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異世界のジョン·ドウ ~オールド・ハリー卿にかけて~ 第23話 道徳の指針、新たな仲間

翌日



「今後の冒険資金として金貨をたんまり貰ったわ。これは武具の調達に充てましょう。王国から直々の依頼、絶対に成功させるわよ!」
「やっぱり直美さんに任せて正解だったね」
「やるなァ、嬢ちゃん。こっからオレサマの成り上がりの序章が始まるぜ!」
「おー、直美さん。すごいです~!」
「上手く王族に取り入ったな、悪魔じみた交渉術だ」

王国へと戻った一行は酒場に集い、酒を嗜み、注文した食べ物に舌鼓を打ちながら談笑する。
テーブルの中央のランタンの灯りに、青年は百物語を連想しながら、四方八方からの視線の恐怖に抗った。

(冒険者が仲間を探す場所らしいけど……騒々しくて苦手だ。人が多すぎる)

心で文句を漏らしつつ、祐は正面の直美に目を向ける。
王族への謁見を済ませた彼女が、成果を見せびらかすように貰った金貨を分配していくと、称賛の言葉を送られる。
アモンは近々パーティーから離脱すると金貨を受け取るのを拒否したが、モルマスは彼が救ったようなもの。

「君にはこれでも足りないくらいだ。受け取ってもらわないと僕の気が済まない」
「……そうか。なら仕方ないな」

青年が伝えると朗らかに笑って、懐に収める。
王族からはモルマスの褒賞と同時に、厄介事も押しつけられた。
最近は悪魔が原因とおぼしき被害が発生しており、その怪事件を解決してほしいとのこと。
彼女は王族からの依頼を心底喜んでいたが、責任重大で青年は嬉しさより不安が勝った。

(……失敗したら言い訳ができないな。期待してくれている証拠だけど)

「この依頼が成功したら、報酬と王族とのコネが期待できるわね。実入りがいい依頼、金品、資金援助etc。薔薇色の異世界生活が待ってるわ〜!」

満面の笑顔を向ける彼女は、既に成功した先の未来を見据えている。
だが上手くいくだろうか。
ハリー以外の悪魔との交戦は初めてだ。
とはいえ入念な準備と対策を怠らず、冒険に備えるという基本を守れば、大事には至らないだろう。
幸いオカルトが好きな僕の知識が、悪魔討伐に生きる場面はあるかもしれない。
後ろ向きな性格も作戦の粗が見つけやすいと考えれば、ある意味長所だ。
青年が悪魔について脳を働かせると、直美は唐突に彼に顔を寄せた。
目と鼻の先にある彼女の唇は、先ほど食べていた揚げ物料理で、リップを塗ったかの如く輝いている。

(きゅ、急に何だろう? 人前で話せないようなこと?)

戸惑いながらも青年は頬を紅に染め、直美の言葉を待つ。

「王族には貴方が悪魔の魂を持つこと。仲間に悪魔がいること。そして私たちが迷い人であることを素直に教えたわ。後から大事になったり、疑われるのは避けたいもの」
「え、それ、バラして大丈夫?!」
「迷い人には皆それぞれ力が与えられる。場所によっては差別される迷い人も冒険者なら歓迎されるわ。王国の人間って現金よね。私も人の事は言えないけど」

彼女の口振りだと、王国内では迷い人であるのを隠す必要はなさそうだ。
しかし異世界からの来訪者である僕らが、ヴォートゥミラの民から偏見を持たれているのは事実。
SG8に迷い人について情報収集されれば容易く居場所が特定される以上、なるべく隠すべきなのは間違いない。

「今は実より名を取るつもり。力さえ示せば、実も後からついてくる」
「悪魔を討伐すれば悪魔に与する人間とは扱われないはず。今は冒険の成功に尽力しよう」

今まで流されてきたが、もう腹を括るしかない。
祐が鼓舞すると、彼女は拳を握り締めて力強く答えた。

「悪魔には階級と序列がある。情報不足で、どれほどの悪魔なのか不明なのが困るな。悪魔次第では荷が重い依頼になりそうだ」
「どうしましょう。用が済んだら情報収集していく?」

彼女の問いかけに首を振って、青年は返事した。

「いや、依頼人の王族に悪魔について引き続き調査してもらおう。それが国を治める立場の人間の責務と誠意。討伐の依頼に気づいた悪魔との交戦も考えられるし、危険を冒したくない」
「王族を使いパシリか、気分いいなァ」

ユウの言葉を聞き、ハリーは奔走する貴族を嘲笑うように膝を叩く。
悪魔の本質は、彼との契約と冒険で痛いほど知ったつもりだ。
慎重に慎重を重ねて用心せねば。

「悠長にしていたら信用を失いかねない。悪魔が逃げない?」
「悪魔も簡単には逃げられない。別人になれば人間関係や地位を捨て、また一からやり直しだ。今は王族の情報収集を静観し、期を待とう」
「理には適ってるけれど、実際にはどうなの?」
 
彼女はアモンへ視線を向け問うと

「基本的に人の世に溶け込む悪魔は、他の人間や築いた地位を最大限利用する。軽率な行動を取る悪魔は案外少ないよ」

悪戯っぽく笑いハリーを横目に見遣ると、彼はバツが悪そうに渋い表情を見せた。
格上の悪魔の正論には、粗暴で口答えする性格も鳴りを潜め、借りた猫のように大人しい。

「……蛇の道は蛇。悪魔の道を識るのは同じ悪魔。君らには頼るかもしれないな、ハリー、アモン」
「おう。ただ上層部にしか共有されてねェ情報もあっから、それについては勘弁な」

青年がハリーに頷くと、白い歯をこぼす。
出会った直後と比べれば、だいぶ丸くなった。
契約で嘘はつけない以上、情報の信頼性はある。
話に一区切りついた所で、青年はあることを提案する。

「いい機会だから仲間を増やすのを検討してみない? この人数だと流石に厳しい気がして」
「人を増やすと面倒事も増えていく。分け前の問題もあるし、私は少人数組織でも構わないわ」
「少人数だと、もしもの事態に困るよ。予備の冒険者には現地の調査や情報収集の役割を担ってもらったり、やってほしいことはいくらでもある」
「確かに予備の戦力という観点から見ても、多いに越したことはないけど……」

直美は顎を手で触り、神妙な面持ちで青年の意見を汲もうと思案する。
彼女同様に安易に増やすのに、懸念があったのは青年も同意だった。

「冒険していて困ったことはある? 足りない部分を補う人材なら同行してもらってもいいんじゃないかな?」

助け船を出すつもりで訊ねてみると

「どうせ加えるなら迷宮に落ちた宝箱の解錠を頼める人材が欲しいわ。いらない品々の売却で冒険資金が工面しやすくなるし」
「あたしは魔法使いさんがいいかな〜、なんて。幽霊さん相手にできる人は必要ですよ」

直美や英子が条件を列挙していく。
具体的な能力を持つ人物像や仲間に加入させる理由は明確で、より冒険が捗るだろう。
青年もうんうんと頷いた。

「いいね。困ったら都度仲間にするか雇おう」
「チンタラしてっと、優秀な奴らが他の連中に取られちまう。いっちょうギルドにいってみねェか? あそこ、冒険者探しの斡旋もしてるんだろ?」

流石に己の命が懸かる以上、冒険稼業に手を抜くつもりはないようである。
悪魔の一言に促された一行は席を立つと、金を支払い、酒場を後にするのだった。



冒険者ギルドにて



ギルドの出入り口に向かうと、相変わらず火と水が建物の周囲を飛び回る。
直美と英子は羽虫を追い払うみたいに、シッシッと手を振った。 
青年は意に介さない二人の逞しさを羨ましく思いながらも、高鳴る胸を深呼吸で整えつつ足早に駆ける。

(い、いつきても慣れないなぁ)

最後にハリーが通り過ぎると、火と水は彼からも遠ざかっていった。
毎回こんな気持ちをしながら、ギルドへ入る羽目にかるのか。
耐えきれずに

「これはなんなの、皆は怖くないの?」

と聞くと、悪魔が青年の素朴な疑問に答えた。

「炎のサラマンダー、水のウンディーネ、土のノーム、風のシルフ、雷のグレムリン。属性の元素と縁深い土地には精霊の力が宿ったりすんのさ」
「なるほど、冒険者ギルドにも精霊と縁が……」
「こいつら五大精霊は悪魔を嫌悪してる。ただヴォートゥミラの理に反して悪魔にだけ魔法を使わせない……なんてことはねェ。こいつらも悪魔の産み出した魔術を平然と使いやがるしな。ま、お互い様ってヤツだ」
「ふ〜ん。ありがとう、ハリー。ヴォートゥミラの見識が広がったよ」

日本でいう氏神、産土神のようなものか。
納得した青年が相槌を打つと、一足先に入った直美が掲示板を眺めているのが視界に入る。
今はそれどころではない。
肩に手を置くと本来の目的を思い出した彼女は、ギルド職員エイプリルの元へ進む。
鍵開け及び魔法の技能を持つ冒険者を探している旨を伝えた所、冒険者毎の道徳の指針(アライメント)を定める診断なるものをやるよう促された。

「同行する人間が増えてしまうと、人間関係の問題がつきまといます。なので冒険者が計6人になると善悪の均衡を保つよう、道徳の指針を下す必要が生じるわけですよ〜」

了承した一行が組合の椅子に座ると、エイプリルが暫し待つように言いつけ奥へ進む。
言葉を交わし暇を潰すと、彼女は人数分の器と白い粉、そしてナイフを持って帰ってきた。

「では教えていただきましょうか、〝汝の罪〟を」
「ず、ずいぶん不吉な名前ね? ま、まぁ、私は怯えてなんかないけど!」
「人は善意や損得だけでなく、罪悪感が行動原理になることもある。故にこの診断は〝汝の罪〟と呼ばれているのです」

エイプリルは眼鏡を中指で持ち上げ、おでこに乗せる。
普段は柔和な彼女の面様が一気に険しくなり、青年は身構えた。

「……ちなみにカッコつけではなく、眼鏡が曇るのでこうしてます」
「ハハ、大変ですね」
「ええ、数ヶ月おきに1度アライメントの診断を受けてもらう規則で、毎回変わる方もおられるので〜。〝汝の罪〟をできる方は限られていて、その度に私に負担が〜……」

溜息を漏らし、エイプリルが愚痴をこぼす。
ギルド職員と冒険者の関係上、事務的な会話になりがちだ。 
けれども負の部分も見せてくれる程度には、親しくなれたかもしれない。
そうこうしている間に、彼女は作業に取り掛かる。
器に盛られた謎の粉を匂うと仄かに磯の香りが鼻をつく。
だが粒がほどほどに細かく、塩には見えなかった。
いったいこれは……疑問符を浮かべた青年は

「これは?」
「珊瑚の粉末です。珊瑚は〜、癇癪に効能のある聖なる霊石なのですよ〜」

質問後に青年はナイフで、自らの指を切るように指示された。
鋭い痛みが走るのを我慢し、人差し指を伸ばして一滴の血を垂らす。
青年は器を覗き込むが、特に何も変化は見られない。
首を傾げると

「炎の精霊サラマンダー。魂を映し出す彼(か)の者の血肉によって、罪を曝け出し給え。サングイス・アルデンティア」

エイプリルが呪文を唱えた瞬間、粉末が瞬時に燃え盛る。
息を吹きかけ鎮火した器には、赤々とした粉が上を向いた矢印のような象形文字らしきものを形作る。
理解の追いつかない青年に畳み掛けるかの如く、彼女は結果を語り出した。

「ユウさん、貴方は混沌にして善の心を持つ冒険者。個人の価値を尊重し、利他の精神で生きる人」
「混沌にして善、それは?」
「自らの良心と善意が生きる羅針盤。個人を尊重し、他者に影響されず、正義を実行できる強き人。法や常識に縛られず、誰かを救済する貴方を、無法者と嫌悪する人々もいるでしょう―――けれど貴方にしか救えぬ人がいます。貴方にしか成しえないことが必ずあります。貴方にしか守れない命があります。それを忘れないで下さい」

エイプリルは瞳を見据えて、重ね重ねそう告げた。
いくら自分の意志を貫こうとしようが、人が社会的な動物である以上、他人にどうしても影響されてしまうもの。
彼女からしてみれば、僕はただの冒険者。
けれど彼女の後押しの言葉で、幾分か強くなれた気がした。

「ありがとうございます。エイプリルさん」

頭を下げた青年に照れ臭そうに微笑むと、すぐハリーのアライメントを占う。
先ほど同様に粉は紅に染まるも、浮かんだ文字はカッターの刃の形のようになり、全く異なっていた。

「ハリーさん。貴方は混沌にして悪の心を持つ冒険者。個人の楽しさを追求し、利己の精神で生きる人」
「ククク、実にオレサマに相応しい」
「自らの快楽と利益が生きる羅針盤。自らの力と技能を磨き、己の道を歩む強き人。自分勝手で奔放に見える貴方を、嫌う人もいるでしょう。けれど荒涼とした大地で最後まで生きるのは、自らの信念と利益に従う貴方のような方」
「聞いたか、ユウ。オレサマが最後に生き残るってよ」

悪魔は僕と望まぬ契約を結んだ。
それでも現状を受け入れ、なんだかんだ楽しそうにしている。
この図太さこそが彼の強さの所以なのだろう。
ハリーの診断を終えると、次は直美が血を垂らした器を差し出す。

「ナオミさん。貴方は秩序にして悪の心を持つ冒険者。社会や組織に属し、利己の精神で生きる人」
「はい」
「社会秩序の中で自らの利益を求めるのが、生きる羅針盤。組織にいながらも、自らの利益追求と目的達成を貫く強き人。権力を盾にする貴方をよく思わない人もいるでしょう。けれど貴方ほど組織の効率を重視し、利益を与えてくれる人もいません」
「ええ。私と仲間に最大の利益をもたらしてみせます」

青空の彩りの粉と不等号を彷彿とさせる文字を眺め、きっぱり言い切る。
敵にいたら恐ろしいが、味方ならこれほど頼りになる人間もいないだろう。
悩みはあれど理想の未来という、一点を見据える眼差しに迷いはない。
まるで後退せぬ蜻蛉の如く。
最後の英子がエイプリルに器を手渡すと、そわそわしながら彼女をまじまじ見つめた。

「エイコさん。貴方は秩序にして中立の心を持つ冒険者。社会や組織に属し、中庸の精神で生きる人」
「……ええと」
「社会秩序を重んじるのが生きる羅針盤。組織の規則と法に則り、自らを高める強き人。法の番人の貴方を融通がきかないと煙たがる人もいるでしょう。けれど貴方ほど善悪に偏らず物事を客観的に判断し、組織に殉ずる人はいません」
「わ、私は日和見なだけで……そんな立派じゃ」

さながら澄んだ海の色合いの粉と、アルファベットのIを模した文字に、英子は眉間を寄せた。
褒められ狼狽える英子を尻目に、エイプリルは自らの仕事に集中していた。

「なるほど〜。混沌と秩序を重んじる冒険者が2人づつ。善、中立がそれぞれ1人、悪が2人。中立の冒険者でバランスを保てそうですよ〜」

エイプリルが独り言を呟く最中、冒険者の組合から聞き馴染みのある声が耳に届き、ユウはそちらを見遣る。

「あ、モルマスの鈍臭い冒険者!」
「生きてたんだ〜、よかった〜」
「あ、あの時の」

すると視界の先にはモルマスに怪物が飛来した時、共に戦った小人族と妖精がいた。

「アンタらも仲間探し? 奇遇だな」
「うん。自己紹介がまだだったね、僕の名前はユウ。ちなみに君の適正は?」
「俺が盗賊。んでウィヴィが魔法使いだよ。今日は診断の更新にきて」

運命という言葉は嫌いだが、それ以外の文字では言い表わせない偶然だ。
顔見知りの二人の会話を直美と英子は横槍を入れず見守るが、悪魔だけはアシェルとの会話を遮った。

「んだよ、このチビガキ」
「チビっていう方がチビなんだよ!」
「どうみてもオメーがドチビだろうが。脳味噌の中身ねェだろ」

アシェルは舌打ちすると、エイプリルに向き直す。
巻き込まれたくないからか喧嘩を仲裁はせず、黙々と作業していた。
荒くれ者の争いに細腕の彼女が参加しようものなら、大怪我は免れない。
賢明な判断だろう。
粉末の色は変化ないものの火が収まると、アルファベットのRを象る文字になり

「アシェルさん。貴方は中立にして善の心を持つ冒険者。己の信念に従い、利他の精神で生きる人」
「お、中立か。この前と同じだな」
「善悪に偏らない良心が生きる羅針盤。どんな形であれ正義を実行する強き人。時には自らの信じる正義に悪さえも利用する貴方を、外道と評する人もいるでしょう。けれど善を成すのに悪党の誹りを受ける覚悟があるのは、貴方しかいません」

中立と耳にして青年とアシェルは顔を綻ばせた。
探し求めた盗賊の冒険者で、条件にも合致する。
実力も申し分ない、青年はたまらず誘うと

「ウィヴィと一緒に冒険できるなら考えるよ」

と、返事してくれた。
ハリーは足踏みし苛立っていたが、他の仲間は反対の素振りは見せない。
後は妖精の結果次第だと、経緯を見守り天へ祈る。

「ウィッカさん。貴方は真なる中立の心を持つ冒険者。己の信念に従い、利他心と利己心の狭間の精神で生きる人」
「ふっふ〜ん。何者にでもなれそうでカッコいいねぇ〜」
「何にも縛られず中立的立場を貫くのが生きる羅針盤。自らの道徳と信念に従う強き人。その時々で善にも悪にもなれる貴方を、どっちつかずの蝙蝠と揶揄する人もいるでしょう。けれど貴方ほど世界を俯瞰して、客観的に判断を下す人はいません」

無色透明の粉末に、アルファベットのMに似た記号が現れた。
彼女もアシェルと同じく、中立に属するようだ。

「エイプリルさん、彼ら二人を仲間にして構いませんか?」
「勿論です〜。善悪中立の配分もよく、理想の組み合わせといえますね〜」

青年の一言にエイプリルは、二つ返事で承諾した。
小人族の青年は気恥ずかしそうに頭を掻き、まんざらでもなさそうに苦笑する。

「アシェルくん、よろしく」
「ん、ああ。迷惑かけるだろうけど頼むわ」
「互いの目的の為、共に頑張りましょう」
「よろしくね〜」

外交的な小人と妖精を一行は早くも歓迎ムードだ。
ハリーはアシェルを睨むが、職員は無視して話を続ける。

「各々個性と強みは違えど、貴方たちが一丸となれば運命をも覆せるはずです。私の励ましが、皆さんの微力となれれば、ギルド職員冥利に尽きます」

貴方にしか救えぬ人がいます。
貴方にしか成しえないことが必ずあります。
貴方にしか守れない命があります。
エイプリルの心遣いを思い出すと胸に暖かいものが染み渡り、自然と穏やかな気持ちになれた。

「ありがとうございました」

礼を告げて七人は英気を養うべく、宿屋へと向かう。
彼女の一言は活路を切り拓く力となり、冒険の一助となるだろう。
―――これから先、辛く険しい困難が彼らに待ち受けようと。


拙作を後書きまで読んでいただき、ありがとうございます。 質の向上のため、以下の点についてご意見をいただけると幸いです。

  • 好きなキャラクター(複数可)とその理由

  • 好きだった展開やエピソード (例:仲の悪かった味方が戦闘の中で理解し合う、敵との和解など)

  • 好きなキャラ同士の関係性 (例:穏やかな青年と短気な悪魔の凸凹コンビ、頼りない主人公としっかりしたヒロインなど)

  • 好きな文章表現

また、誤字脱字の指摘や気に入らないキャラクター、展開についてのご意見もお聞かせください。
ただしネットの画面越しに人間がいることを自覚し、発言した自分自身の品位を下げない、節度ある言葉遣いを心掛けてください。
作者にも感情がありますので、明らかに小馬鹿にしたような発言に関しては無視させていただきます。

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