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【遊戯王】謎のカード《竜絶蘭》に先攻ワンキルされた話【マスターデュエル】

先攻ワンキルとは

 先攻ワンキルとは、読んで字の如く先攻1ターン目で勝利することを言います。当然のことですが、先攻はバトルフェイズを行えないため、モンスターの攻撃で相手ライフを削り切ることは不可能です。そのため、カードの効果によるバーンダメージデッキアウト、カードの持つ特殊効果による勝利でのみ先攻ワンキルが成立します。
 現在マスターデュエルのデュエルトライアルでは2004年以前に発売されたカードしか使えないというルールでのデュエルが開催されており、今から20年前のデュエルモンスターズは今とは違ったベクトルで壊れたカードゲームになっていました。
 古くは大量のドローソースで素早く5枚のパーツを揃える【エクゾディア】やエラッタされる前の《カタパルト・タートル》と禁止カードである《魔導サイエンティスト》で融合モンスターを射出し続ける【サイエンカタパ】、近年では《フェニキシアンクラスター アマリリス》と《トポロジック・ボマー・ドラゴン》のコンボによる破壊からの自己蘇生による800×10回のバーンダメージを与える【植物リンク】、攻撃力を8000以上にした《アークロード・パラディオン》を《破滅竜ガンドラX》で破壊してバーンダメージを与える【ガンドラ1キル】といったデッキは猛威を奮い、多数の禁止カードを生みました。
 このように、先攻ワンキルとはゲーム性を著しく破壊する戦法であることから、その戦法が周知されるとKONAMIの制限改訂によってそれに関係するカードはかなりの速さで一発禁止に追い込まれることが多いです。
 しかし、いまや1万種以上のカードが存在する遊戯王において、その手順の煩雑さから禁止はおろか制限すらされていないワンキルコンボも存在しています。
 今回書かせて頂くのは私が先月末にマスターデュエルのランク戦で遭遇したリンクモンスター《竜絶蘭》+αによる先攻ワンキルのルートです。

初手での必要カード

《魂喰いオヴィラプター》

効果モンスター
星4/闇属性/恐竜族/攻1800/守 500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから恐竜族モンスター1体を選び、手札に加えるか墓地へ送る。
(2):このカード以外のフィールドのレベル4以下の恐竜族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。
その後、自分の墓地から恐竜族モンスター1体を選んで守備表示で特殊召喚する。

《魂喰いオヴィラプター》は『ストラクチャーデッキR-恐獣の鼓動ー』で登場した恐竜族の下級モンスターであり、展開の起点となる2つの効果から一時期は制限カードにも指定されていたカードです。
 現在は3枚積めますが、このカードおよびこのカードをサーチできる《化石調査》があるかどうかで【恐竜族】デッキの強さが変わると言っていいでしょう。

《幻創のミセラサウルス》

効果モンスター
星4/炎属性/恐竜族/攻1800/守1000
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。
このメインフェイズ中、自分フィールドの恐竜族モンスターは相手が発動した効果を受けない。
(2):自分の墓地からこのカードを含む恐竜族モンスターを任意の数だけ除外して発動できる。
除外したモンスターの数と同じレベルを持つ恐竜族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。

 オヴィラプターと共に化石調査でのサーチが可能なモンスターであり、基本的には②効果によるリクルートが用いられますが、①効果もオヴィラプターを誘発から守ることができます。
 この2枚のカードおよび2体をサーチできる化石調査が初手にあることで後述の先攻ワンキルへと繋がります。

先攻ワンキルへのルート

●状況
自分の使用デッキ【EMオッドアイズ】
相手の使用デッキ【恐竜族】
相手の先攻

1:手札の《幻創のミセラサウルス》の①効果を発動し、このカードを墓地に送ることで、このターン恐竜族を相手の発動した効果から守る
※この効果を予め使っておくことで《灰流うらら》や《無限泡影》からオヴィラプターを守ることができます。
2:《魂喰いオヴィラプター》を召喚
3:オヴィラプター①効果で《ベビケラサウルス》をサーチ
4:墓地のミセラサウルスの②効果でミセラサウルス1体を除外しデッキから《珠玉獣-アルゴサウルス》をデッキから特殊召喚
5:特殊召喚に成功したアルゴサウルスの効果で手札のベビケラサウルスを破壊し、デッキから《究極進化薬》をサーチ
6:破壊されたベビケラサウルスの効果でデッキから《プチラノドン》を特殊召喚
7:オヴィラプターの②効果でプチラノドンを破壊し、墓地のベビケラサウルスを特殊召喚
8:破壊されたプチラノドンの効果でデッキからレベル4《スクラップ・ラプター》を特殊召喚
9:ラプターの①効果でベビケラサウルスを破壊し【スクラップ】モンスターの召喚権を増やす
10:破壊されたベビケラサウルスの効果でデッキから2体目のベビケラサウルスを特殊召喚
11:アルゴサウルスを素材に《リンクリボー》L召喚
12:リンクリボーとラプターで《スクラップ・ワイバーン》をL召喚
13:ワイバーンの①効果でラプターを特殊召喚し、そのラプターを破壊
14:ラプターの②効果とワイバーンの②効果を発動し、ラプター効果で《スクラップ・キマイラ》をサーチし、ワイバーン効果で《スクラップ・ゴーレム》を特殊召喚し、ベビケラサウルスを破壊
15:破壊されたベビケラサウルスの効果で《ジャイアント・レックス》を特殊召喚
16:スクラップ・キマイラを召喚し、キマイラ効果で墓地のラプターを特殊召喚
17:キマイラとジャイアント・レックスで《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》をL召喚

※16までの手順はオーソドックスな【恐竜スクラップ】ですが、アナコンダが出てきたことで私は?になりました。

18:アナコンダの①効果でラプターを闇属性に変更
19:闇属性となったラプターとオヴィラプターで《魔王龍 ベエルゼ》を(相手から見て)メインモンスターゾーンの右端にS召喚

20:スクラップ・ゴーレム効果で墓地のラプターをこちらのメインモンスターゾーンの真ん中に特殊召喚
21:ワイバーンとアナコンダで《転晶のコーディネラル》をL召喚

22:コーディネラル効果でベエルゼとラプターのコントロールを入れ替える
23:ゴーレムとラプターで《落消しのパズロミノ》をL召喚

※コーディネラルとパズロミノは決して多く使われるモンスターではありませんが、私はこの2体は《リプロドクス》と共に悪事に利用されるモンスターというイメージしかありませんでした。

24:究極進化薬を発動し、墓地のジャイアント・レックスと恐竜族以外のモンスターを除外してデッキからレベル7・恐竜族の《ダイナレスラー・パンクラトプス》を特殊召喚
25:除外されたジャイアント・レックスを②の効果でパズロミノのリンク先に特殊召喚
26:パズロミノ効果でジャイアント・レックスのレベルを7に
27:パンクラトプスとジャイアント・レックスで《真紅眼の鋼炎竜》をX召喚
28:コーディネラルとパズロミノの2体で《竜絶蘭》をL召喚

最終盤面


自分フィールド:EXゾーン《竜絶蘭》メインモンスターゾーン《真紅眼の鋼炎竜》
相手フィールド:《魔王龍 ベエルゼ》

29:竜絶蘭のL召喚成功時の効果(●ドラゴン族:墓地のドラゴン族×100のダメージを与える+●恐竜族:墓地の恐竜族の数だけ竜絶蘭の攻撃力200アップ)を適用
30:相手の効果でダメージを受けたことでベエルゼの②の強制効果が発動し、ベエルゼの攻撃力100アップ
31:ベエルゼの効果発動により鋼炎竜の②効果が発動し、相手に500ダメージ
32:鋼炎竜の効果でダメージを受けたことでベエルゼの攻撃力500アップ
33:ベエルゼの効果発動により鋼炎竜の②効果が発動し、相手に500ダメージ

以下ライフが尽きるまで無限ループ……

 基本先攻ワンキルは不快でしかなく、無限ループが始まった途端サレンダーするのですが、ここまで手をかけてする先攻ワンキルには感服してしまい、こちらのライフが尽きるまでぼーっと画面を眺めていました。デッキ内容的には通常の恐竜スクラップとしても使える構築だったので、こんなデッキを機会があれば回してみたいですね。

 まあミセラサウルスを使っていても、恐竜族以外のモンスターはこのカードが降り注ぐことでフィールドが焼け野原になってしまうので、ロマン枠であることには変わりませんが。結局恐竜は隕石で死滅する宿命。




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