富士山の急斜面を爆速で駆け下りる大砂走を知っているかい?
前回までに、富士山最高峰剣ヶ峰の登頂までを書いた。マガジンにまとめているので、是非この後に見て頂きたい。今回は、御殿場ルートでの下山の話。
御殿場ルートは、富士登山主要4ルートの中で1番過酷とされているルート。標高差、道の距離ともに1番大きいなのだ。そんな御殿場ルートでの下山を選んだのには、理由がある。
まず、バスが御殿場駅へ出ていること。行きで御殿場駅に荷物を預けているので、便利。ちなみにバスが同じ駅から出ているのは、御殿場ルートと須走ルートだけ。
そして何より、大砂走という名物の存在だ。火山灰でフカフカの斜面を一気に駆け下りるルートなのだ。
まずは、普通の砂利道を地道に下る。登りと違って足は楽だが、少し怖いのと膝を気遣う必要がある。それでも登りの数倍のペースで進めるので、あっという間に7合目まで下りてしまった。
7合目まで来たら、いよいよ大砂走がスタート。1歩で3m下るとも言われる砂道を大股で走り抜ける。眼下の御殿場市目掛けて、スキー場程の傾斜を下る。そのスピード感は、ウサイン・ボルトの世界新記録を体験しているかのようだし、一気に下る(落ちる?)様子は生身でジェットコースターに乗るようなものだ。アトラクション好きは絶対ハマると思う。
途中には、宝永火口という江戸時代に噴火した火口を通る。勢い余って通過してしまったので、折り返して登ろうとした。しかし下りやすい分圧倒的に登りにくい。1歩進めても滑り落ちてしまう。アリジゴクに落ちた虫みたいになったので、泣く泣く諦めた。
そのまま下っていると、道を間違えたのだろう、大砂走を逆走して登る人がいた。1組には声を掛けることができたが、そのまま行っていたら砂走突破に1日使うことになるだろう。私たちはYAMAPというGPSの地図アプリを使っていたが、改めて地図の必須さを感じた。
ちなみにこのワイルドな大砂走、弊害もある。Kの足の爪は割れ、私の登山靴と新品の靴下に穴が空いた。しかも40分ほど走る必要があるため、体力消費もものすごい。麓にたどり着いた時はバス停まであと5分の看板にさえ絶望を感じたほどだ。
そんな疲れを癒すもの。それはひとつしかないだろう。JRから小田急線に乗り換えたどり着いたのは
箱根湯本。
そしてその温泉でゆっくりした後食べるものは、
横浜で回転寿司。
と言った具合で、疲れすぎて写真を全く撮っていなかったのだが、横浜発の夜行バスを待つ間、存分に贅沢をしたのでした。おしまい!
2023年は、富士山の他にも、沖縄やらカナダやらで生活したり、卒論や就活したり、色々した。それでも、自分の足と体力で行きたいところに行った富士山の思い出が、1番色濃く残っている。この富士山旅行記は、そんな思い出を形にして、少しおすそ分けした、そんな感じです。
おしまい!