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惨敗の経験とそこで得たこと②
読者の方々はどんな場所でどんな内容の練習をしているのだろう。
私の住んでいる地域は登りが全くなく、環境的にやりやすいのは平坦を淡々と走る練習だ。
初心者だった自分はなるべく安全なレースに出たいと思い、フジヒル等のヒルクライムレースによく出ていた。
しかし登りの練習をしていない自分に良い結果が出せる訳もなく、どのヒルクライムレースも結果は鳴かず飛ばずだった。
練習してない事は本番でもできない。
これは当たり前であって、逆に言えば練習したことしかできない。
河川敷を走り続けた事で、平坦を走る独走力は多少身についた(と思った)ので、物は試しとハルヒルの前日に開催されるハルヒルTTにエントリーしてみた。
標高1080mにある榛名湖の湖畔を走る6.5km22mUPのアップダウンのあるコースだ。
私はハルヒルTTのレース当日までTTバイクというものを見たことがなく、現地で初めて目にする事ができた。
この時、戦闘機の様なカッコ良さと威圧感のある走行音に、もの凄い憧れが芽生えたのを今でも覚えている。
純粋に速さだけを求めたフォルムに美しさを感じたのだ。
レースはというと、特に作戦も考えずただただ全開で走り続けるつもりで出走。
スタートからダンシングで飛ばすが、すぐに喉が焼けついて血の味がしてきた。
相当きつい。
折り返しの180度ターンもかなりオーバー気味に曲がり、前走者を2人ほど抜いたものの12位(266人中)
全力を出し切った。
しかしプロを除いてもアマトップとの差は34秒もあった…もちろん勝てるとは思っていなかったが惨敗だった。
あまりの圧倒的な差に大きな壁を感じたが、未熟すぎる自分にとってはまだ伸び代があると前向きに考える様にし、目指すべき道になった。
ロードバイクを購入して2年目にして自分にフィットするやりたい種目が見つかった事で、この時に心に火が着いた気がする。
友人から1位の選手はかなりキャリアのある選手だと聞き、1年で10秒づつ縮めるつもりで3年後には追いつける様にやっていこうと決めた。
今振り返れば52T-36T 11T-25Tのギヤ設定のロードバイク、ヘルメット、ジャージ。ポジションとフォームやコースの項略や走り方に練習方法など、TTをやる上で必要な事をほとんどしてなかった様に思う。
しかし自分の身体を上手く動かす事を考えながら走る事を1年ちょっと続ける事で三十路過ぎでも上位10%以内に入れた訳なので、現時点では惨敗ながらも、自分が気がつき続けてきた方向性は正しいと思えた。
住環境的に登りの練習ができず、平坦の練習ばかりのライダーは、ヒルクライムレースを目指すよりもTTレースを目指した方が結果を残せると思う。
なのでタイムトライアルレースに出ることを検討してみることもおすすめする。
探せばTTレースも沢山あるので調べてみてほしい。
TTは単独走なので他者との接触はほぼなく、落車のリスクも低く、攻略方も実は色々ある。
TTは年齢を重ねてからでもやりやすい種目だと思う。
話は戻るが、このレースでの惨敗により自分の人生の中で1番夢中になれる種目が見つかったのはとても幸せな事だったと思う。
そしてより高いレベルを体験したく、本気度の高いセミプロの世界へ脚を踏み入れたいと思い実業団チームを探し始めた。
次回は実業団登録選手になる為の入り口やチーム探しについて書いてみたいと思う。
ではまた来週の月曜日あたりに。