2019年UCIニセコクラシックTTでの勝利
しばらくオートバイに夢中だったが、久しぶりにレースに出て「やっぱ自転車は素晴らしい!」と思い、まずは書き終えてなかった自転車の記事を投稿しよう!って事で書いてみた!
私が初めてTTバイクを手に入れたのは2019年4月。
購入の決め手はトライアスロンをやっている沢山の方々に知り合い、皆さんTTバイクに乗っているので「一緒に練習させてもらえる人がいるならやってみよう」と思いTTバイクを手に入れた。
初めて乗った時はDHバーを持って走るのが恐くビビっていたが、30分も乗っていると慣れてきて負荷が低いのにスピードがでるのを体感できた。まるでロードバイクで集団内にいる時に空気抵抗を受けずに走っている様な感覚だった。
そして2019年5月18日に木島平TTというレースに出た。TTバイク乗車5回目がレース!(笑)
道幅が凄く狭くアップダウンとコーナーの連続で訳も分からないうちにレースは終了。結果は9位。肘は痛いし呼吸は苦しいし、TTレースってめちゃくちゃ恐くてツラいもんなのかな?というのが感想だった。
しかしTTレースの可能性と面白さを感じたので、その日からTTレースで結果を出すことを目指し始めた。
2019年7月に北海道で開催されるアマチュアの世界一を決めるUCIグランファンドの予選であるニセコクラシックTT。これに参戦し、「誰よりも速く走れたら世界戦に行ってみよう」と目標を立てた。どうやら人生は短い様なのでどーせなら目標は高い方が良い。
先ずはRETULを使いポジションを探り、あらゆる角度から何度も何度も動画を撮りフォームをチェックする事に何時間もかけた。
ポジションが決まり、フォームや感触をTTバイクに最適化したく、練習時に仲間達がロードバイクに乗っていても、自分はずっとTTバイクを乗り続けた。100kmのロングライドも近所にドーナツを買いに行くのもTTバイク!
という具合に日常化する事で手脚の様に操作出来るようになり、初めに感じていた怖さはなくなり、むしろロードバイクに違和感を感じるくらいまでになった。
17Kmの平坦コースをTTバイクで何度も走り、自分がどれくらいのタイムで走れるか。風向きによる差。ペース配分。日々の疲労具合を数字を見なくても検討がつく様になっていった。
そして仲間2人と飛行機に乗りニセコへ。
レース前日の夜9時ごろレースコースから5分もかからない宿へ到着し、翌朝4時起きで試走に出かけた。
1周13kmでいきなり大きな下りからスタートし、農道の砂っぽい道にある90度コーナーをいくつもクリアし、ラストは最初に下ってきた坂をガッツリ登るコースだ。2周試走して走るイメージができた。
エントリーの受付に行くと引き締まった身体の外国人選手が何人も居る。身長も180cmは楽に超えてる人ばかりでとてつもなく速そう。「うわー。こんな人達に勝てる訳ないよね」と若干気圧されつつもレース会場へ。アップ中に知り合いに会い「試走してどんな感じ?」と聞かれ「多分18分〜19分の間くらいのタイムかなぁ〜」と返すと「そんなタイム出る?もっとかかりそうじゃない?」と言われてしまう…
朝早いにも関わらずRCCのメンバーが応援に来てくれて少し談笑し、検車ゾーンへ入る。
検査員の方に「速そうなセッティングだね!リザルトチェックしとくよ!」と言われた。
いい感じでリラックスできた状態で出走順は3番手でレーススタート!
ペダリング。フォーム。コーナーリング。一つ一つ丁寧に走る。前の2人の選手を抜き、最後スプリントしてフィニッシュ。
タイムは18分36秒。予想通りのタイムだった。自分のセンサーを研ぎ澄ましていくと予測タイムまで大体わかる様になる。
出走順が最初の方だった為、まだまだこの時点では速いのか遅いのか分からず、しばらく他の選手のタイムを聞きつつRCCメンバーと談笑。すると「トップタイムだよ!ぶっちぎりで優勝だよ!」と仲間が教えてくれた!
表彰会場へ行くとさすがUCIレース。とてつもなく立派な空間!
検車係の人を見つけたので「勝ちましたよ〜」と声をかけた。「おお!やっぱりアナタだったか!」と言われた^_^
チームのメンバーも皆んな笑顔でカメラを構えてくれている。
応援に来てくれるチームのメンバーがいる事が自分の誇りだが、その仲間も誇らしそうにしてくれている事が嬉しい^_^
表彰台へ立つと2位の選手は自転車大国のベルギー人!
後でその選手のログを見ると19分8秒を355Wで走っていた。
今大会で19分を切ったのは自分だけだったそうで平均パワーは320W。
2位のベルギー人に対して35W低いパワーで32秒も速かったという事になる。
これは走り方と空気抵抗を低くするフォームによる差で、つまり工夫次第でタイムを大幅に短縮できた!
CdA(空気抵抗)を0.01減らすと10W分パワーを上げるのと近い効果があるそうで、ヒルクライムレースの様にパワーウェイトレシオでタイムが計算できてしまうものではなく、攻略法がいくつもる。
コースも公道を封鎖しなければ走れないスペシャルコース。
夢のある競技だ。
そして決めていた通り全選手中最速タイムだったのでポーランドで行われる世界選手権に出ることに決め、異国の地を生まれて始めて自転車で走る事になる。
世界選手権の体験はまたの機会に書こうと思う。