【ポケモンSV】そのポケモン、硬すぎにつき【ディンルー】
ディンルー。中国語の「鼎鹿」をそのまま読んだものであり、直訳すると「鉄器の鹿」となります。その体躯から牛のようにも見えますが、器と一体化した角は牡鹿の角にも見えなくはないので鹿なのでしょう。
ちなみに鼎(かなえ)とは古代中国で用いられた器の一種であり、殷周時代には王位継承の宝器として使われていたようです。
スカーレットの図鑑にある「古の儀式で使われた器」とありますが、果たしてその儀式のためにどれだけの血が流れたのでしょうか。ここまで来ると封神演義っぽくもありますね。
ディンルーのステータス
タイプ:あく・じめん
特性:わざわいのうつわ(この特性を持つポケモン以外の特攻を3/4にする)
種族値
HP:155
攻撃:110
防御:125
特攻:55
特防:80
素早さ:45
見た目がいかにも重戦車めいていますが、まさかここまでとはと二度見してしまうレベルの種族値。
物理耐久はもちろん、特殊耐久も特性のおかげで非常に高く、弱点の特殊技であってもテラスタルの補正やこだわりメガネなどのアイテムがなければ大体は耐えてしまいます。
ちなみにこれでも種族値はナーフされており、調整前はHP:165、防御:130、特攻:50というものであり、特攻は5増えましたがHP防御は計15減っています。正直ナーフされていなかったら禁伝レベルだったと思います。
HP:150
攻撃:100
防御:115
特攻:65
特防:65
素早さ:35
SVを代表する高耐久ポケモンのヘイラッシャと比較すると、なんと特攻以外全てのステータスで上回っています。
そもそもタイプや特性の違いがあるので一概にディンルー>ヘイラッシャとはなりませんが
、こうして種族値という数字で見てみると改めてディンルーというポケモンの耐久力の高さが窺えます。
HP:108
攻撃:112
防御:118
特攻:68
特防:72
素早さ:47
登場から17年経ちながらも未だに高耐久ポケモンの座を確固たるものにしているカバルドン。同じ地面タイプのポケモンということで比べてみましたが、やはり一般ポケモンと準伝説を比べるのは酷でしょう。
とはいえ、カバルドンはディンルーが覚えないあくびやなまけるといった技を覚えるので数値では劣っていても、単純に下位互換とは言えないのはカバルドンの強みですね。
HP:150
攻撃:100
防御:120
特攻:100
特防:120
素早さ:90
SVでは解禁されていませんが、禁止伝説級トップクラスの耐久を誇るギラティナ(アナザーフォルム)の物理耐久をもディンルーは上回ります。
同じ禁伝・地面タイプでもジガルデ(パーフェクトフォルム)にはさすがに劣りますが、禁止伝説級が比較対象に上がる時点でもう既におかしなレベルということですね。
ディンルーの習得技
○物理技
じしん:地面/威力100/命中100/PP10
じだんだ:地面/威力75/命中100/PP10/技失敗で威力倍
じならし:地面/威力60/命中100/PP20/相手素早さ1段階ダウン
すなじごく:地面/威力35/命中85/PP15/4〜5ターンダメージ+ゴーストタイプ以外交代不可
じわれ:地面/命中30/ PP5/一撃必殺
じごくづき:悪/威力80/命中100/PP15/2ターン音技使用不可
しっぺがえし:悪/威力50/命中100/PP10/後攻時威力2倍
ストーンエッジ:岩/威力100/命中80/PP5/急所ランク+1
がんせきふうじ:岩/威力60/命中95/PP15/相手素早さ1段階ダウン
ヘビーボンバー:鋼/命中100/PP10/相手との体重差で威力変化(40〜120)
○特殊技
カタストロフィ:悪/命中90/PP5/相手HP半減
テラバースト:ノーマル/威力80/命中100/PP10/テラスタイプによってタイプ変化、能力値によって物理特殊変化
○変化技
ステルスロック:岩/PP20/交代時1/8ダメージ
ちょうはつ:悪/命中100/PP20/3ターン変化技使用不可
ふきとばし:ノーマル/必中/PP20/強制交代技
まきびし:地面/PP20/交代時1/8ダメージ
ねむる:エスパー/PP5/HP全回復・状態異常回復・2ターン眠り
技のラインナップは比較的整っており、タイプ一致技の地震は型問わず採用されています。準専用技のカタストロフィは起点作成型ではもちろん、アタッカー型でも採用されているケースが高く、HPを半減させる技ながら身代わりを削ったり、風船を割ることができるのでディンルーの性能と噛み合っています。
残り2つの技は型によって変わっており、先発での起点作成型ではステルスロック+吹き飛ばし、アタッカー型はタイプごとに合わせたテラバーストや対フェアリーのヘビーボンバーが採用されるケースが多いようです。地割れは反則
ディンルーの性格・持ち物・テラスタイプ
道具は起点作成型がオボンの実、アタッカー型は突撃チョッキが多いようです。
オボンの実は調整すれば一致抜群技も確定3発になるなど、持ち前の耐久力をより活かせるようになります。
突撃チョッキは特性も相まってより特殊に厚くなる反面、変化技が使えなくなるため必然的にアタッカーになりますね。アタッカーとしてはA種族値110と物足りないですが、カタストロフィで削りを入れることができるので微妙なA種族値を補えば十分活躍が見込めます。
性格は腕白・意地っ張り・慎重の3つが多めで、こちらに関しては用途で変わるとしか言えないですが、キョジオーンが腕白HD振りが最も耐久指数が高くなるという例もあるので、仮想敵を見据えた上での調整するケースが多そうです。
テラスタイプで最も多いのは弱点の格闘・虫に強くなれるフェアリーが最多で、同様の耐性+フェアリー半減・毒毒無効の毒テラスタルが続きます。一時期は対アーマーガアやマリルリを想定した電気テラスタルも多かったですが、現在はパオジアンの氷技を半減できる水テラスタルも増えています。
とはいえ、起点作成役を担うことの多いディンルーにテラスタルを切るパターンはあまり見られないことだと思うので、テラスタイプはアタッカーとして使うケースを考えた上で選択したいですね。
総評
今シーズンは現状5位といまだに高順位をキープし続けているディンルーですが、事前にその強さが騒がれすぎたこともあってか既存ポケモンであるカイリューやサーフゴー、ハバタクカミに使用率でわずかながら遅れをとる形なっています。
とはいえ、起点作成型およびチョッキ型といったメジャーな型が弱いわけでもなく、最近はSに振って相手のチオンジェンやアーマーガアの上から挑発を打つ型も出てくるなど開拓がどんどん進んでいるため、今後のレギュレーションでヒスイのポケモンやDLCに合わせて解禁されるであろう過去作の準伝ポケモンが出てきてもなお一定の強さを維持し続けると思われます。
振り方次第でハバタクカミのこだわりメガネ+ムーンフォースやテツノカイナの意地っ張りインファイトといった一致高火力弱点技を耐えるだけのポテンシャルを持っているポケモンなので、変わらず対策を怠ってはいけないポケモンと言えるでしょう。
ちなみに私は最初は慎重HD@オボンの起点作成型で育成しましたが、あまり選出できる機会がなかったので現在は突撃チョッキを持たせたアタッカー型として運用しています。
元々の性能が高いため、テラスタルを使わずとも一定の役割をこなしてくれるポケモンだとは思います。ただ、突撃チョッキというアイテム自体が非常に有用なアイテムなので、このディンルーを使うと他のチョッキ適性が高いポケモンを使えないのが難点ですね。
意地っ張り@とつげきチョッキ
テラスタイプ:フェアリー
実数値(努力値)
239(68)-178(252)-146(4)-×-117(134)-72(52)
HP:16n-1
A:特化
S:4振り50族抜き
BD:余り技:じしん/カタストロフィ/ヘビーボンバー/テラバースト