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【ポケモンSV】レギュレーションHで意識しておきたいSライン

はじめに


 9月から始まるレギュレーションHですが、ルールとしてパラドックスポケモンと準伝説級を含む全伝説ポケモンが使用不可となります。
 ポケモンSVの環境はハバタクカミを筆頭とした特性古代活性/クォークチャージ持ちのパラドックスポケモンS種族値135のパオジアンによってSラインが高くなっており、かつ現行のレギュレーションGでは、この2体と同じS種族値を持つコライドン/ミライドンが、その2体を更に上回る黒馬バドレックスもこだわりスカーフを持つことがあるという、ストレイト・クーガーもびっくりの速さを突き詰めた環境となっています。
 しかし、レギュレーションHではそれらのポケモンが一斉にいなくなるため、インフレしたSラインは一旦の落ち着きを見せるものと思われます。
 今回の記事ではS種族値と実数値を取り上げ、どのくらいの努力値を振ればこだわりスカーフや竜の舞などの技でそのポケモンより素早くなれるかをまとめ、見れるようにしていきたいと思います。

個人的に思うメジャーな素早さラインのポケモンたち

ドラパルト:S種族値142/最速S実数値213・準速S実数値194

 レギュレーションHにおいて最速マルマイン(S種族値150/最速実数値222)ですが、残念ながら環境においてメジャーなポケモンになるのは難しいと思われるので今回は割愛します。マルマイン好きの皆さま申し訳ございません。
 S種族値142は皆さまご存知600族のドラパルトです。剣盾時代はダイマックスとの相性の良さから一般ポケモンではかなり使われていましたが、今作ではブーストエナジーを持ったハバタクカミなどのパラドックスポケモンが容易に上を取ってくるため、その高いS種族値が活かされにくい環境にありました(ドラパルト側もこだわりスカーフを持てば対応可能)。
 しかし、そのパラドックスポケモンが不在のルールにおいては素の素早さにおいてはまず上を取られないポケモンであるため、今後素早さ調整をする場合は剣盾時代同様にスカーフや積み技のS基準は最速ドラパルト抜きといった形に戻りそうですね。
 最速ドラパルトをSが上昇する積み技1回orこだわりスカーフで抜くために必要なS実数値は143になります。
 
S種族値78(イダイトウなど)からS種族値90(͡コノヨザルなど)のポケモンは最速にする必要があり、S種族値91(素のロトムなど)以上のポケモンは準速でもスカーフを持つことでドラパルトよりも素早くなれます。
 また、高速移動やすいすいなどの技や特性でS実数値を2段階アップ(2倍)させる場合は、S実数値を107以上にすることで、ドラパルトよりも素早くなることができます。
 最もそれらの技を使う場合は、ドラパルトを更に抜いてくる最速龍舞カイリュー(S種族値80)やスカーフサーフゴー(S種族値84)くらいまでは抜けるようにしておいても損はないでしょう。

マスカーニャ:S種族値123/最速S実数値192・準速S実数値175

 このラインに位置するのはレギュレーションHで使用率が上がると思われるマスカーニャです(同速にオンバーンも存在)。
 レギュレーションGまではより素早くマスカーニヤの弱点を突いてくるハバタクカミ、パーティーの悪タイプ枠を奪う四災の登場で使用率はあまり高くありませんでしたが、こちらも前述のポケモンの使用不可を受けて使用率が伸びる可能性もあります。
 マスカーニャは耐久こそ低めですが、専用技で確定急所のトリックフラワーやはたき落とすや不意打ちなどの悪技、対ドラゴンのトリプルアクセルやじゃれつく、対面操作技の蜻蛉返りなど優秀な技を覚え、トリックや毒菱などの小技も使えるため侮れない存在ではあります。
 ちなみにすぐ下にはゲッコウガ(S種族値122)がおり、120族もかるわざで更に素早くなるとはいえ、それ以外の型も強いオオニューラ(S種族値120)がいるので、意識しておくに越したことはないラインだと思います。

ガブリアス:S種族値102/最速S実数値169・準速S実数値154

 S種族値102といえば、ポケモン対戦歴の長い人なら真っ先に思いつくであろうガブリアスですね。このルールではパラドックスポケモンに加えてオーガポン(S種族値110)がいないことを考えると素早さのラインはかなり低くなっており、ガブリアス自身もこだわりスカーフを持つこともあれば、SVではいかさまダイス+スケイルショットのコンボで素早さを上げてきます。
 元々のタイプ上、トップメタとされているカイリューとサーフゴーに強く、特に前者はスケイルショットでマルチスケイルを貫通しながら弱点を突けるので、激戦区となる地面タイプですが、ガブリアスが使われるケースも多くなりそうです。
 ちなみに最速ガブリアス(169)を素早さ1段階上昇で抜くためにはS実数値114が必要になります。無振りでこの数値に達するにはS種族値94(デカヌチャン)以上でなければなりません。2段階上昇で抜く場合はS実数値85、S種族値65以上(ハッサムなど)が必要となります。

グライオンなど:S種族値95/最速S実数値161・準速S実数値147・無振りS実数値115

 参加可能ポケモンが似ているレギュレーションAとの相違点として、DLCで追加されたポケモンの存在があります。S種族値95のポケモンは多いですが、特に気を付けるべきポケモンとなるとDLCで追加されたグライオンでしょう。
 グライオンは禁止伝説級が使用可能なレギュレーションGでも高い使用率を誇り、その大半がどくどく+身代わり+守る+ポイズンヒールによるみがまもで自分より遅い相手を猛毒のダメージで削るというものです。
 単純なみがまもグライオンであれば飛行テラスor風船を持たせたサーフゴーで完封できますし、連続技や音技で貫通するということで対応可能ですが、それが難しいのがポケモンバトルというものです。
 グライオンのケースであれば、陽気最速腕白or慎重でHBかHDに振る耐久型が多くなると思われるので一概には言い切れませんが、対グライオンを担わせるポケモンであれば最速時の161無振り時の115は覚えておいて損はないと思います。
 ちなみにS種族値97のウーラオスが不在な反面、ゴースト・フェアリータイプのハバタクカミがいないことから、同じ複合タイプかつ強力な専用特性を持つミミッキュ(S種族値96・最速S実数値162)も増えると思われるので、意識しておいて損はないでしょう。

サーフゴー:S種族値84/最速S実数値149・準速S実数値136・無振りS実数値104

 S種族値84というのはこうして見ると中途半端な数値ですが、レギュレーションG以外のルールで高い使用率を記録していたサーフゴーのS種族値でもあります。
 レギュレーションGでは禁止伝説級のパワーに押されて使用率が大きく下がったサーフゴーですが、禁止伝説級に加えてパラドックスポケモンと準伝説ポケモンが総じて使用不可になるレギュレーションHにおいては復権が予想されます。
 サーフゴー自体は特性の黄金の体で変化技を一切受け付けず、高いC種族値からのアタッカーからこだわりトリックのような小技まで使いこなすポケモンであり、ポケモンによっては完封されてしまうこともあるため、対策は必須クラスと言えるでしょう。
 ちなみに一つ上のS85(最速S実数値150)もかなりの激戦区であり、DLCで登場した新600族のブリジュラスや御三家のゴリランダー、優秀な専用技を持つバサギリヒスイダイケンキなど属するポケモンが多く、その更に1つ上のS86(最速実数値151)にはキラフロルFCロトム、S87(最速実数値152)には600族のセグレイブが存在します。そのため、サーフゴーを意識してS調整をするのであればこの辺りのラインも覚えておきましょう。

カイリューなど:S種族値80/最速S実数値145・準速S実数値132・無振りS実数値100

 S種族値80はいわずと知れたカイリューのS種族値です。SVではレギュレーションGにおいても高い使用率を誇っており、サーフゴーが禁伝環境で姿を消した中、SVの全シーズンにおいてその強さをいかんなく発揮したポケモンと言えるでしょう。
 そしてレギュレーションHではパラドックスポケモンと準伝説級が使用不可になる中、600族とはいえ伝説のポケモンではないカイリューは規制されず使用可能に。トップイラストにも上げられることから、間違いなくこのルールでも使用率1位になるでしょう。
 故にSラインの調整先になると思いますが、カイリュー自体はASアタッカーとして育てられることはあまり多くなく、HAに振ったノーマルテラス鉢巻神速型から炎の渦+アンコールの型、飛行テラス電磁波エアスラッシュ型、ゴツゴツメット+羽休めで粘る耐久型まで存在しているため、決め打ちができないのが現状です。
 ポケモンバトルデータベースなどで環境を見た上で対策を立てるなどする必要がありそうです。

ガチグマ(アカツキ):S種族値52/最速S実数値114・準速S実数値104・無振りS実数値72・最鈍S実数値51

 サーフゴーと共に中途半端な種族値ですが、こちらはトップメタの一角であるガチグマ(アカツキ)のS種族値および実数値になります。イベントによる確定ゲットのことから伝説のポケモン扱いされるものと思っていましたが、あくまで長い年月を生きたガチグマの変異体ということなのか一般ポケモンという扱いになりました。
 カイリューが最強クラスの物理アタッカーならば、アカツキは最強クラスの特殊アタッカーと言えるでしょう。特性の心眼はノーマル技と格闘技がゴーストタイプにも当たるようになるため、サーフゴーやミミッキュが相手でもそれらの技が通るようになります(サーフゴーに至っては格闘技が抜群で入ります)。
 アカツキは最速アタッカーとしてよりもトリックルーム下でのアタッカーとして活用されることも多く、ネックだった足の遅さを逆手に取ってはノーマルテラスブラッドムーンorハイパーボイスで多くのポケモンをなぎ倒してくることが予想されます。
 ちなみに最鈍時のS実数値51はモロバレルなどのS種族値30のポケモンの無補正無振り時の実数値50を1上回るため、S種族値30以下のポケモンとトリックルーム下で対面すると先手を取られます。

ドドゲザン/原種ガチグマなど:S種族値50/最速S実数値112・準速S実数値102・無振りS実数値70・最鈍S実数値49

 アカツキのS種族値を取り上げましたが、こちらは原種ガチグマのS種族値にあたり、他にもドドゲザンマリルリなどのポケモンがS種族値50になります。
 このクラスになると鈍速高耐久のポケモンが多くなると思いますが、ドドゲザンは不意打ち、マリルリはアクアジェットのような先制技を撃ってくるポケモンが多いので、調整のラインとしてはメジャーではないかもしれません。あまりないケースですが、ドドゲザン同士のミラーマッチになった時は不意打ちをどっちが先に撃てるかといった点でS実数値が大事になるかもしれませんね。

それ以外のメジャー(?)ポケモンのSライン

S種族値113/最速S実数値181:ジャローダ
S種族値110/最速S実数値178:ヒスイゾロアークなど
S種族値109/最速S実数値177:アローラキュウコン
S種族値100/最速S実数値167:イルカマン、ウルガモスなど
S種族値98/最速S実数値165:サザンドラ
S種族値90/最速S実数値156:コノヨザル
S種族値78/最速S実数値143:イダイトウ
S種族値75/最速S実数値139:ドーブルなど
S種族値70/最速S実数値134:キノガッサなど
S種族値60/無振り実数値80:アシレーヌ、ヒスイジュナイパー、ヒスイヌメルゴンなど
S種族値47/無振り実数値67:カバルドン
S種族値35/無振り実数値55:キョジオーン、ヘイラッシャなど

 この中のポケモンがどれくらい使われるかはわかりませんが、浮遊との相性の良さが度々指摘されるサザンドラ、起点作成からアタッカーまでこなせるコノヨザル、特性により高火力の一致技を撃てるイダイトウあたりは注意が必要になるでしょうし、Sラインとして意識せずともキョジオーンヘイラッシャ自体は多く見かけそうですね。

???「S調整? 何それおいしいの?」

 ちなみにスカーフやS上昇技に頼らずとも隠れ特性の加速でターン経過と共に何よりも素早くなれるのがこのポケモン。
 パオジアンやハバタクカミがいなくなったことで上を取れるポケモンが少なくなり、身代わり+瞑想のバトンタッチでのバトン役はもちろん専用技のルミナコリジョンが強力なので、単なる加速バトン役として終わらなそうではありますね。


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