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異世界のジョン·ドウ ~オールド・ハリー卿にかけて~ 第24話 異なるが故の対立、武器に選ばれし者たち

一行は宿をとると、一階の広間に集まっていた。
そしてテーブルを挟み向かい合うと、今後の方針について話し合うこととなる。
長椅子には三人しか座れず、アシェルは妖精を膝に乗せて傾聴する姿は実に愛らしい。
煉瓦の壁の四角形に空いた穴から、羊皮紙越しに日の光が差し込む。
ガラス窓は高価で手が届かない店や、王国から離れた農村ではこれが一般的らしい。
酒場なら内部が暗くとも陽気な雰囲気があるものの、宿屋は水を打ったように物静かだ。
場所が場所だけにこそこそと密談する、よからぬことを企む冒険者と思われやしないだろうか。
宿屋に漂う陰鬱な雰囲気に打ち勝とうとしたのか、直美は普段より一段と声を張り上げた。

「では、まず初めに誰をリーダーに据えるか決めましょう。推薦したい人はいる?」

彼女が問うと、一行は悩み出す。
そして直美が青年を見遣ると、視線が一気に彼に集中した。

(……う、き、気持ち悪い。もしかして僕がやれと? 面倒だな……)

注目を集めた青年は、たまらず目線を下げた。
ハリーは粗暴で性急的で、英子は積極性に欠ける。
アシェルとウィッカは意欲があっても新参者故、言いだしにくい。
消去法的に選ばれたのだろうが、自分自身に適正があるとは思えず、どう断るか悩んでいた刹那

「ユウ、貴方に頼める?」

心の整理ができるより早く、直美は彼にそう告げる。
力強い眼差しは、本心から僕をリーダーに任命したいのが見て取れる。
嘘をついて誤魔化すより、正直に打ち明けた方が心証はいいだろう。
青年は気持ちを吐露した。

「自信がなくて務まるかどうか。誰も立候補しないのであれば、仕方ないからやるけれど」 
「なら私が務めようかしら。他に立候補する人物はいる?」

彼女は視線を投げかけ、周囲をうかがう。
目を逸らす、うつむくなど反応は様々だが、誰もやりたがる人間はいない。

「今後に関わることなの。真面目にやってくれないかしら?」

彼女の発言通り、誰を首長にするかは重要な決断だろう。
不平を漏らすと呼応するかの如く、口々に意見を言い出した。

「オレサマは嫌だね。ある程度の自由の中で好きにやりてェ」
「俺たちは加入したばかりだし、抵抗があるな。古参の人間が指導につくのが自然じゃないか?」
「私はリーダーって感じじゃないよね〜。統率力より可愛さで周りを助けちゃう妖精だから」

理由こそ違うものの、みな乗り気ではなかった。
このままいけば、リーダーは彼女。
なし崩し的に任されそうになったが、直美なら難なくこなすだろう。
ほっと息をつき、青年が惚けると

「お前がなってくんねェか。嬢ちゃんはうるさそうだからよ」

ハリーが小さく耳打ちした。
直美とは違ってネガティブで、多様な意見をまとめる決断力がない。
少なくとも僕の理想とするリーダー像からは、あまりにかけ離れている。

「……いやいや、向いてないから」
「俺は祐が適任だと思うが。直美より落ち着きがあり、知識に基づき冷静な指示を与える。上に立つ者に相応しい素質だろう」
「ありがとう、アモン。モルマスの救世主の君の判断力もすごかったよ」
「……よせよ」

照れ隠しなのか、彼はそっぽを向く。
アモンを見る青年は相好を緩めると、再度直美へと注意を向ける。

「私がリーダーで、ユウが私の補佐でいいかしら?! 意見は尊重するけど、まとめるのに必要と判断したら、独断で最善の案を選ぶわよ!」
「わかった、現状はそれがよさそうだ。当分はこの方針でいこう。みんなもいいかな?」

訊ねると、やる気のない返事でしぶしぶ承諾する。
さっさと終わらせてほしいという本音が、態度から漏れていた。
直美と周囲の温度差に、青年はあれやこれや思考を巡らせる。
冒険者は肉体仕事。
休みが足りなければ当然、効率も落ちていく。
まず討伐に関する依頼をこなした後は、5〜7日間の休暇を設け、休息を取らせよう。
余暇が充実してこそ、生産的に冒険者の活動に励めるはず。
組織運営に関する法を考える最中、直美は次の議題を出す。

「金銭の揉め事は禍根を残す。仲間が新たに加入し、人数が増えてきたから決まり事を作りましょう。私は最も活躍した人物に、報酬の1割を貰うルールを定めたいけど異論は?」

彼女らしく現実的な問題について、組織全体の方針を決めたいようだ。
だが成果報酬の制度にも問題はある。
話し合いが長引くのも承知の上で、ただ一人青年が反対の意を示した。

「基準が多数決なら徒党を組んだり媚びへつらいで、成果を上げた振りが上手い人間が評価される。寡黙な仕事人は軽んじられるだろう」
「人との接し方も評価の軸の1つ。見くびられないように対人関係に時間を費やすか、成果を上げればいいだけでしょう」

話せば話すほど彼女との溝が深まり、築いた信頼に亀裂が生じるのを感じた。
組織内の政治や内ゲバに無駄な労力を費やすより、対人関係に多少難があっても真面目な人物を優遇した方が全体の利益に寄与する。
仮に黙々と役割をこなす人物が不満を抱いて仲間から抜けたら、大きな損失に繋がるだろう。
目先の損得だけにつられた者より、細く長く利益をもたらす人材の方が計算しやすく、組織にはありがたい。
納得がいかない青年は、さらに直美と言葉を交わしていく。

「仮に君が報酬金の1割を毎回受け取るなら、言い方は悪いけど僕たちは君にずっと搾取されることになるよ」

彼女は唇を噛み、青年の発言への苛立ちと不満を理性で抑えている。
その直美の態度を、祐は立派だと心の中で称賛した。
反対する人間を罵って、自らを正当化するような感情論を振りかざした瞬間、議論の価値は地に墜ちるからだ。

「人は生まれながら平等じゃない。生まれ落ちた場所と金と環境、それでどうなるかおおよそ決まる。君のやろうとすることは恵まれた人間による搾取に他ならないよ」

言い終えた青年が沈黙すると堰を切ったように、直美の感情が爆発した。

「活躍した人間が多くの報酬を受け取るのは当たり前。貴方はそれを否定するの?」
「奪われ続ける者は装備に金銭を回せず、延々と搾取され続ける立場になる。君の冒険にも支障がでるよ」

現代風に例えるなら、これは富の再分配を巡る論争。
一度でも独占を許せば、強者有利の法は覆らない。
だからこそ絶対に譲れないのだ。

「等分で分配すれば、働かない人間も出てくるわ。無能に割く金銭的余裕なんてないのよ」
「無論、搾取が冒険に影響しない程度なら構わない。けれど富が一極集中しても、貧しい者には分け与えられない。再分配されないのが現実。だからこそ君の案には賛同できないな」

持論を述べると、直美はすかさず反対した。
互いに語気を荒らげはせず、冷徹に案の不備をつく。
さながら真剣で切り合うかの如くやりとりに、周りは気圧されたのか、或いは呆れたのか。
軽々しく口を挟む者はいなかった。

「ルールも精神的に辛いのも、誰でも同じ。これも一種の平等。搾取されるどん底から這い上がってこれない弱い人間なら、私の冒険には必要ないわね」
「都合のいい時だけ利用し、不要になれば切り捨てる。君の考え方はよくわかったよ」

人間は組織を動かす道具というのが、彼女の見解のようだ。
だが人の感情を軽視しすぎだろう。
誰がそんな集団に属し、貢献したいと思うのか。
少なくとも自分は願い下げだ。

「私は個々の能力を活用しているだけ。そして能力の劣ると判断した人間の報酬を削るだけ。嫌なら抜ければいい。貴方の頑迷さには呆れるわ」
「今まで通り、独立独歩(ひとりだけ)で冒険すればいい。それなら報酬を分け合う必要もないよ、直美さん」

頑固だと嘲笑されたように感じ、売り言葉に買い言葉で残酷な言葉を投げかける。
昏い闇が覆い隠し、青年には彼女の表情は読めない。
だが、ふと口にした台詞が彼女を傷つけたと気がつくのに、時間はかからなかった。

「お、おい。口が過ぎるぞ、二人共〜」
「……今日はここまでにしましょう」

アシェルが恐る恐る口を挟むと直美はそう言い残し、早々と宿屋の2階へと上がっていく。
哀愁が漂う背中には誰にも心を許さず、ただ自らを高めるという意思さえ感じられた。
そこには何者も寄せつけない孤高の存在、氷の叛逆者と畏れられる直美の姿があった。

(彼女が先に僕を馬鹿にしてきた。僕だけが悪者?)

怒りは収まらず、彼女への反発心の灯火も消えない。
とはいえ不快なら、関わりを最小限にすればいいだけの話。
大人気ない対応なのは確かだろう。
青年が自問自答する最中

「謝らないでいいのか?」

小人族の青年が近寄って呟いた。
どうしたらいいものかと答えあぐねる祐に、間髪入れずアシェルはまくしたてる。

「俺は意見を曲げろって言いたいわけじゃない。人それぞれ違うのは当たり前だからな」
「……」
「けどさ、ちょっと喧嘩したくらいで別れたら勿体ないだろう? 今までは上手くやってこれたのに。気に入らない所だけ数えてたら人となんて関われないしな」
「わざと怒らせたわけじゃないし、きっとやり直せるよ。ね〜、ちびアシェル」
「お前、わざとチビっつっただろ!」

罵られた小人は青筋を立て、宿屋を自由に飛び回る妖精を追いかける。
喧嘩をしても固い絆で結ばれた二人を、青年は朗らかに眺める。

(気に入らない所だけ数えてたら人となんて関われない、か。彼の言う通りだ。まずは過ちを認めよう)

青年は直美を追いかけ、一旦深呼吸すると、ゆっくりと部屋の扉を叩く。

「さっきは悪かった。対立はしたけれど、直美さんが嫌いで言ったわけじゃないんだ」
「私だってそう。仲間をよりよい方へ導きたくて」

着飾らない台詞の応酬に、かすかに胸のわだかまりが解きほぐされていく。
互いに一度吐いた言葉が、完全に無になりはしない。
今後の行動如何で評価していくことになるだろう。
無言で待機していると、部屋の扉が開け放たれた。
謝罪への恐怖からか、直美は時折流し目で青年を見遣りつつ、餌を貰う金魚の如く口を動かす。
祐は何も言わず、彼女が切り出すのを待った。

「喧嘩した後に口先だけの仲直りなんて無意味よ」
「……そうだね」
「だから、その……必要な物資の調達ついでに気分転換でもしましょうよ。お互い少しは気分も晴れるだろうから」
「そうだね、すぐに用意してくるよ!」

彼女から仲直りの機会を設けてくれた。
期待に応えねば。
祐は冒険の際より急ぎで用意し、身支度を整えた。



街中にて



日中の王国は休日の観光地のように、人でごった返していた。
人と人の間を縫うように移動し、冒険の必需品を揃えていく。

「他には何がいるかしら?」

訊ねられた青年は盾を破損し、杖を紛失したのを思い出す。
流石に丸腰では戦えないが切り出せば、何を言われるやら。

「じ、実は武器と防具を失くして……」
「何してくれとんじゃい! 大枚はたいて買ったんやから、おどれの命より大事に戦わんかい! また私に借金させられたいんか、ワレェ!」
「す、すいません! すいません!」
「10日で8割やぞ、わかったな!」
「ヒィィィ! 拝金鬼畜鬼女〜!」

(弱みにつけこんで、トハチとは何という外道。人の心がないのか?!)

妄想の中の直美に怒鳴られ、青年は冷や汗をかく。
だが、いずれバレること。
観念した青年が白状すると、直美は意外にも穏やかだった。

「ああ、そう。せっかくだから装備屋に寄りましょう」
「え、怒らないの?」
「武具が壊れるのは必要経費。しょうがないことよ。でもモルマスにいた時は装備していたわよね。誰かと一悶着あった?」

鋭い指摘に青年はたじろぐ。
SG8の少年に襲われた、そして仲間にスパイが紛れているといえば、直美はまた人を疑い始める。

「実は君と別れてから襲われて、それで王族への謁見ができなかったんだ」
「なるほど、災難だったわね。でも正直に話してくれてよかったのに。心配だからね」

事実を曖昧に伝えると彼女は眉尻を下げ、青年の顔を覗き込む。
まったくの嘘を伝えたわけでもないのに、鼓動ははちきれんばかりに脈打った。
機少年を逃がしたことが裏目にでなければいいが。
談笑しながら歩き続くと、王国内で名の知れた武器屋に到着した。
どうやら異世界に連れられた人間と共にやってきた品々も取り扱う、少々変わった店とのことだ。

「よう、いらっしゃい。冒険の盟友を吟味していきな」
「えっ、あぁ、はい」

店内に入るや否や騎士に出迎えられ、青年はそちらに向かって一礼した。
……かと思いきや、木製人形に鎧が着せられただけだった。
カウンターに座る声の主は目をぱちくりさせ、ユウを凝視する。
腐敗した死人の如き肌色の人間や竜人も、店主と同じように青年を見つめた。
赤っ恥をかいた彼は顔を真っ赤にすると、横の直美は口元を隠しつつ微笑む。
ここに長居したくない、さっさと済ませて帰ろう。
意識を屋内の商品に向けると、幻想の世界でしか見られない武具が石壁に掛けられ、所狭しと並べられている。
興味をそそられる空間に心踊らせた青年は、舐め回すように商品を眺めた。
丈夫そうな銀の盾を手に取り、武器を選ぼうとすると、青年はある杖に目を惹かれる。
ギリシャ神話の冥界の王ハデスが持つ、二又の槍バイデントに似た見た目の笏で、持ち手部分には黒と白の二匹の蛇が螺旋を描くように巻きついていた。

「……これは」
「聖闇(しょうあん)の王笏(セプター)……の贋作といわれとる。我々の住む世界とは異なる外界の神の武器とのこと。贋作とはいえ手にした者には、とてつもない力を手に入れちまうようだ。果たして身に余る業を使えるのは幸か不幸か……」

店主は神妙な面持ちで、王笏の大いなる力を語った。
制御ができない武器というのは、感情にも似ている。
むやみに振りかざせば人を傷つけ、殺すのも容易い。
だが正しく扱えば、傷を癒やす力にもなり得る。
過剰なまでに持ち主を選ぶのは―――もしや心ある王笏の良心ではと考えてしまう。
己と釣り合わない人間の身を案じるからこそ、厳しく持ち主を選別するのだ、と。
不可思議な魔力を放つ武器に青年がうっとりと見惚れていると、直美も気になった刀をカウンターに持ってきた。

「この刀は?」
「名刀穐津。島国常世にて勝ち虫と呼ばれる蜻蛉の力を宿した業物。持ち主に刀を扱う技術、水属性の魔術適正、不撓不屈の精神を要求する妖刀。しかし選ばれし者には万物を捩じ伏せる不退転の力を得るという」

穐津と呼ばれた刀の刀身の刀文(はもん)は、波打つ水を模したかのような芸術的な焼き入れがされており、それを一目見た直美は生唾を飲む。
―――その仕草一つで欲しいと直接言わずとも、そう望む彼女の声が聞こえた気がした。
鍔に目を凝らすと羽根を広げたトンボみたいに見え、刀鍛冶の職人芸が光っている。
直美は一度天井を見上げ息をつくと、平静を装い店主に問うた。

「ずいぶん値段が安いけど。何故です?」
「聖闇の王笏と名刀穐津は、不適合者をことごとく嫌った。そして流れついたのがワシの店なのだ。武器は良き使い手に使われるのが幸福。このフィリウス·ディネ王国に適合する人物が現れればいいが……売れてもすぐにワシの元に帰ってきちまう」

髭をいじる中年はそういうと瞳を細める。

「安さにつられて買う人がいても使いこなせず、すぐに売りにくるのね。店主も処分に困ってるみたい」
「武器が持ち主を選ぶ、ってものかな?」
「聖闇の王笏と名刀穐津。使用者の精神に左右される杖と、力なき人間を認めない妖刀……別の武器にしましょう。無駄遣いになりかねないし」

彼女は妖刀のただならぬ力を察知したのか、理性で買わない選択を取る。
だが上手く扱えれば、ヴォートゥミラ脱出の力となってくれるはずだ。

「……確かに失敗したら無駄遣いになるかも。この場で少し試してもいいですか? もし上手く扱えたら掘り出し物だし」
「それで貴方の気が晴れるなら。でも怪我に気をつけて。依頼に支障がないように」
「心配してくれてありがとう。直美さんも名刀穐津、試してみたら?」
「うむ、試してみなさい。ワシが相応しいかどうか見定めてしんぜよう」

精神を集中させ、彼は王笏を握り締めた。
手に取ったが特に変化はなく、青年はがっくりとうなだれた。
やはり僕のような凡人ではなく、特別な人間にしか反応を示さない武器に違いない。

「……早く王笏の持ち主が現れるといいですね」
「アンタがその持ち主だ。ほら、そこを見てみなさい!」

店主は蛇を指差すと、一方的にユウの腕を掴み、所々抜け落ちた年相応の歯を覗かせた。
かじかんだ皺だらけの手に驚き、青年は愛想笑いで返す他なかった。
言われるがまま見てみると何やら違和感があったが、その小さな変化に気がつくのに、少々の時間を要した。

「あ、蛇の眼が光って……」
「その通り。片方だけでは駄目。二匹の蛇の瞳を同時に輝かせてこそ、王笏の持ち主足りうるのだ」
「私も試していいですか?」
「い、いかん。せめて店の外で……」

店主の静止を振り切って、彼女は妖刀に手を伸ばす。
過去に穐津が原因で、店内に被害を被ったのだろう。
顔を覆い、これから起こるであろう惨事から目を背ける。
しかし妖刀から勢い良く迸った水は、不思議なことに刀身を納める鞘のように金属の上を纏う。
その美しさたるや、さながら透き通る清流の川がそのまま刀の形を模したのかと錯覚させるほとだ。
それを見た店主は目を白黒させ、顎の外れた猫を思わせる顔で、暫く開いた口が塞がっていなかった。

「……驚いた。まさか持ち主が同時に現れるとは。これはヴォートゥミラ三神のお導きなのだろう。おめでとう」

感慨深げに祐と直美を祝福し、穏やかに微笑む。
親が子の幸福を喜ぶかの如き暖かな眼差しに、二人はほっと胸を撫で下ろした。
仮に選ばれなければという不安から解放され、肩の荷が下りると周囲の冒険者らの視線を、二人はようやく感じ取る。

「選ばれし者たちよ。この世に二つとない業物、大事にしてやってくれぃ」
「ありがとうございました。こちらこそ、いい買い物ができました」
「妖刀を幻滅させぬよう、これからも精進していきます」
「You beat me to it. Hang in there for me(先越されたな。俺の分まで頑張れよな)」
「I'm jealous. I want to go to the arms store with a girl, too(羨ましいね。俺も女の子と武器屋巡りしてみたいぜ)」

冒険者らの野次や冷やかし、励ましに二人は示し合わせたように笑う。
そして勢いよく武器屋を飛び出すと、道ではぐれぬよう互いに手を取り合うのだった。


拙作を後書きまで読んでいただき、ありがとうございます。 質の向上のため、以下の点についてご意見をいただけると幸いです。

  • 好きなキャラクター(複数可)とその理由

  • 好きだった展開やエピソード (例:仲の悪かった味方が戦闘の中で理解し合う、敵との和解など)

  • 好きなキャラ同士の関係性 (例:穏やかな青年と短気な悪魔の凸凹コンビ、頼りない主人公としっかりしたヒロインなど)

  • 好きな文章表現

また、誤字脱字の指摘や気に入らないキャラクター、展開についてのご意見もお聞かせください。
ただしネットの画面越しに人間がいることを自覚し、発言した自分自身の品位を下げない、節度ある言葉遣いを心掛けてください。
作者にも感情がありますので、明らかに小馬鹿にしたような発言に関しては無視させていただきます。

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