怪奇コントと言っておきながら「PEANUTS」をやりたくなってしまう……
がらくた宝物殿は2020年1月に怪奇コント祭り「ちょっと人面犬」を控えています。
控えているのですが……怪奇コントを書こうとしたら「PEANUTS」になりました。
スヌーピーやチャーリー・ブラウンの出てくるチャールズ・M・シュルツの漫画「PEANUTS」……あれをやりたくなってしまうのです。
軽妙な会話、趣味への執念、たまの思いやり、実らない恋、哲学、おしゃれ、簡潔さ、かわいらしいキャラクター、憎たらしいキャラクター、しつこさ、そのほか色々……「PEANUTS」にはすてきな要素がたくさん詰まっています。ロンドンのサマセット・ハウスで行われていた「PEANUTS」展を覗いて以来、漠然とおもしろいなとは思っています。しかし、がらくた宝物殿の作品には特に影響してこなかったはずです。それがどういうわけか、先日の稽古での読み合わせの際に突然、脳の片隅にスヌーピーやチャーリー・ブラウン、ペパーミント・パティが住み着くようになってしまったのです。
役者の雰囲気が「PEANUTS」の登場人物に近かった、というわけではなかったように思います(登場しても様になるとは思いますが)。なのにどうして、賢いビーグル犬たちが頭にちらつくのでしょうか……。不思議ではありましたが、そのようなことを考えている暇があったら台本を書き上げねばならない、というくらいの近さには本番が控えておりましたから、「PEANUTS」になりかけては削り、という執筆作業を続けました。「PEANUTS」にしてしまっては「怪奇」にはなりませんから。何度も修正を繰り返すうちに「PEANUTS」らしさは徐々に薄れていき、ついに、ほとんどわからないかなくらいのところまでたどり着きました。今は、ちょっと、ほんのちょっとだけ、感じようと思えば一部「PEANUTS」かも、な作品になっている……はずです。
そして、ハッとしました。今回の公演のタイトル「ちょっと人面犬」……書きあがった作品はちょっと「PEANUTS」……あ。
「PEANUTS」の代表的なキャラクター、皆さんご存知のスヌーピーはビーグルという種類の犬ですが、タイプライターで小説を書き、晴れた日には野球をし、冬はスケートをして、少年たちに一人前にアドバイスなんかもします。彼の顔はかわいらしい犬ですが、その仕草には人の姿が重なります。広い意味ではスヌーピーは人面犬、とは言えないでしょうか。言えることにしました。
言えることにしたので、次のようなことが成り立ちます。公演タイトルを「ちょっと人面犬」にした時点で、人面犬であるスヌーピーは私の脳の奥の方に潜伏を開始していたのです。がらくた宝物殿の中では、人面犬とはつまり、スヌーピーのことなのです。納得。一件落着。
と、いうわけで宣伝するつもりが特に意味のない文章を書いてしまいましたが、がらくた宝物殿とイッテルビウムの怪奇コント祭り「ちょっと人面犬」ぜひお越しください。がらくた宝物殿版「ほんのちょっとPEANUTS」と他一本をご用意してお待ちしております。
【公演情報】
イッテルビウムとがらくた宝物殿 新春怪奇コント祭り「ちょっと人面犬」
2020年1月18日(土) 15:00/19:00
会場:konya-gallery (福岡市中央区大名1-14-28 第一松村ビル201+202)
料金:500円
ご予約→ https://forms.gle/CcsLCFeGsfCpembT6