予算３０万円の愛車遍歴③
その⓷ 平成23年（2011年）10月にヤフオク（中古車販売店）で購入。
トヨタ センチュリー Dタイプ 平成7年式 走行距離122,700キロ
車検平成24年10月
購入価格 342,370円
車両本体 158,000円（値引き44,080円）
リサイクル 14,120円
法定費用 46,330円
諸費用 168,000円
内訳 名義変更手数料 36,750円
納車準備費用 31,500円
回送費用 84,000円
デュランゴを知り合いの社長に渡すことが決まった日から、ヤフオクで車を探し続けました。これが一番楽しい作業です。今でも暇さえあれば検索して、いくらで落札されるのか気になる車は、お気に入りに登録しています。
ある日、センチュリーが15万というのが非常に気になりました。国産車が気になったのは、20代の頃にユーノスロードスターが発売されて、順番待ちで新車を買った時以来です。E-VG40という古い型式ですので、フェンダーミラーです。4リッターV8！三角窓がモーターで開閉！色は神威（カムイ）！ファントムトップ（屋根の外装が革張り）！！！リアタイヤにフェンダーがかぶっていて、私の好きなアメ車感もあります。
センチュリーの黒は神威エターナルブラック、紺は摩周シリーンブルー、銀は慶雲イリューションシルバー…ワクワクします。福野礼一郎氏の「クルマはかくして作られる」という本も買って、センチュリーにのめり込みました。これにすると女房にヤフオクの画面を見せたら猛反対です。こんなの今時乗りたくないと。
それでも出かけるのが好きなタチなので、まだ渡す前のデュランゴに乗せて足立区まで現車確認に行きました。まあ、総額30万くらいだろうと予測して。千葉のほうにセンチュリー専用のヤードもあり（ホームページで確認済み）、担当してくれたお兄さんはセンチュリー専門で、博士と呼ばれているとのこと。メーターが針ではなくデジタル！エアコンも奇跡的に壊れていません。その昔はどこぞの政治家が乗っていたそうで、後部座席にはオプションらしいレトロなブックライト。決まりです。
お金を振り込んで1週間。何も言ってきません。電話したら、間違えてタクシーの登録？になっていて、その登録を変えなければならない。費用の差額を払ってくれとの事。んっ？なんだそりゃ！しばらく言い合いましたがキャンセルはキャンセル料がかかると言われ、完全にセンチュリー気分だったこちらも引っ込みがつきません。差額を払うから早くしてくれと。記録がありませんが5万円位の話だったと思います。
差額を振り込んで１週間。また何も言ってきません。催促したら、何かがどうとかでまだ登録に行けてないと。なら自分でやるといったら、それはできないと。じゃいつになる？わかった、じゃこの日は？その日は遅くなる。遅くてもいいから持って来て。ようやくさらに1週間後の納車日が決まりました。
当時やっていたお店に納車。積載車に乗せて夜７時、希望ナンバーの付いたセンチュリーを例の博士が持ってきました。今思えば陸運局の登録は16時までのはず。17時には着けたはずだが、暗くなるのを待っていたのか？こちらから連絡しないと何の連絡もしてこなかったことについて問いただすと、忙しいのに千葉のヤードから持ってきた。回送料をもらいたいくらいだと言う。話にならないので（明細の回送費用参照してください）、とっとと帰らせてデュランゴからお付き合いのクルマ屋へ直行。怪しいと思ったころから相談はしていたので、待っていてくれました。車両チェック開始です。
まずはクルマ屋がエンジン吹かしてみると、なんとその場でベルトが切れました！よくここまで乗ってこれたね。ベルトが切れただけでなくプーリーが壊れました！！クランクプーリー、エアコンプーリー、ベルト2本。部品代だけで５万円追加です。さらに！4リッターV8に不釣り合いなバイクのバッテリー？軽自動車より小さなバッテリーが取り付けられていました。翌日電話すると彼が出て、しぶしぶと自腹で買って送りますとの事。((当たり前だ、どこが博士なんだ？)) 10月24日契約、まともに乗れたのが11月29日でした。
この③が今までで最悪の中古車購入体験です。
現車確認はどうしても気持ちが前のめりになりがちです。冷静さを失わないことが大切です。後になって、ボンネットとトランクに艶がないことに気づきました。下手な再塗装をしています。現車確認時はどうだったのか？覚えていません。足立に車を見に行ったのに、なぜ千葉から持ってきたのか？良くないパーツをつぎはぎして15万で出したのでは？暗くなってから納車したのも意図的なのでは？
タクシー登録って？現車確認時にナンバーはついていたか？覚えていません。黒ナンバーの軽を名義変更するのと同じ事なら、陸運局で連絡票をもらえばいいだけでお金はかからないはず。構造変更が必要なら車検を切る必要があるはず。車検証のコピーが保管してあったので確認すると、整備記録簿が平成10月28日付けで同日に車検1年の新規登録。（タクシーは１年車検）確かに契約時から車検は１年あるという話だったけど、新規登録なら2年付けるでしょ？間違えた？差額を請求？意図が分かりません。
記録簿を出した整備工場を検索したら長年やっているまともな工場という印象。あんなバッテリーで記録簿に点検マークが入るのか？すぐ切れるようなベルトで・・契約から4日後には登録が終わっているのになぜ連絡をよこさなかったのか？11月15日移転登録で私の名義になっています。納車はこの日ではなかったので、この間に何かした？千葉のヤードにある在庫と部品を入れ替えたのだと私は思っています。
そもそも最初から諸費用が異様に高い！どちらにしても悪徳業者です。結局50万円を全て使ってしまいました。今思い出しても腹が立ちます。無知だった自分にも。是非このような販売店にはお気を付けください。今検索しても出てきませんので倒産したのでしょう。当然ですね。
センチュリーは良くも悪くも思い出深い一台です。ほぼ4年間所有していました。ハンドルが非常に軽く、意外と取り回しやすい車です。V８のエンジン音は耳を澄まさないと聞こえませんが。静かにスーっと走り出し、いつでも余裕を感じさせてくれます。ヘッドライトのレンズはガラス製なので黄色くなったりしません。燃費は悪いけどレギュラーガソリンです。女房も今では大学生になった子供も、今までで乗り心地は一番良かったといいます。
当時、幕張メッセに子供向けのイベントがあり、臨時駐車場に行列で並んだ時は、うちのセンチュリーだけ別の方へ誘導され、関係者の車両が止まっている入口横の階段脇に停めさせてくれました。ベンツもBMWもいたのにうちの年季の入ったセンチュリーだけです。なんで？と女房。日本のセンチュリーだからだろ、と私。回転寿司に乗っていった時は、誘導員のおじさんが枠のないところへ三角コーンでスペースを作って「ここに停めてください。」と。
夏と年末年始は岡山往復1,200キロ。計5回走りましたが、途中で故障した事はありません。買って1年後の年末、出発前に突然バッテリーが上がりました。ニセ博士が一番安いバッテリーを送ったのでしょう。途中でなくて幸いでした。近場のアウトレットへ行ったとき、到着500メートル手前で止まったことがあります。クルマ屋に電話して状態を伝えると、ダイナモが壊れて充電ができなくなった様子。ＪＡＦには入っておくことをお勧めします。年間4,000円でクルマを替えても、他人のクルマに乗っていても、対応してくれます。レッカーも一定の距離まで無料です。
引っ越しもしました。平成24年の夏、子供の小学校の近くの一軒家です。小物はセンチュリーで運びました。トランクも大きいのでたくさん荷物も積めました。目の前が2台分の駐車場になっていたので、2台とも借りて庭代わりにしていました。ノラ猫が2匹いて、たまに餌をやっていましたが、革張りの屋根が気に入ったようで、天気のいい日は車の屋根で日向ぼっこをするようになりました。足跡が付くけど拭けばいいかと放っていたのが失敗です。経年劣化で固くなり少し浮きがあったところから引っ搔いて、革をボロボロにされてしまいました！
お気に入りのファントムトップが・・色々調べたら張り替えは数十万！自分でやるしかないと方法を探していたら、アマゾンで防水の「貼るレザー」というのを見つけました。大きなPUレザーのシールみたいな物です。劣化した屋根の部分を全部はがして、まあまあキレイに貼れました。１万円かかりませんでした。目線が足元に行くようにホイールも変えてみました。できることはＤＩＹしましょう。どうせ安い車なので失敗を恐れずにチャレンジです。
ETC取付、三角窓のモーター不良、パワーウィンドウ４か所が順番に不動、ブレーキパッド前後交換、ブレーキホース交換、艶のあるトランクリッドに交換（ヤフオクで購入。ボンネットは良いものがなかったのでそのまま）、オルタネーター交換、電装系各部の点検、ビットマンアーム、アイドラアーム交換、オイル交換等を所有している間に行いました。メンテナンス代は計451,523円かかりました。中古タイヤ付きホイールで60,000円プラスです。
最後は車検を1年残してヤフオクで20万円で売れました。50万円からの差し引きは約30万円ですが、メンテナンスを考えると予算30万円で買ってはいけない車です。税金も高いです。
でもいつか、もう一度所有したいのはVGセンチュリーです。
新車価格 5,380,000円
ボディタイプセダン ４ドア 乗員定員５名
全長×全幅×全高5,120×1,890×1,450mm
今回文章にしてみてスッキリしました。noteに感謝です。