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【16n-1】ポケモンにおけるHP実数値の調整【16n+1】

文系には辛い?

 ポケモンの育成論を見てると、時折『16n-1』のような謎の計算式を見かけることがあると思います。数学が得意な人はすぐにその意味を理解できると思いますが、高校時代数学Cで赤点を取ったこともある私は最初この意味を全く理解できませんでした。
 しかし、ポケモンにおいては定数ダメージや回復、道具や特性を最大限に活かすため、この数値の調整の有無が対戦で有効に働くことがあります。
 この記事ではその調整の意味とメリット、実数値を自分の備忘録も兼ねて載せていきたいと思います。

そもそもnってなんだろう?

 ここで頻出するnというアルファベットですが、このnには前の数字に掛ける数字を当てはめます(中学や高校の数学で代入という用語を聞いたことがあると思いますが、それです)。
 下にある16nというのは16×n(適当な数)という式になり、16にその数をかけた数ということです。つまり16nというのは16の倍数となるわけです。

16n-1(16の倍数-1)

「16n-1」というのは基本的にHPの数値調整に使われるものであり、16の倍数から1を引いた数になります。この数値にすることで以下の恩恵が受けられます。

もうどく・やけど・すなあらしによるスリップダメージが最少

 今作においてはかえんだまを持たせることで特性のこんじょうとのコンボで爆発的な火力を得るガチグマがランクマッチで結果を残しています。
 ガチグマは攻撃のみではなく耐久のステータスも高いポケモンですが、やけどで毎ターンHPが削れてしまうため、数値ほどの耐久力を感じられないところがあります(これは全てのこんじょう持ちに言えることではありますが)。
 しかし、HPの実数値をこの16n-1を満たす数にすれば、やけどによるダメージが最少になります。気休め程度ではありますが、やらないよりかはマシになるのではないでしょうか。
 また、16n-1は8n-1(8の倍数-1)も兼ねており、8n-1には以下のメリットがあります。

1/8ダメージ(バインド技のダメージ、どく、やどりぎのタネ、ステルスロックのダメージ)最少

 ステルスロックは対戦で多く使われる技であり、やどりぎのタネもチオンジェンやオリーヴァ、ブリガロンなど耐久力の高いポケモンが多用する技です。バインド技も準伝説ポケモンのヒードランの専用技・マグマストームが著名なため、これらの技による定数ダメージを減らすことができます。
 そのため16n-1=8n-1という調整は可能であればしておきたいところですね。
 ちなみにウーラオスなどHP種族値が100のポケモンは、努力値無振りかつ個体値最高の場合はLv50時の実数値は175となり、同条件でHPに努力値252振った場合は実数値207となります。
 この175と207はいずれも16n-1です。そのためHP種族値100というのは努力値調整をするに至っては何気に便利な種族値でもあります。
※ちなみにセグレイブのようなHP種族値115のポケモンも余った4をHPに振れば16n-1となる実数値191になります。

※16n-1の主な実数値
127、143、159、175、191、207、223、239、255

16n+1(16の倍数+1)

 16n-1がHP実数値が「16の倍数-1」になる調整ならば、こちらはHP実数値が「16の倍数+1」となる調整になります。HPの実数値を16n+1にするメリットには以下の点があります。

HP実数値を奇数にしつつ、たべのこし・くろいヘドロやアイスボディ・あめうけざらの回復量が最大になる
上記アイテム・特性の回復×4でみがわり1回分のHPを回復

 主にたべのこし・くろいヘドロのような毎ターンごとに1/8分のHPを回復するアイテムを持たせたポケモンに施したい調整になります。
 SVではたべのこしを持つことが多いヒードランチオンジェン、くろいヘドロが定石のドヒドイデに、未解禁ですがやどりぎのタネ+まもる+たべのこしで脅威の耐久力を誇ったナットレイのようなポケモンはHP実数値をこの値にすると回復量が増すこともあって旨味がありました。
 また、これらのポケモンはみがわりを搭載することも多いので、みがわり+まもるによる耐久戦法を活かしやすいですね。
 ちなみにハッサムなどHP種族値70のポケモンはHP個体値最高の状態でHPに努力値を全振りすると実数値が177となり、16n+1になります。

※16n+1の主な実数値
129、145、161、177、193、209、225、241、257

10n-1(10の倍数-1)

 10n-1はHP実数値が「10の倍数-1」になる調整です。10-1=9なので、1の位の値が必ず9になります。この調整の主なメリットは以下の通りになります。

いのちのたまの反動ダメージ最少

 10n-1のメリットはいのちのたまによるHPの減少値が最少になることです。ポケモンHOMEの統計ではいのちのたまを持つことが多いのが以下のポケモンになります。

ミミッキュ
レジエレキ
ボーマンダ

 この3体において使用率の関係で最も見かけるのが多いのはミミッキュでしょうか。ミミッキュは攻撃種族値が90と決して高い方ではないので、ばけのかわで行動保証を確保しつつ痒いところに手が届くいのちのたまはマッチした道具と言えるでしょう。

※10n-1の主な実数値
129、139、149、159、169、179、189、199、209、219、229、239、249

16n(16の倍数)

 16nはHP実数値が「16の倍数」となる調整です。1の位が6なので、nのところにどんな数字をかけても実数値は偶数になります。この調整で得られるメリットは以下の通りです

たべのこし・くろいヘドロの回復量が最大
ポイズンヒールの回復量最大

 DLC碧の仮面から特性・ポイズンヒールを駆使した害悪耐久型が強力なグライオンが2世代ぶりに復帰し、10月からのレギュレーションEではランクマッチにも参戦します。
 今作ではパオジアンやテツノツツミなどグライオンより速く弱点のつけるポケモンが増えたため、前と比べると動きにくくはなっていますが、それでも強力なポケモンであることには間違い無いので、ポイズンヒールを使う場合はHPの数字に目を向けておいた方がいいかもしれません。
 ちなみに16n+1〜16n+3にするとポイズンヒールの回復2回でみがわり1回分のHPを回復できるため、グライオンを使う場合はこちらの調整にしてもいいのではないでしょうか。

HP実数値を奇数にするメリット

 YouTubeなどでポケモンの対戦動画を見ると、ポケモンのHPが奇数になっていることが多いと思います。なぜ奇数になっているかというと、奇数調整にはメリットが数多く存在するからです。

・定数ダメージ(砂嵐、ステルスロック、やどりぎのタネ等)のダメージ減
・カタストロフィ、いかりのまえばのダメージ減
・弱点を受けた時に受けるダメージ減
・みがわりの使用回数増加

 4番目の弱点を受けた時〜ですが、弱点はいずれもダメージを2倍or4倍にするため、そのダメージは必ず一桁が偶数になります。そのため、耐久型のポケモンなどは奇数にしておくとわずかながらに弱点技を受けても生き残れる可能性が生まれるのです。

 ちなみに奇数調整がデメリットに働く数少ない例としてはらだいこの存在があります。
 はらだいこは自身のHPを半分削って攻撃ランクを最大にする技ですが、この技を使うポケモンの著名なコンボとしては半分になったHPをオボンのみで補う、というものがあります。
HP実数値を奇数にしてしまうと、HP半分=黄色ゲージにならなくなるため、オボンのみを即座に発動できなくなってしまうんです。
 そのため、はらだいこ+オボンのコンボを使うポケモンの場合は、HP実数値を偶数にしましょう。

調整にメリットこそあれど

 さて、ここまで様々なHP実数値の調整例を上げてきましたが、16n-1の例に挙げたウーラオスのようにHP努力値を振らないor252振りが16n-1になった、的なパターンで生きるケースは多いです。
 例えば、252振るところを244振りにして奇数にするというのはよくありますが、かといって16n-1にするためにHP努力値を大きく削ると総合的な耐久力が落ちてしまう、なんてことも少なくありません。
 なので、今回挙げた調整例はいずれも気持ち程度のものと思ってください。幸いなことにネットやツールの発達した現代はポケモンの耐久調整の目安をつけることかできるソフトも多々あります。なので、育てるポケモンの役割に合わせた形で努力値を振ってあげてくださいね。



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