現」と語る矢野さんに、その真意を伺ってきました。

「アート」をもっと身近に感じてもらいたい!

親子アート1129

―「グッドサイクルフェスタ」での親子アート教室、大盛況でした!用意していたキャンバス代わりのエコバッグが全てなくなりましたね!
本当に沢山の親子に楽しんでいただけて嬉しかったです!
『artdrop』は基本、大人向けのワークショップなのですが、今回子どもたちが夢中で描いている光景を見て、画を描くことで自己表現をすることは、自然なことなんだと改めて感じました。

矢野さん3枚目

というのも、『artdrop』を立ち上げた当初、大人にとっての“アート”の敷居の高さを痛感したんです。“アート”と聞くと、芸術や天性といった、どこか特別な世界の人のものと受け止められ、なんとなく身構えてしまうんですよね。私自身もそうでしたが、大人になるにつれ、いつの間にか画を描くことなどからも疎遠になってしまった方は多いのではないでしょうか。
その一方で、大人になると、子どもにはいろんな表現ができるようになってほしいと願いを託して教育するじゃないですか(笑)それなら、まずは自分たち大人が画を描くことを楽しめたらなと思いました。

私はこの私で良い!自分の自信に繋がるアート体験

矢野さん「

―『artdrop』は、手ぶらでイベントに参加でき、まさに気軽にアート体験できることが魅力ですよね。
このフェスタで見た光景のように、画を描くこと自体は本来幼い頃から慣れ親しんだ経験だったはずなんですよね。それを改めて体感してもらうにはどうしたら良いかを模索していた頃、私自身があるアート体験をしたんです。
お酒を飲みながら気軽に画を描くイベントに参加したのですが、キャンバスに向かって思い切り筆を振って描いたとき、ものすごくすっきりして!表現することがこんなにストレス発散になるのだと実感しました。更に、私にも描けるんだ!という自信にもなったんです!アートに対する距離も一気に近づき、別世界に感じていたアートの「当事者になれた」という感覚が芽生えました。
そこで、表現することの心地良さを広めることこそ、アートの敷居を下げるきっかけになると考えたんです。そこから『artdrop』が今のようなカタチになりました。

―『artdrop』に参加された方たちの反応はどのようなものでしたか?
画を描くことで私自身まず感じたのは、自己肯定感の高まりです。
参加者の皆さんは勇気をもってイベントに参加してくださるんですが、最初は“アート”と聞いてどことなく少し不安げなんです。でも、終わる頃には生き生きとした表情を浮かべ、皆さん笑顔で嬉しそうにご自身の画を見せてくださいます。

作品をつくるときは、誰かに何かを指示されることはひとつもなく、色ひとつから自分で決めていきます。上手い下手は本当に関係なく、真っ白なキャンバスに「自分で決めて自分でつくる」ための小さな決断を積み重ねていく。その行為自体が、爽快感やその先の自分に対する自信に繋がるのではないでしょうか。

成長の過程で、人は“空気を読む”ことを身につけ社会に適応していることが少なからずありますよね。だからこそ、自分自身の思うままに自由に描くことがとても新鮮に感じられ、そこに心地良さがあるんだと思います。

ありのままを受け入れるコミュニケーションの場

artdrop写真差替え分

―『artdrop』が目指すイベント空間は、どのようなものでしょうか?
年齢や性別、肩書きなどにとらわれることのない、フラットなコミュニケーションを体感できます。画を通じて「私はあなたのこういうところが好き」と純粋に伝え合うことで、世間体に縛られず、緩くとも確かな繋がりが生まれるんです。人と繋がりが持ちにくくなりがちな世の中だからこそ、こうした安心感や一体感のある温かな空間を大切にし、リアルな場の価値を高めていきたいです。
そして、参加してくださった皆さんとアート、更には、アーティストさんとの新しい出逢いの場(プラットフォーム)となるよう、これからも様々なことにチャレンジしていきたいです!

矢野さん最後ページ

インタビュー中、終始穏やかな笑顔で話してくださった矢野さん。そんな柔らかさの中にも、凛とした芯の強さを感じました。
彼女自身、今の部署へ異動となってすぐに家族の看護で10ヵ月休職しないといけない時期があり、それを乗り越えての『artdrop』立ち上げだったそうです。ただ、休職期間で過ごした家族との時間を通じ、今ある“当たり前”は決して当たり前ではない、と強く実感するとともに、外の世界の見え方は自分の意識次第で大きく変化すると考えるようになったそうです。

何かを始めようとするとき、アレコレ考えてブレーキをかけているのは、他人じゃなくて結局自分自身なんですよね。だからこそ、周囲にどう思われようと、自分が楽しめて、周りに喜んでくれる方がいる限り、未知の体験でもきっと何かに繋がると感じることはやろう!と意識しています。」
そう矢野さんは語ってくださいました。


コロナとの付き合いの続く社会に対し、もどかしさを感じている方は少なくないと思います。
でもきっと、自分の世界の創り方は、いつだって自分次第。
アート体験を通じて、「これで良いじゃん!」と自分自身に対して思えるきっかけやマインドそのものを養ってみたり、日々の生活のアクセントになるような自分らしい彩りを見つけてみたりしませんか?

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